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蕁麻疹

蕁麻疹とは

蕁麻疹(じんましん)とは、皮膚の表面に発生するかゆみを伴う発赤した腫れや斑点のことです。一般的には、特定の刺激やアレルギー反応によって引き起こされ、原因が特定できる蕁麻疹は全体の約1〜3割程度に留まると考えられています。
一方で、原因不明の蕁麻疹の多くは一過性であり、強い赤みやかゆみ症状は数10分~1日以内程度で消えることがほとんどです。このような蕁麻疹を「急性蕁麻疹」と呼びます。
しかし、中には数ヵ月~数年単位の長期間持続するケース(慢性蕁麻疹)もあるため、適切に対処していく必要があります。

蕁麻疹の種類

種類①:急性蕁麻疹

急性蕁麻疹(acute urticaria)は突然発生し、通常は数時間から数日以内に症状が解消される一過性の皮膚疾患です。毎日のように症状が現れることもあり、基本的には発症後1ヶ月以内のものを急性蕁麻疹と呼びます。
強いかゆみが現われ、発疹は小さいものから大きなものまで様々です。食品や薬品、その他の抗原によるアレルギー反応、細菌やウイルス感染が引き金になると考えられています。
急性蕁麻疹は通常一過性のものであり、大抵は自然に治まりますが、持続する場合や重度の症状が見られる場合は医師の診察が必要です。

種類②:慢性蕁麻疹

蕁麻疹を発症して1ヶ月以上経過してもなお持続しているものを慢性蕁麻疹と呼びます。
内臓の病気や精神的ストレス、寒冷や温熱など様々な原因があり、約70~80%のケースで原因が特定できません。原因が特定できない場合、蕁麻疹の原因として心当たりががあるものがあれば避けておくのが無難でしょう。

種類③:物理性蕁麻疹

衣類や化学物質、寒冷・温熱刺激など物理的な刺激によって発症する蕁麻疹の一種です。接触部分を中心に発症するのが特徴であり、原因の特定がしやすいでしょう。
また、特定した原因を避けることが再発防止となります。一度発症すると数時間〜2日間程度持続すると考えられています。

種類④:コリン性蕁麻疹

発汗に関与するアセチルコリンと呼ばれる神経伝達物質が関係する蕁麻疹の一種です。例えば、運動後や辛いものを食べた際に発症することがあります。地図状の膨隆疹や皮膚との境界が明確な湿疹が現れれます。加えて、強いかゆみやピリピリした痛みを伴うのが特徴で、小児から30歳代前半までの成人に好発すると言われています。

種類⑤:アスピリン蕁麻疹

アスピリンなどのNSAIDsを投与(内服・注射・外用)などした際に発症する蕁麻疹の一種です。数分~数時間で膨疹が現れるほか、血管性浮腫によりまぶた・唇が腫れるなどの症状ができる可能性もあります。慢性蕁麻疹,食物依存性運動誘発アナフィラキシーなどの蕁麻疹を増強させる作用もあるため、重症化の恐れがあり注意が必要です。

種類⑥:アレルギー性蕁麻疹

アレルギー性蕁麻疹は、特定のアレルゲンに敏感に過敏反応して生じる蕁麻疹の一種です。皮膚上には赤い発疹や腫れが現れ、その中央が白くなる独特の蕁麻疹になるのが特徴です。強いかゆみが伴い、患部を掻くなど刺激すると悪化する恐れがあります。
アレルギー性蕁麻疹の発症メカニズムは、特定の食べ物や薬剤などの物質(アレルゲン)と特異的な免疫グロブリンE抗体(IgE)が結びつき、皮膚の肥満細胞からヒスタミンなどの化学物質が放出されることにより起こります。この反応が引き金となり、蕁麻疹が発現するのです。
アレルギー性蕁麻疹は、過敏反応が原因で起こるため、特定のアレルゲンを避けることが重要です。

種類⑦:イントレランス

イントレランスとは「不耐症」のことです。不耐症とは、生まれつき抵抗力があるものに対して抵抗力が落ちて、弱くなっている状態です。抵抗力が落ちた結果、蕁麻疹を発症します。非ステロイド系消炎鎮痛薬(アスピリンなど)や造影剤、色素などに反応するIgEの関与しない蕁麻疹の一種です。

蕁麻疹の原因・メカニズム

原因①:食べ物

食べ物が原因で蕁麻疹が生じることがあります。青魚や甲殻類、果物などが代表的な代用食品として挙げられます。この蕁麻疹は、食品に含まれるアレルゲンが特別な免疫グロブリンであるIgEを介して皮膚の肥満細胞を刺激し、それによって引き起こされます。
特定の食べ物で蕁麻疹が現れる場合、アレルギー性蕁麻疹の可能性が高いです。一方で、植物などのアレルゲンが含まれない食べ物で蕁麻疹が起こる場合は、食べ物中のヒスタミン様物質に反応したり、ヒスタミンを遊離しやすい成分が含まれている可能性があり、非アレルギー性蕁麻疹の原因となります。
アレルギー性蕁麻疹は特定が比較的容易ですが、非アレルギー性蕁麻疹は体調や摂取量に左右されやすく、そのため原因の特定が難しい傾向があります。

原因②:薬剤(薬疹)

薬疹は、特定の薬物を摂取した結果、皮膚が異常に反応する症状です。一般的には、薬物への過敏症反応の一種であり、薬物の種類や個々の体質によって様々な症状が現れます。これをアレルギー性薬疹と呼び、中毒性表皮壊死症やスティーブンス・ジョンソン症候群などの重篤な状態になることもあります。
どんな薬物でも薬疹を引き起こす可能性がありますが、特に抗生物質、抗てんかん薬、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、抗がん剤などの使用により、が好発する傾向があります。アレルギー性薬疹は、原因となる薬剤を中止しても自然治癒しないため、状況に応じた医療的な対処が必要です。適切な処置がなされないと、症状が悪化するおそれがあるため、早めの医師の診断と適切な治療が重要です。

原因③:動物や植物

動物が蕁麻疹の発症の原因となることがあります。具体的なアレルゲンとしては、動物の毛や糞、尿、羽毛などが挙げられます。特に家庭で動物を飼っており、日常的に蕁麻疹のような皮膚トラブルが起きている場合は、動物が原因である可能性も考えられます。検査は簡単に採血で行い、IgE抗体を測定するだけですので、簡単に検査可能です。動物との接触が原因である場合、適切な対策を講じることが大切です。

原因④:物理的な刺激

衣類の繊維が摩擦や寒冷・温熱刺激など物理的な刺激により、蕁麻疹が発症します。特にレーヨン、ポリエステル、アクリルなどの化学繊維を使用した衣類は、皮膚との擦れや圧迫により、かゆみや蕁麻疹を誘発します。また、天候や室内の環境などによる寒冷・温熱刺激も、蕁麻疹の発症に影響を与えることもあります。これらの物理的な要因が引き金となり症状が現れるため、衣類の素材や環境に気を配ることが重要です。また、刺激が継続する場合は、肌に優しい素材の衣類を選ぶなどの対策も有効でしょう。

原因⑤:ストレスや生活の乱れ

ストレスも蕁麻疹の一因となり得ます。蕁麻疹は、ある刺激の強さが一定の閾値を超えると発症します。ストレスはこの反応閾値を下げる効果があり、通常では蕁麻疹が出ないような刺激でも蕁麻疹が現れることがあるのです。さらに、ストレスは血管を拡張させる作用があり、これにより皮膚の血流が増加し、蕁麻疹の発症が促進されるリスクも存在します。

蕁麻疹の症状

蕁麻疹の代表的な症状

蕁麻疹(じんましん)はアレルギー反応による皮膚の症状であり、主に赤く膨らんだ発疹や腫れといった症状が現れる特徴があります。
具体的な症状は、以下の通りです。
・赤く膨らんだ発疹や腫れ
・強いかゆみ
・小さなブツブツや水ぶくれ
・患部の痕(あと)
・呼吸困難
これらの発疹は一般的にかゆみを伴い、患部をこすると刺激になり悪化します。また、重篤な場合には喉や顔の腫れ、血圧低下・呼吸困難など命に関わる症状が現れ、緊急の医療対応が必要になるケースもあります。急性の場合は数時間から数日で自然に治癒する一方で、慢性の場合は数週間以上続くことも珍しくありません。

蕁麻疹を予防し、悪化させないためには?

予防法①:ストレスを溜め込まない

ストレスは反応閾値を下げ、蕁麻疹の発症を促進します。通常では蕁麻疹を引き起こさないような刺激も、ストレスが蓄積され反応閾値が低くなると、蕁麻疹が発生しやすい体質になってしまいます。このため、自身に合ったストレス対処法や解消法を見つけることが必要です。
例えば、適度な運動は脳内の神経伝達物質であるセロトニンやエンドルフィンの分泌が促進され、ストレスや疲労解消効果が期待できます。他にも十分な睡眠時間の確保は、中枢神経の休息時間を確保し、全身をリラックスさせることができます。結果としてストレス解消できるでしょう。
ストレスを溜め込まないように適度な発散することが重要です。

予防法②:食事改善

大前提として、蕁麻疹を発症したことのある食べ物(アレルゲン)は、再発防止の意味でも控えるべきです。その上で、甲殻類や青魚、カニやエビなどアレルゲンが含まれる食べ物の過剰摂取をしないように注意しましょう。
また、チョコレートや激辛食品、アルコールなども蕁麻疹の症状を助長する可能性があるため、症状が出ている際はこれらの摂取を控えましょう。この方法によって症状の悪化を防ぎ、より快適な日常生活を送ることができるでしょう。

蕁麻疹の検査法

蕁麻疹の診断に用いられる検査

蕁麻疹の診断をする上で用いられる検査は、以下の通りです。
・血液検査
・プリックテスト
・経口負荷試験
血液検査データにて蕁麻疹に関する特定の検査項目を調べられます・蕁麻疹の原因となるアレルゲンやその他疾患が関与していないかも分かることもあります。
プリックテストとは、特定の物質に対するアレルギー反応を評価するための検査手法の一つです。抗原溶液(原因物質の入った液体)を傷つけた皮膚にたらして、15〜30分程度の間に蕁麻疹(過敏症)になっていないかをを探ります。アレルギー反応があると、抗原溶液をたらした部位に発赤、腫れ、かゆみなどが現れます。反応の大きさや形状に基づいて、アレルギー反応の有無について診断されます。
経口負荷試験は原因と予測されている食べ物を少量ずつ摂取して、蕁麻疹の発症有無を観察する検査です。プリックテストと経口負荷試験で蕁麻疹になった場合は、原因物質の特定がしやすい特徴があります。

蕁麻疹に有効な施術・治療方法

治療法①:原因・悪化因子への対処

蕁麻疹の原因が特定されている、もしくはある程度予測ができるなら、特定のアレルゲンを避けることで発症予防できます。例えば、食物アレルギーが原因であれば、その食品を使用しない食事管理と聞くとイメージしやすいのではないでしょうか。他にも、日光や金属など蕁麻疹の原因となる特定のものがあれば、接触する機会を減らすようなライフスタイルに変更が求められるでしょう。
ただし、原因が特定されているにもかかわらず、生活上どうしても避けられないなら、次に紹介する薬物療法の適応になります。薬物療法は、症状を和らげるための効果的な手段となります。特に生活に支障をきたすほどの症状がある場合や、アレルギーの避けるのが難しい状況であれば、医師の指導のもとで適切な薬物療法を検討することが重要です。

治療法②:薬物療法

薬物療法は,すべての蕁麻疹に対して検討される治療法です。そして最もメジャーな治療法として、抗ヒスタミン薬があります。抗ヒスタミン薬とは、蕁麻疹の発生や症状を抑える薬のことです。蕁麻疹は、体内でアレルゲンと肥満細胞の表面にあるIgE(外敵から体を守る免疫)が結び付き、肥満細胞からヒスタミンを発生します。ヒスタミンをブロックすることで蕁麻疹を発症しないように抗ヒスタミン薬を用いるのです。内服や外用薬(塗り薬)など症状の程度や状況に応じて選択されます。

治療法③:過敏性を下げる治療法

刺激反応性の蕁麻疹に対して、膨疹を誘発する刺激を意図的に繰り返して、刺激に対する過敏性(反応閾値)を下げる治療法です。ただし、こちらの治療は症状の悪化リスクがあるため、蕁麻疹治療に熟練した医師のもと実施する必要があります。

蕁麻疹のよくあるご質問

Q質問①:蕁麻疹は遺伝しますか?

Aいいえ、蕁麻疹は遺伝することはありません。ただし、アレルギー体質は遺伝するため、アレルギー性蕁麻疹のなりやすさは遺伝する可能性があります。
一方で蕁麻疹の原因となる物質は生まれて以降、それぞれの生活環境で決まり、発症時の体調や免疫の状態など様々な要因が関与しています。

Q質問②:内臓の病気が原因で蕁麻疹を発症することはありますか?

A甲状腺疾患、ウイルス性肝炎、胃炎などが原因で蕁麻疹を発症するケースもごくわずかですがあります。また、膠原病、血清病、血管炎のような前申性疾患が原因になることもあります。
ご自身に内臓に関する基礎疾患があるなら、蕁麻疹が発症しやすい体質かもしれないと念頭に置いておく必要があります。

Q質問③:質問蕁麻疹になった時にお風呂に入っても良いでしょうか?

A蕁麻疹の症状がある際は入浴は控えましょう。なぜなら、体温が上がると赤みやかゆみなどの症状が強くなる危険性があるからです。どうしても体を流したい場合は、短時間かつ36〜37度程度のぬるま湯シャワーで済ませるようにしましょう。温熱刺激は蕁麻疹のかゆみや皮膚の赤み・腫れの増強につながるため、シャワー浴後に症状が現れた場合は患部を冷やしましょう。また、症状が落ち着かないなら皮膚科への受診も検討が必要です。
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