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帯状疱疹

帯状疱疹とは

帯状疱疹とは水疱瘡(みずぼうそう)と同じ「水痘・帯状疱疹ウイルス」が原因で起こる皮膚の病気のこと。体の左右いずれかの神経に沿って発症し、神経の分布に従って痛みを伴った赤い発疹や水ぶくれが帯状に現れることが名前の由来です。
水痘・帯状疱疹ウイルスは一度発症すると症状が改善した後も体内に潜み続けます。そのため、水疱瘡にかかったことがある人は帯状疱疹になりやすいということになります。
そして、様々な条件が引き金となり、再発を繰り返す厄介な病気です。
再発には再活性化した水痘ウイルスが原因となり、免疫機能の低下や高齢化がリスク因子になります。80歳までに約3人に1人が感染すると言われています。

帯状疱疹の特徴

帯状疱疹の原因となりやすい人の特徴

帯状疱疹が発症する原因は、体内に潜んでいる水痘・帯状疱疹ウイルスが関係しています。
子どもの頃に水痘・帯状疱疹ウイルスに感染して水疱瘡になった方は、大人になってから帯状疱疹を発症するリスクがあります。
また、帯状疱疹になりやすい人の特徴として高齢であることが挙げられます。人は加齢とともにに免疫力が低下します。
1987~2016年までの30年間で行われた帯状疱疹の疫学調査では、感染時期は「50~70代」がピークであり、男性よりも女性の方が発症率が高いことがわかっています。
このことから、子供の頃に水疱瘡にかかった既往がある50~70代の女性が、最も帯状疱疹を発症するリスクが高いことと分かります。

帯状疱疹の発症部位

帯状疱疹の発症部位

帯状疱疹は別名「汎発性帯状疱疹」と呼ばれ、両側に発症する稀なケースを除き、基本的には体の左右どちらか一方の神経に沿って帯状の症状が現れます。
特に上半身の発症率が高いとされており、部位別の発症率は以下の通りです。
・頭部~顔面:17.6%
・頸部~上肢:14.5%
・上肢~胸背部:31.2%
・腹背部:19.6%
・腰臀部~下肢:17.2%
顔面に発症するとおでこや頬などに痛みやかゆみを自覚します。
目の周りに症状が出ると「眼部帯状疱疹」と呼ばれる視力障害になるリスクはあるため、早めの対処が予後良好にするカギです。
頭部から首にかけて発症すると、腕が上がらないなどの運動麻痺になることもあります。
また、背中など目視で確認できない部位へ発症した場合は、重症化し初めて気が付く場合があるため注意しましょう。

帯状疱疹が発症するまでの流れ

流れ①:水疱瘡へ感染

帯状疱疹の原因である水痘・帯状疱疹ウイルスに、子どもの頃に感染すると水疱瘡になります。
水疱瘡の主な症状は、かゆみを伴う発疹(水ぶくれ)と発熱です。約1週間程度で症状は落ち着き、徐々に回復に向かいますが、水痘・帯状疱疹ウイルス自体はその後も背骨に近い神経に住み着く形で静かに潜んでいます。
そして、免疫力の低下やストレス、加齢など体が弱ったタイミングで、形を変えて帯状疱疹という病気で再発します。

流れ②:潜伏期間

水痘・帯状疱疹ウイルスに感染して、帯状疱が発症するまでの期間のことです。
水痘・帯状疱疹ウイルスに感染後、約2週間程度で水疱瘡を発症します。その後、水痘・帯状疱疹ウイルスは背骨の神経に住み着く形で人間と共存を始めます。
帯状疱疹が発症するまでの期間は人によって違います。免疫力の低下やストレス、加齢など体が弱るのを見計らってウイルスは活動を再開し、帯状疱疹を発症させるからです。
潜伏期間の自覚症状はなく、帯状疱疹が発症するまで水疱瘡になったことすら忘れている方も少なくないのではないでしょうか。

流れ③:免疫力の低下

体の免疫力が低下したタイミングで、潜んでいた水痘・帯状疱疹ウイルスが活動を再開し始めます。
免疫力が低下する原因として、以下のことが挙げられます。
・ストレスや疲労
・睡眠不足・食生活の乱れ
・自律神経の乱れ
・加齢(老化)など
子どもの頃に水疱瘡になっており、 大人になってから上記の自覚症状がある方は、帯状疱疹を発症するリスクがあるため注意しましょう。

流れ④:帯状疱疹の発症

免疫力が低下したタイミングで背骨に近い神経に潜んでいた水痘・帯状疱疹ウイルスが活動を再開します。水痘・帯状疱疹ウイルスは神経を傷つけながら皮膚の方へ進むため、 皮膚症状が発症する数日前から体の痛みが現れます。痛みを感じて数日後に、目にみえる初期症状として「虫刺され」や「小さなおでき」のような発疹が現れます。その後、片側性に症状の範囲を広げていきます。

帯状疱疹の症状

症状①:ピリピリした痛み

皮膚症状が出る数日〜1週間から全身や顔面にピリピリとした痛みを自覚します。痛みが出る理由は、活動を再開した水痘・帯状疱疹ウイルスが神経節から皮膚の方に向かって徐々に進むからです。
顔面で発症すると「目の痛み」や「片頭痛」など痛みが局所に限られるケースもあります。また、ピリピリした痛み以外にも「針で刺されたような痛み」や「焼けるような痛み(灼熱感)」が現れることもあるでしょう。

症状②:皮膚の発み・水ぶくれ

皮膚の赤みと所々に水ぶくれができます。帯状疱疹の水ぶくれは、1つひとつの水ぶくれがはっきりしていることが特徴です。皮膚の発み・水ぶくれがで始めると、さらに痛みが強くなります。症状自体は体の左右どちらかで出現し、約3〜4週間ほど続きます。

症状③:皮膚のただれ(びらん)

発症から1〜2週間経過すると皮膚の赤みが広がり、徐々にただれを伴います。痛みも強くなり、夜眠れないケースも少なくありません。水ぶくれは新しいものと古いものが混在し、皮膚の赤みとともに次第に帯状に分布します。
また、水ぶくれの中には血液を含み赤黒く変色したものや、膿が溜まったものも出てくるため、悪化していないかも注意深く観察する必要があります。

症状④:かさぶた(痂皮化)

水ぶくれや膿は1週間ほどで破れたり、枯れたりして、最終的にかさぶたになります。これを痂皮化(かひか)と呼び、帯状疱疹が回復に向かっているサインです。
発症部位は色素沈着や傷跡が残ることもあるため、保湿や皮膚への刺激を減らした衣類を選ぶなどのアフターケアも忘れてはいけません。

帯状疱疹の合併症・後遺症

合併症・後遺症①:帯状疱疹後神経痛(PHN)

帯状疱疹を発症した方の中で最も多い後遺症は、帯状疱疹後神経痛(PHN)です。帯状疱疹後神経痛とは、帯状疱疹の症状が治った後も「焼けるような痛み(灼熱感)」や「締め付け感」が続き、中には軽い接触だけでも痛みを伴う「アロディニア」と呼ばれる状態になる後遺症です。
アロディニアは、帯状疱疹になったことをきっかけに皮膚の痛みを感じる神経が敏感(刺激性を増す)になることが原因と考えられています。また、帯状疱疹による神経損傷が皮膚症状がでない程度に残っていることも影響していると考えられています。
帯状疱疹後神経痛(PHN)の症状や程度は人によって様々です。痛みや皮膚感覚の異常、それに伴い「顔を洗えない」「洗い物ができない」などの日常生活への影響も考えられます。帯状疱疹を発症した年齢が高かったり(50歳以上で20%が発症)、症状が強かったりした人は、帯状疱疹後神経痛の発症率が高い傾向にあるため、帯状疱疹が治っても余談を許しません。

合併症・後遺症②:視力障害や難聴

帯状疱疹のウイルスが目や耳の神経などの感覚器官の神経を傷つけると、視力障害や難聴などの合併症を発症します。
例えば、目の神経が障害されると眼部帯状疱疹や角膜炎・結膜炎などが見られ、視力低下や失明のリスクを高めます。顔面神経麻痺と耳の帯状疱疹になると難聴・めまい・耳鳴りなどの症状が現れる「ラムゼイ・ハント症候群」を合併することも考えられます。
これらの症状は後遺症や障害としてその後の人生で上手く付き合っていかなければいけないため、医師に相談しつつ病態や症状の理解、障害受容ができるように努めなければいけないでしょう。

帯状疱疹を予防し、悪化させないためには?

帯状疱疹の予防

帯状疱疹を予防するなら、ワクチン接種が有効です。弱毒化(細菌やウイルスの病原性を弱くしたもの)したワクチンを接種することで、体内の免疫力を高めて、帯状疱疹の発症や重症化を抑えることができます。
ただし、発症をゼロにできるわけではないため注意しましょう。
帯状疱疹の予防接種は、50歳以上を対象に行います。というのも、帯状疱疹の発症率は50歳以上から急激に増加するからです。
また、予防接種以外にも日頃から免疫力が低下しない生活を心がけることが重要です。栄養バランスの取れた食生活や十分な睡眠時間の確保、適度な運動により帯状疱疹を発症させない免疫力を常に身につけておきましょう。

帯状疱疹に有効な施術・治療方法

帯状疱疹の治療法

帯状疱疹の治療の基本は、薬剤療法です。
具体的には、以下の3つの薬が処方されます。
・抗ウイルス薬
・痛み止め(鎮痛剤)
・塗り薬(外用薬)
抗ウイルス薬とは、水痘・帯状疱疹ウイルスのDNA(遺伝情報)の合成を阻害し、増殖を防ぐ薬です。原因となる水痘・帯状疱疹ウイルスを死滅させてることが目的で処方されます。また、帯状疱疹は皮膚症状よりも先に痛みが現れ、病気が進行するにつれて皮膚症状が出現・悪化するのが特徴です。そのため、抗ウイルス薬と一緒に、対症療法的に痛み止めが処方されることも少なくありません。
内服による鎮痛効果が得られない場合、神経の感覚を鈍らせる神経ブロック(局所麻酔薬)と呼ばれる注射治療が行われます。神経ブロックは一時的に痛みをとる治療ですが、鎮痛効果が持続する方もいます。
また、皮膚症状に対しては抗ウイルス薬の塗り薬(軟膏など)が処方されます。しかし、症状が軽い方に限ってであるため、必ず処方されるわけではありません。

帯状疱疹のよくあるご質問

Q質問①:水疱瘡になったことがない人でも帯状疱疹になりますか?

A水疱瘡になった既往がなければ帯状疱疹を発症することはありません。なぜなら、帯状疱疹の原因となる水痘・帯状疱疹ウイルスが体内に住み着いていないからです。
日本人は15歳以上の「約90%以上」で水痘・帯状疱疹ウイルスに対する抗体を持っています。つまり、約90%以上の方が 子供の頃に水疱瘡を発症した既往があり、大人になって帯状疱疹になる可能性があるということになります。

Q質問②:帯状疱疹は繰り返し発症しますか?

Aはい、他の病気であれば一度発症すると獲得免疫がつくため、再発しない場合があります。しかし、帯状疱疹は免疫力が低下したタイミングで何度も再発する厄介な病気です。
帯状疱疹になった「約60%」の方が再発しますが、1年未満で再発するケースは珍しいと考えられています。ただし、SEL(全身性エリテマトーデス)などの膠原病の方は、再発リスクが高い傾向にあります。再発場所と発症率については、同一神経領域で「約30%」、反対神経領域で「約20%」、その他の神経領域で「約50%」です。

Q質問③:帯状疱疹になったら出勤停止をしなければいけませんか?

A水ぶくれが出てきて皮膚にかさぶたができるまでは、出勤を控えた方が良いでしょう。
帯状疱疹の原因となる水痘・帯状疱疹ウイルスは、これらの時期に感染力があり、主に接触感染します。やむを得ず出勤しなければいけないのであれば、水ぶくれをフィルム剤などで覆って、他者が接触しないようにする必要があります。
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