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外陰部腟カンジダ症

外陰部腟カンジダ症の治療

外陰部腟カンジダ症とは

外陰部腟カンジダ症は、カンジダ菌という真菌(カビの仲間)が外陰部や膣で異常に増殖することで起こる感染症です。健康な人の口腔内、腸管内、膣にも常在している菌でもあります。例えば、健康な女性の約30〜50%の膣内にカンジダ菌は存在します。

主な症状として、かゆみや痛み、おりものの変化などが現れます。この病気は比較的よく見られる感染症の一つで、再発しやすい特徴があります。適切な治療と予防が大切になります。

外陰部腟カンジダ症

外陰部腟カンジダ症の4つの原因

原因①:免疫力の低下

免疫力の低下は外陰部腟カンジダ症の主要な原因の一つとなっています。免疫力の低下する原因として、以下のことが挙げられます。

・ストレス
・糖尿病
・全身感染症の影響
・妊娠
・抗がん剤投与
・ステロイド剤(副腎皮質ホルモン)投与

また、風邪や睡眠不足、体調不良などで免疫力が落ちると、カンジダ菌のバランスが崩れて発症(日和見感染症)する原因になります。

原因②:ホルモンバランスの変化

ホルモンバランスの変化は、外陰部腟カンジダ症の発症リスクを高める要因となります。原因として、以下のことが挙げられます。

・生理前後や妊娠中はホルモンバランスが大きく変化する
・エストロゲンが減少し、膣内のphがアルカリ性に傾くことでカンジダ菌が増殖する
・経口避妊薬の使用もホルモンバランスに影響を与える
・更年期におけるホルモンの変化も関係している

ホルモンバランスの変化に伴う症状に気づいたら、早めに医療機関を受診することが大切です。

原因③:性交渉

性交渉が原因になる場合、以下のことが挙げられます。

・性交渉によりカンジダ菌が外部から持ち込まれる
・パートナーがカンジダ菌を保有している場合、感染リスクが高まる
・性交渉による摩擦で膣内環境が乱れ、カンジダ菌が増殖しやすくなる

男性なら男性器に発疹やかゆみ・不快感など、女性であれば酒粕(カッテージチーズ様)のおりものや膣や外陰部の発疹・かゆみなどを伴えば、カンジダ菌に感染している可能性があります。健全な性生活を送るためにも、カンジダ菌が疑われた場合は、性交渉は控えて医療機関の受診をしておくことをオススメします。

また、カンジダ菌感染症と診断されたら、治療を終えるまで性交渉を控えることが望ましいでしょう。

原因④:湿潤環境

湿潤環境も外陰部膣カンジダ症の原因として挙げられます。外陰部や膣が湿潤環境になる具体的な状況として、以下があります。

・高温多湿の夏の時期に汗ばむ
・生理中でナプキンやおりものシートを使用している
・仕事や運動など体を動かした後
・デスクワークなどで長時間座っている

上記内容により、外陰部や膣の通気性が損なわれたり、湿潤環境を増強させたりすることで、外陰部膣カンジダ症を発症しやすくなると考えられています。

外陰部腟カンジダ症の症状

外陰部膣カンジダ症の主な症状は、以下の通りです。

・外陰部や膣の強いかゆみ
・白く濁った酒粕(カッテージチーズ状)のおりもの
・外陰部や膣の灼熱感や痛み
・おりものの量の増加
・排尿時や性交時の痛み
・外陰部の発赤や腫れ

これらの症状は、カンジダ菌の異常増殖によって引き起こされます。かゆみは特に夜間や入浴後に悪化することがあり、日常生活に支障をきたす程度の強さになることもあります。

おりものの変化は特徴的で、量が増えるだけでなく、においや色、粘性も変化することがあります。特に、月経前の1週間は症状が悪化しやすいという特徴があります。

いずれにしても症状の程度には個人差があり、無症状の場合もあります。

外陰部膣カンジダ症の検査と診断

外陰部カンジダ症の診断には、問診、外陰部所見、膣鏡診、膣内pH測定、鏡検、培養などの検査が行われます。

・問診:外陰部の強いかゆみや酒粕のようなおりものの有無について確認します。
・外陰部初見:トリコモナス膣炎や細菌性膣症と区別するために、外陰炎の初見があることを確認します。
・膣鏡診:膣内部の炎症状況や酒粕状のおりものの有無を膣内に直接カメラを入れて確認します。
・膣内ph測定:膣のpHを測定して4,5未満であればカンジダ症を疑います。
・鏡検:採取した検体を顕微鏡で目視(鏡検)を行う検査方法のことです。
・培養:採取した検体を培地で増殖させて観察します。

これらの検査は、トリコモナス膣炎や細菌性膣症との鑑別に重要です。カンジダの証明には鏡検や培養法があり、簡易培地を用いた培養法が便利です。

外陰部腟カンジダ症に有効な施術・治療方法

治療法①:膣錠

外陰部腟カンジダ症の治療において、腟錠は効果的な第一選択肢です。特徴的なおりものや外陰部のかゆみがある場合、医師は抗真菌薬の腟錠を処方することがあります。この治療法が選ばれる理由は、腟錠が直接患部に作用し、カンジダ菌の増殖を抑制するからです。腟内で薬剤が溶け、効果的に症状を改善します。

具体的には、エンペシド腟錠・オキナゾール腟錠(フロリード腟坐剤100㎎)やイソコナゾール腟錠などの腟錠が使用されます。これらの薬剤は、カンジダ菌の細胞膜を破壊し、増殖を防ぎます。

腟錠の使用は、外用薬と比べて腟内の症状に対してより効果的です。

治療法②:外用薬

外陰部腟カンジダ症の治療には、症状の程度や範囲に応じて外用薬が使用されます。強いかゆみや発疹が外陰部に見られる場合、抗真菌作用のある塗り薬が効果的です。

この治療法が選ばれる理由は、外用薬が直接患部に作用し、症状を緩和できるからです。特に大陰唇より外側に炎症がある場合、皮膚カンジダ症として扱われ、抗真菌外用剤が処方されます。

具体的には、クロトリマゾールなどのクリームやローションが使用されます。これらの薬剤は、カンジダ菌の増殖を抑え、炎症を軽減する効果があります。

治療法③:基礎疾患の治療

外陰部膣カンジダ症が悪化・再発する可能性があるため、現在の症状だけでなく、基礎疾患の治療も同時に行う必要があります。

外陰部膣カンジダ症の悪化・再発の原因として、糖尿病や免疫不全症などの具体的な基礎疾患が挙げられます。これらの基礎疾患を持つ女性は、慢性的な免疫力の低下が起こる可能性が高く、カンジダ菌に感染したり、抵抗したりする能力が弱まっている可能性があります。

つまり、カンジダ菌と闘うための十分な体力がないということです。基礎疾患の管理をしながら、外陰部膣カンジダ症の治療を進めておくことが重要です。

治療法④:生活習慣の見直し

外陰部腟カンジダ症は、免疫機能が低下しているときに、日和見感染(普段は感染の原因にはならないほど弱い常在菌などに感染する状態)することがあります。そのため、日々の生活習慣を見直して、免疫力を高めることが重要です。

例えば、浅い睡眠やストレスは体内でコルチゾール(ストレスホルモン)の分泌を促し、心身を過緊張にする結果、免疫力を低下させることが知られています。十分な睡眠時間を確保して、必要な休息を取るようにしましょう。

また、日常生活動作も見直す必要があります。例えば、入浴時にはぬるま湯と低刺激の石鹸を使用し、患部を優しく洗って清潔を保つようにしましょう。

強く擦るなどの過刺激はかえって症状を悪化させる原因になります。他にも、外陰部が蒸れやすい運動後などはできるだけ早くシャワーなどで洗い流し、カンジダ菌が繁殖しやすい湿潤環境を作らないことも効果的な生活習慣の見直しになります。

外陰部腟カンジダ症のよくあるご質問

Q外陰部腟カンジダ症はどれくらいの女性が発症しますか?

A
室内カンジダの保有率は、以下の通りです。

・非妊婦で約15%、そのうち治療が必要な事例は、保有例の約35%
・妊婦で約30%、そのうち治療が必要な事例は、保有例の約15〜30%

Q外陰部腟カンジダ症が治ったサインはありますか?

A
外陰部腟カンジダ症が治ったサインは、「帯下の減少すること」と「かゆみなどの不快感が軽快すること」です。

通常、正しい治療を受けていれば、数日〜1週間で完治します。1週間以上治療をしても改善が見られた場合は、薬剤耐性(薬が効きにくい)のカンジダ菌になっているか、もしくは他の性器感染症が疑われます。

Q外陰部腟カンジダ症はお風呂やプールで移りますか?

A
外陰部腟カンジダ症はお風呂やプールで他人にうつることはありません。これは、カンジダ菌が人から人へ直接感染する性質を持たないためです。

カンジダ菌は真菌の一種であり、通常は皮膚や腸内、腟内に常在しています。これらの菌は、免疫力が低下したり、体内のバランスが崩れたりしたときに異常増殖し、症状を引き起こします。つまり、外陰部腟カンジダ症のおけるカンジダ菌の感染経路は「自己感染」ということになります。

また、カンジダ菌は湿気の多い環境で増殖しやすいものの、水中では生存が難しいため、お風呂やプールで他人に感染するリスクは非常に低いです。また、カンジダ菌は皮膚や粘膜の直接接触によって感染することがないため、共有の水場での感染は起こりません。
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