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腸炎

腸炎の治療について

腸炎とは

腸炎は、消化管の一部である十二指腸、小腸、大腸などの炎症を伴う病状を指します。腸炎は急性腸炎と慢性腸炎の二つの種類に分類できます。急性腸炎は、症状が突然現れ、比較的短期間(数日から数週間)で改善することが一般的です。これに対し、慢性腸炎は、炎症が数ヶ月以上持続し、症状が継続的に現れることが特徴です。腸炎の症状は、原因や炎症の重症度によって異なり、腹痛、下痢、時には血便が見られることもあります。

腸炎

急性腸炎の種類・原因・症状

アレルギー性腸炎

アレルギー性腸炎は、食品などのアレルゲンを体内に取り込んだ際に、腸内で生じるアレルギー反応によって引き起こされる病態です。この状態は特定の食品成分に対して体が過敏に反応し、腸の炎症を引き起こします。最も一般的なアレルゲンには、卵、牛乳、魚介類、大豆、小麦などがあり、これらの食品に含まれる特定の成分に対して過敏反応を示します。アレルギー性腸炎の主な症状には、下痢、嘔吐、胃痛や腹痛があり、皮膚には湿疹やじんましんが現れることもあります。また、気管支喘息や血便など、より深刻な反応を示すこともあります。食物アレルギーによる腸炎は、関与するアレルゲンを特定し避けることで管理することが多いです。

薬剤性腸炎

薬剤性腸炎は、特定の薬剤の使用が原因で起こる腸の炎症です。主な炎症として「偽膜性大腸炎」「抗生物質起因性急性出血性大腸炎」「非ステロイド性抗炎症薬(解熱・鎮痛薬)腸炎」が挙げられます。多くの場合、抗生物質の副作用として現れるため、薬剤の服用中断によって症状が改善することが一般的です。しかし、薬剤の使用を止められない場合は、症状の管理や代替治療法について医師と相談することが重要です。

虚血性腸炎

虚血性腸炎は、大腸への血流が不足することで起こる病気であり、主に動脈硬化や便秘による腸管内圧の増加が原因とされています。具体的には大腸の血管が詰まることにより、腸の組織が十分な酸素や栄養を得られず、炎症や損傷を受けることにより生じます。特に、高齢者や高血圧、糖尿病、腎臓病、心不全などの既往症を持つ人々に見られる傾向にあります。また、女性では発症率が男性の2~3倍と高いことが報告されています。虚血性腸炎の治療には、主に絶食によって腸を休ませ、必要に応じて静脈からの水分補給を行うことで、腸への負担を減らし回復を促します。

感染性腸炎

感染性腸炎は、腸における炎症であり、その原因としてはウイルス、細菌、寄生虫が挙げられます。ウイルス性腸炎では、特にロタウイルス、アデノウイルス、ノロウィルスがよく知られています。これらのウイルスは、特に小さな子供に感染しやすいとされています。一方、細菌性腸炎はコレラ菌や腸管毒素原性大腸菌、ウェルシュ菌、腸炎ビブリオ、セレウス菌(下痢型)など、食品や水の汚染を通じて発症することが多いです。さらに、クリプトスポリジウムやランブル鞭毛虫などの寄生虫による腸炎もあります。これらの感染源は、特に衛生環境が整っていない地域で感染リスクが高まります。感染性腸炎の主な症状には、下痢、発熱、腹痛、悪心、嘔吐などがあります。特に下痢はほとんどの場合に見られる典型的な症状で、感染の有無を示す重要な指標となります。

慢性腸炎の種類・原因・症状

炎症性腸疾患(潰瘍大腸炎・クローン病)

炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Disease)は、免疫系の異常によって自身の腸組織に対して攻撃が起こり、炎症が発生する一群の慢性疾患を指します。主に「潰瘍性大腸炎」と「クローン病」の二つに分類され、潰瘍性大腸炎は大腸の内側に潰瘍や炎症が生じる症状であり、クローン病は口腔から肛門までの消化管全体にわたり炎症が発生する可能性があります。炎症性腸疾患の正確な原因はまだ完全には解明されていませんが、遺伝的要因、腸内細菌のバランスの乱れ、環境要因(特に食生活の変化)が関与していると考えられています。若年層に多く見られる傾向があり、特に14歳から24歳の間で発症するケースが多いと報告されています。

腸結核

腸結核は、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)が腸に感染することによって発症する病気です。結核菌は主に肺を感染させることで知られていますが、腸結核はその感染が腸に及んだ場合に起こります。腸結核には主に二つの種類があります。一つは続発性腸結核で、肺結核の患者が結核菌を含んだ痰を飲み込むことなどによって腸に感染するパターンです。もう一つは原発性腸結核で、肺には感染していないが、結核菌が直接口から侵入し(経口的侵入)腸に感染するパターンです。腸結核の症状は他の腸炎と類似しており、腹痛、発熱、下痢、下血、食欲低下、体重減少などが見られますが、無症状の場合もあります。腸に狭窄(きょうさく=腸管が狭まっている状態)が生じた場合には、嘔吐や便秘など腸閉塞の症状が現れることがあります。免疫機能が低下している高齢者や、糖尿病、がん、血液疾患などを治療中の人は発症しやすいとされています。近年は肺結核の減少に伴い腸結核の発生も減少していますが、感染には引き続き注意が必要です。

アメーバ赤痢

アメーバ赤痢は、原虫である赤痢アメーバ(Entamoeba histolytica)が原因で発生する感染症で、主に大腸炎を引き起こします。この疾患は、粘血便をはじめとする下痢、テネスムス(しぶり腹)、腹痛などの赤痢症状を示すことが特徴です。(現在アメーバ赤痢は、腸以外の臓器に病変を形成したものも含んで定義されている。)

赤痢アメーバの感染嚢子(シスト)に汚染された飲食物や、性的接触を通じた感染によって人から人へと感染します。シストは胃酸を通過した後、小腸で脱シストし、栄養型へと変化して大腸に到達し、大腸粘膜面に潰瘍性病変を形成します。感染後2~4週間(場合によっては数日から数年)で症状が発生し、その症状には典型的なイチゴゼリー状の粘血便が見られることがあります。

感染した人の約10~20%で症状が見られ、症状の有無にかかわらず、アメーバは血液を介して腸以外の臓器、特に肝臓に侵入し、肝膿瘍を形成することがあります。肝膿瘍が発生すると、38~40℃の発熱、右のわき腹の痛み、肝腫大、吐き気、嘔吐、体重減少、寝汗、全身のだるさなどの症状が見られます。

発展途上国では、衛生環境が整っていない地域での飲食物の汚染が主な原因となりますが、先進国では性感染症として、特に同性愛者間での感染が問題となっています。アメーバ赤痢の防止には、適切な衛生管理と感染が疑われる飲食物の摂取を避けることが重要です。

放射線性腸炎

放射線性腸炎は、子宮頸がん、前立腺がんなどの放射線治療を受けた後に発生する腸の疾患で、腸管粘膜の炎症、浮腫、壊死によって特徴づけられます。治療された骨盤内臓器に隣接する腸管、特に直腸が好発部位となり、放射線照射の範囲内にある他の腸部位にも発症する可能性があります。放射線治療を受ける婦人科系疾患や前立腺疾患の患者の約20%前後で発症すると報告されています。

放射線性腸炎の原因は、放射線治療による直接的な腸管粘膜へのダメージです。放射線の照射によって腸管の血流が悪化し、炎症や浮腫、壊死を引き起こします。特に放射線照射量が60Gyを超える場合、発症率が上昇します。

この病態は、放射線による早期障害と、血流障害による二次的な晩期障害に分けられます。早期障害は、吐き気や嘔吐などの軽い症状を指します。晩期障害は、腸の内側から全体に病気が広がり、大量の出血や腸のふさがりを引き起こすような重い症状を指します。

放射線性腸炎の症状には、下痢、肛門痛、血便が含まれ、持続する出血によって貧血が進行し、息切れや動悸が生じる場合もあります。早期障害では、吐き気、嘔吐、水溶性の下痢、出血がみられ、晩期障害では脂肪便や体重減少が追加されます。診断ではがんの既往歴や治療内容の確認、特に放射線治療の有無や照射部位の確認、内視鏡検査などが行われます。

腸炎に有効な施術・治療方法

急性腸炎の治療法

急性腸炎の治療には、脱水対策、食事療法、薬物療法が重要です。脱水対策として、経口補水液を使用し、必要な水分、ミネラル、糖分を小まめに補給します。これは、体内の水分バランスを保ち、脱水状態の悪化を防ぐために欠かせません。食事療法では、消化の良いお粥やうどんなど、繊維質の少ない食べ物を少量ずつ摂ることが推奨されます。しかし、下痢や嘔吐がひどい場合は、一時的に食事を控え、水分のみを摂取することがあります。薬物療法では、症状に応じて乳酸菌製剤や吐き気止めの内服が行われますが、原因によっては抗生剤の使用が適切な場合もあります。感染性炎症のケースでは、感染源を体内に留めてしまう可能性があるため、下痢止めの使用することはありません。

慢性腸炎の治療法

慢性腸炎の治療では、しばしば原因が不明なため、症状の緩和を目的とした対症療法が中心となります。具体的には、食事療法と薬物療法が主要な治療法です。

食事療法では、症状を和らげるために、消化吸収が良好な糖質やタンパク質を積極的に摂取し、腸を刺激しないよう脂質の少ない食品を選びます。また、腸内細菌の発酵を促す繊維質の多い食品や、下痢を悪化させる恐れのある冷たい飲食物、アルコール、炭酸飲料、刺激物は避けることがよいでしょう。

薬物療法については、感染性腸炎には抗菌薬が、非感染性腸炎には副腎皮質ステロイド薬が用いられることがあります。また、下痢が続く場合には、止痢剤や漢方薬の服用で症状をコントロールすることができます。症状や原因によっては、サルファ剤の使用で腸内の細菌を殺菌し、腹痛を和らげることも可能です。

腸炎のよくあるご質問

Q腸炎は人にうつりますか?

A腸炎が人から人へうつるかどうかは、その原因によって異なります。感染性腸炎の場合、ウイルスや細菌などの病原体によって引き起こされるため、感染者が触れた物や直接の接触を通じて他の人にうつる可能性があります。

一方で、急性腸炎には病原体の感染以外の原因、例えば暴飲暴食によって引き起こされるケースもあり、このタイプの腸炎は非感染性であるため、他人にうつる心配はありません。

Q腸炎の症状が悪化したらどうなりますか?

A初期症状としては、下痢、腹痛、嘔吐などが一般的に見られます。病状が重篤になるにつれ、持続する血便(粘血便でレンガ色のねっとりとした出血)が出現し、頻回の下痢や嘔吐による脱水症状、発熱、体重減少、貧血などの症状が現れることがあります。また、長期間(10年以上)にわたって病気が続く場合、大腸がんのリスクが高まるという報告もありますので、初期症状が見受けられたら早めの診断をおすすめします。

Q感染性腸炎はどれくらいで治りますか?

A感染性腸炎の治療期間は、原因となる病原体の種類や健康状態、症状の重症度によって大きく異なります。一般的に、ウィルス性腸炎は数日、細菌性腸炎は1週間程度で改善することが多いです。しかし、特定の細菌やウイルス、寄生虫による感染の場合、症状がより長引くことがある点には注意が必要です。
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