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高尿酸血症

高尿酸血症の治療

高尿酸血症とは

高尿酸血症とは、血中の尿酸濃度が正常値を超える状態です。これが原因で、痛風発作や尿路結石などの健康問題を引き起こすことがあります。尿酸はプリン体の分解によって生じる老廃物で、通常は腎臓から尿として排出されます。しかし、尿酸が過剰に産生されたり、排泄がうまくいかないと、血液中に尿酸が溜まり、高尿酸血症に至ります。

尿酸値が7mg/dL以上で高尿酸血症と診断されることが多く、特に尿酸値が9mg/dL以上、または8mg/dL以上で合併症を伴う場合は、薬物療法を含む積極的な治療が推奨されます。性差も見られ、女性ホルモンが尿酸排泄を促すため、患者の多くは男性に偏ります。ただし、女性や子供でも高尿酸血症になる可能性はあります。

高尿酸血症は、ただの数値の問題ではなく、放置すると痛風や腎障害などを引き起こすリスクがあるため、早期の対応が重要です。

高尿酸血症

高尿酸血症の原因

高尿酸血症は、生活習慣に起因することが多い健康問題です。特に、アルコールの過剰摂取、プリン体が豊富な食品の摂取は、尿酸値の上昇に大きく寄与します。アルコール、特にビールは、体内で尿酸に分解されやすいプリン体が多く含まれているため、注意が必要です。ビール以外にも、レバーや干物などプリン体を多く含む食品があり、これらの過剰な摂取も尿酸値の上昇を引き起こします。

プリン体は体内で作られる物質でもあり、細胞の核を構成する成分から産生されます。体内でのプリン体の生成量は80〜90%に達し、残りは食事から摂取されます。これらプリン体が体内で尿酸に変わり、腎臓から排泄されますが、排泄よりも生成が多くなると血液中の尿酸値が上昇します。

遺伝的な要因も、高尿酸血症のリスクを高めることが知られています。体質的に尿酸を多く生産する人や、尿酸の排泄機能が低下している人は、特に注意が必要です。また、肥満も高尿酸血症のリスクを増大させます。このため、適正な体重の維持が尿酸値の管理には重要です。

高尿酸血症の種類

高尿酸血症は以下の3種類に分類されます。

・尿酸排泄低下型:尿酸の排泄がうまくいかないタイプであり、日本人に多く見られます。これは、腎臓での尿酸排泄効率が低下している状態を指し、高尿酸血症全体の約6割を占めます。

・腎負荷型:体内で尿酸が過剰に作られるタイプです。さらに腎負荷型は、尿酸産生が過剰になった「尿酸産生過剰型」と、腸管の尿酸排泄能力が低下した「腎外排泄低下型」の2種類に分類されます。腎負荷型は高尿酸血症全体の約1割を占めます。

・混合型:尿酸排泄低下型と腎負荷型の混合型もあります。腎負荷型は高尿酸血症全体の約3割を占めており、

尿酸値の管理には、これらの高尿酸血症の種類を正確に把握し、適切な治療を行うことが大切です。

高尿酸血症の症状

高尿酸血症自体に自覚症状はありません。ただし、尿酸値が高いまま放置すると、放置すると尿酸が結晶化して関節や腎臓に影響を及ぼし、痛風や尿路結石症などの病気になるリスクが高まります。

例えば、尿酸結晶が関節に溜まると、痛風発作という激しい痛みを伴う状態になります。特に足の親指の付け根に症状が現れやすく、関節が赤く腫れ上がります。また、腎臓に尿酸結晶が溜まると、尿路結石ができ、背中に激しい痛みを感じることがあります。

高尿酸血症の4つの合併症

合併症①:痛風

尿酸の結晶が関節やその周囲の組織に沈着することで炎症を引き起こし、激しい痛みを伴います。特に足の親指の基部に発症することが多いですが、膝や足首など他の関節にも影響を及ぼすことがあります。

合併症②:心臓病

冠動脈疾患や心不全のリスクが増加します。尿酸が高いと、動脈硬化を促進したり、血圧を上昇させるなど、心臓に負担をかけるからです。高尿酸血症が心臓病に与える影響について以下に詳しく解説します。

・動脈硬化の促進:高尿酸血症は血管内の炎症を引き起こし、これが動脈硬化を促進する一因となります。動脈硬化は、心臓病の一つである冠動脈疾患の主要なリスクファクターです。例えば、心筋梗塞や狭心症などが挙げられます。尿酸による血管の炎症や動脈硬化の進行が、心筋梗塞へとつながる可能性があります。
・高血圧:尿酸は血管を収縮させる効果があり、長期間にわたって血中尿酸値が高いと、血圧が上昇しやすくなります。高血圧は心臓への負担を増加させ、心臓病のリスクを高めます。

合併症③:脳卒中

尿酸は血管の機能を低下させ、血流の障害を引き起こします。特に、脳内の細い血管は影響を受けやすく、血栓が詰まったり(脳梗塞)、出血したり(脳出血)するなどの脳卒中に至る可能性があります。

合併症④:肥満

高尿酸血症は、肥満やメタボリックシンドロームと密接に関連しています。これらの状態は、高血圧、高血糖、高脂血症といった他の健康問題を引き起こす可能性があり、それらが動脈硬化のリスクを高めます。したがって、体重の管理と健康的な生活習慣の維持が重要です。

高尿酸血症に有効な施術・治療方法

治療法①:薬剤療法

薬剤療法の目的と具体的な使用薬剤については、以下の通りです。

・尿酸値を下げる:尿酸合成阻害薬や尿酸排泄促進薬の2種類があります。尿酸生成抑制薬は、体内で尿酸が生成されるのを抑えることで血中の尿酸値を下げる薬剤です。尿酸の生成に関わる酵素の働きを阻害し、尿酸値を下げる効果があります。
一方の尿酸排泄促進薬は、腎臓での尿酸の排泄を促進することで血中の尿酸値を下げる薬剤です。血中の尿酸値を効果的に下げることができます。

・痛風発作による痛みを和らげる:コルヒチン、NSAIDs(非ステロイド性消炎鎮痛薬)、ステロイドなどにより尿酸値が高くなったことで生じた炎症を抑え、痛みを和らげる効果があります。

治療法②:食事療法

プリン体を多く含む食品の摂取を控えることが治療効果を高めるポイントです。プリン体は肉や魚の内臓類に多く含まれており、これらを体内で代謝する過程で尿酸が生成されます。したがって、これらの食品に偏った食生活は改善することで、尿酸の生成を抑えられます

また、尿酸を体外に排出しやすくするためには、水分を十分に摂取しましょう。1日に2リットル以上の水分を摂取すると尿量が増え、尿酸の排泄が促進されます。加えて、アルコールの摂取も控えめにしましょう。アルコールは尿酸値を上昇させるため、特にビールなどプリン体を多く含む飲料は避けるべきです。

食事内容という観点では、肉汁や動物の内臓は控えて、野菜や海藻、イモ類を含むアルカリ化食品を積極的に摂ることで、血中の尿酸値を抑えます。食塩の多い食品の摂取も控えることで、高尿酸血症のリスクを低減できます。

治療法③:運動療法

運動療法は、体内の尿酸値を適切に管理するために効果的です。特に有酸素運動とストレッチが有効とされています。有酸素運動にはウォーキングやジョギング、水泳、サイクリングなどがあり、これらは体内の糖分や脂肪の消費を促し、尿酸値の低下に寄与します。また、運動を行う際は、30分〜60分程度を目安に、週3回程度が理想的です。日常生活で運動の機会を増やすことも大切で、階段の利用や歩く距離の延長など、小さな変更から始めることが推奨されます。

一方の無酸素運動は控える方が良いでしょう。なぜなら、無酸素運動は腎血流量の低下や尿酸の排泄機能を低下させるため、逆に尿酸値を上げる可能性があるからです。

しかし、運動を行う上で注意すべき点もあります。肥満や既存の合併症がある方は、運動内容に制限が必要な場合があります。また、運動後の水分補給は脱水を防ぐために重要ですが、過度な発汗やアルコールの摂取は避けるべきです。

高尿酸血症のよくあるご質問

Q高尿酸血症の発症率はどれくらいですか?

A
高尿酸血症を生涯で発症する確率は、成人男性で「20〜25%」、成人女性で「5%」と大きく差があります。特に高尿酸血症が原因で発症する痛風の有病率は、30歳以上の男性で1%を超えており、痛風患者は全国で125万人以上と考えられています。初発年齢は30代が最も多く、痛風患者数が最も多いのは60歳代と言われています。

一方の女性は、女性ホルモン自体に尿酸排出を促す働きがあり、高尿酸血症になりにくい特徴があります。しかし、閉経や更年期以降は女性ホルモンの分泌が減るため、高尿酸血症や痛風になるリスクが高まります。

Q痛風発作時の対応を教えてください。

A
痛風発作の対策としては患部を冷やし、高く保つことです。その上で、痛風による痛みを軽減するためには、非ステロイド性抗炎症薬が有効です。これにより、炎症を和らげます。

痛風発作を未然に防ぐためには、日常生活での注意も必要です。アルコールの摂取を控え、バランスの良い食事を心がけることが推奨されます。また、痛風発作が起きた場合に備えて、あらかじめ医師から処方された薬を用意しておくことも大切です。

Q高尿酸血症による痛風の好発部位はどこですか?

A
高尿酸血症による痛風の好発部位として、足の親指の付け根が挙げられます。しかし、実際には足首や膝など、他の関節にも発生する可能性があります。これらが好発部位であるには、いくつかの理由が考えられます。

まず、関節の部位が体の中心から遠いため、体温が3〜4度低く、低体温は尿酸が結晶化しやすい環境を作り出します。また、足親指の関節には体重がかかるため、尿酸塩の結晶が形成されやすく、その結晶が剥がれやすくなります。

さらに、長期間の治療を怠ると、体温が低い部分に痛風結節ができやすくなります。特に耳の上半分や帽子をかぶる習慣のある人は、耳に痛風結節が発生しやすいと言われています。
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