プラセンタとは、哺乳類の胎盤から抽出されたエキスのことを指します。胎盤は、胎児と母体をつなぎ、胎児の成長を支える重要な役割を担う臓器で、出産時にはその役割を終え母体外に排出されます。プラセンタには、豊富な栄養素や細胞分裂を促進する生理活性物質が含まれており、美容や健康維持、疲労回復に広く利用されています。
特にプラセンタ注射は、美容や疲労回復だけでなく、花粉症やアレルギー性鼻炎、喘息といったアレルギー症状の改善にも効果が期待できる治療法です。効果的な利用方法として、毎日または隔日にプラセンタ注射を行うことが推奨されており、週1～2回の注射では十分な効果を得ることが難しいとされています。また、疲労回復を目的とする場合には、一度に3本のプラセンタ注射を打つ方法が効果的とされています。
プラセンタは注射だけでなく、錠剤や美容液としても利用されています。錠剤や美容液に用いられるプラセンタは、馬や豚の胎盤から抽出された成分が一般的です。しかし、注射と経口摂取では、効果の現れ方に大きな違いがあります。
錠剤や美容液の形で摂取するプラセンタは、消化器官を通る際に胃酸や酵素によって分解されます。そのため、体内に吸収されるプラセンタの量は、摂取した量よりも大幅に減少してしまいます。経口摂取は、手軽さが魅力である一方で、期待する効果を得るためには長期間の継続が必要となる場合があります。
一方、プラセンタ注射は、成分を直接体内に届けるため、消化・分解の影響を受けません。その結果、成分が効率的に吸収され、狙った効果をより確実に発揮できます。疲労回復や美容効果、アレルギー症状の改善など、短期間で効果を実感したい場合には、注射が適していると言えます。
プラセンタ注射剤には、メルスモンとラエンネックの2種類があります。どちらも人の胎盤から作られた国産の医薬品で、厚生労働省の認可を受けています。投与方法としては、皮下または筋肉注射が主流ですが、時には点滴注射も行われます。
メルスモンは1965年に厚生労働省の認可を受けた製剤で、更年期障害や乳汁分泌不全の治療に広く用いられています。特にホルモンバランスの乱れに起因する不調を抱える方に適しており、更年期症状の緩和に高い効果を発揮します。
身体的な不調に加えて気分の変動なども軽減する効果が期待できるため、日常生活の質を向上させたい方におすすめです。
ラエンネックは1974年に認可された製剤で、主に肝臓疾患の治療に使用されています。肝臓は新陳代謝の中心的な役割を担う臓器であるため、ラエンネックの投与により肝臓の働きを改善することで、全身のエネルギー代謝をサポートします。
慢性的な倦怠感や疲労感を抱えている方、または肝臓の働きを向上させたい方に適しています。
プラセンタには、細胞分裂を促進する成分や豊富な栄養素が含まれており、肌のターンオーバーを正常化する作用があります。シミやくすみの改善、ハリや弾力の向上といったアンチエイジング効果が期待できます。また、保湿力の向上や乾燥肌の改善にも寄与し、美しい肌を維持するために利用されています。
プラセンタは、疲労回復に効果的とされています。注射を行うことでエネルギー代謝が促進され、慢性的な疲れや倦怠感の解消が期待できます。また、免疫力の向上にも役立ち、風邪や病気にかかりにくい体づくりをサポートします。特に忙しい現代人にとって、疲労回復効果は大きなメリットと言えるでしょう。
花粉症やアレルギー性鼻炎、喘息といったアレルギー症状に対してもプラセンタは有効です。その抗炎症作用や免疫調整作用により、症状を緩和し、生活の質を向上させます。継続的な注射や摂取により、アレルギー体質の改善を目指すことも可能です。
プラセンタには、ホルモンバランスを整える作用があるため、更年期障害や月経不順といった女性特有の悩みを軽減する効果が期待されます。イライラや不眠、体調不良の改善につながり、日常生活を快適に過ごせるようサポートします。
プラセンタは肝臓の働きをサポートし、解毒機能を高める効果があるとされています。アルコールの摂取や不規則な生活習慣による肝臓への負担を軽減し、疲労感や肌荒れの改善に寄与します。また、肝炎の治療や予防にも使用されることがあります。
プラセンタ注射では、針を刺す際に痛みを伴います。痛みが苦手な方にとっては負担となることがありますが、対策として麻酔クリームなどを使用することで痛みを軽減することが可能です。施術前に医師やスタッフに相談することで、不安を和らげる対策を講じることができます。
プラセンタ注射を受ける場合には、一時的に献血や輸血ができなくなります。これは、未確認の感染リスクを完全に否定できないため、予防的措置として設定されているルールです。この制限は健康に直接的な影響を及ぼすものではありませんが、献血を予定している方は施術前に十分確認しておくことが大切です。
肌のハリやツヤを取り戻したい方
疲れやすさや慢性的なだるさを改善したい方
更年期障害やホルモンバランスの乱れが気になる方
アンチエイジング効果を求めている方
肌荒れや乾燥肌を改善したい方
プラセンタの副作用はほとんど報告されていませんが、アレルギーに注意が必要です。特に、豚由来のプラセンタ製品を使用する場合、豚肉や動物性たんぱく質にアレルギーがある方は、事前に医師や薬剤師に相談することをおすすめします。
プラセンタ注射に使用されるエキスは、121℃で20分間の高圧蒸気滅菌処理が行われており、ウイルスの不活化が科学的に証明されています。この処理により、これまでに感染症が発生した例はありません。そのため、適切な環境で施術を受けることで、安全に利用できるとされています。
医師が患者様の体調やお悩みを伺い、プラセンタ治療の適応や期待できる効果について詳しくご説明します。治療に関する不明点やご希望についても、丁寧にお答えします。
治療部位を清潔にし、注射または内服の準備を行います。注射の場合、リラックスできる環境を整え、痛みが少ないよう配慮します。
プラセンタ注射を行います。適切な箇所に注入し、トラブルを防止しつつ効果を発揮できるようにいたします。
治療後、体調の変化を確認します。副作用がほとんどない治療ですが、気になる点があればお気軽にご相談ください。
