肝硬変(原発性胆汁性肝硬変)の治療について
肝硬変(原発性胆汁性肝硬変)とは
肝硬変は、肝臓の細胞が繰り返し損傷され、その修復過程で瘢痕(繊維)組織が形成されることで、肝臓全体が硬くなり正常な機能が失われる病態です。特に原発性胆汁性肝硬変(PBC)は、自己免疫反応により肝臓内の小さな胆管が破壊されることで発症します。これにより胆汁の流れが滞り、肝細胞に損傷が蓄積して肝硬変へと進行します。
PBCは主に中年女性に多く見られる疾患であり、初期症状としては疲労感やかゆみが挙げられます。病気が進行すると黄疸(皮膚や眼の黄変)、腹水(腹部に液体が溜まる)、肝性脳症(肝機能低下による毒素の脳蓄積)が現れます 。診断は、血液検査や画像診断(超音波、CT、MRI)、肝生検などで行われ、抗ミトコンドリア抗体(AMA)の検出が特徴的です。
治療には、ウルソデオキシコール酸(UDCA)などの薬物療法が用いられ、症状の進行を遅らせることが可能です。早期発見と適切な治療が重要であり、定期的な健康診断や生活習慣の改善が、患者のQOLの向上に寄与するでしょう。