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痒疹

痒疹の治療について

痒疹とは

尋痒疹とは、皮膚に現れる赤いブツブツのことで、強いかゆみが特徴です。これらは丘疹と呼ばれる小さなものから、結節という大きな硬いものまであります。特に、手足やお腹周りなど、体の特定の部分に限られず、全身に広がることも。かゆみは非常に強く、日常生活や睡眠に影響を及ぼすことも少なくありません。

尋痒疹は、急性のものから慢性のものまで様々あり、症状の持続期間も異なります。急性の場合は1週間程度で治ることが多いですが、慢性になると数か月間続くこともあります。潰れてしまうとジュクジュクした傷になることがあるため、掻きむしることは避けるべきです。

尋痒疹は非感染性で、人から人への感染はありません。そのため、他人にうつる心配はないものの、強いかゆみによる生活の質の低下は避けられない症状です。

痒疹

痒疹の原因・メカニズム

痒疹の原因

尋痒疹は皮膚が慢性的にかゆくなる疾患で、その正確な原因はまだ明らかにされていません。一般的に、虫刺されや様々なアレルギー反応が関連していることがあります。例えば、アトピー性皮膚炎や金属アレルギーなどです。また、腎臓や肝臓、血液の疾患が引き金になる場合もあります。

さらに、糖尿病や肝疾患、透析が必要な状態など、体内の病気が原因でかゆみが強まることも知られています。歯科金属によるアレルギーや、扁桃炎、副鼻腔炎、虫歯などの感染症が刺激となることもありますし、悪性腫瘍の可能性も否定できません。

尋痒疹を引き起こす要因は多岐にわたりますが、内服薬が関係しているケースもあります。長期間にわたって皮膚を掻き続けることも、症状を悪化させる一因とされています。

痒疹の2つのタイプ

タイプ①:多形慢性痒疹

多形慢性痒疹は、特に中高年〜高齢者に見られる皮膚の病気です。この疾患は、体の側面や臀部(でんぶ)、そして大腿の外側によく現れ、前胸部や肩甲部にも発症することがあります。

初期段階では、痒みを伴う蕁麻疹様の丘疹が特徴で、時間が経つにつれて、丘疹は常色から淡褐色に変化し、硬くなります。患部を掻くことで、周囲に膨らんだ紅斑や蕁麻疹様の反応が起こることもあります。丘疹はしばしば集まり、融合して苔癬(たいせん)化し、皮膚が厚くなり、ゴワゴワとした感触になることがあります。

この病気は、腹部から腰にかけて赤い丘疹が現れ、やがて淡い赤茶色に変わります。これらの丘疹は集まりやすく、慢性的に再発を繰り返すことが一般的です。強いかゆみが伴い、掻き壊した場合には、患部から浸出液が出てかさぶたができることもあります。

タイプ②:結節性痒疹

結節性痒疹という言葉を耳にしたことはありますか。これは、皮膚に直径5㎜〜2㎝程度の硬いブツブツとした結節ができる状態を指します。特に、手の甲や足の甲、さらには肘や膝などに赤茶色の小さな結節が現れることが特徴です。サイズは小豆大からえんどう豆大ほどになり、かゆみを伴うことが一般的です。

結節性痒疹は、四肢の伸側に多く見られますが、体幹に現れることもあります。個々の結節は散在しており、つながることはありません。この病気は女性に多く見られ、症状が1年以上続くことも珍しくありません。治療に対する抵抗が強いため、管理が難しいとされています。

結節の持続期間は数カ月に及ぶことがあり、組織学的には不規則な表皮肥厚が確認されます。

痒疹の4つの治療法

治療法①:薬物療法

痒疹は、様々な原因により生じる皮膚の病気です。かゆみを伴うこの状態は、日常生活に大きな影響を与えることがあります。治療法には、ステロイド外用薬の使用が一般的です。これらはかゆみを和らげ、炎症を抑える効果が期待できます。

その他の治療法としてデゥピクセントを処方するケースもあります。2週ごとに注射することにより、かゆみの原因になるIL4.IL13を抑えます。

痒疹の治療は自己判断で行うべきではありません。症状が現れたら、専門医の診断を受けることが大切です。特に、アトピー性皮膚炎を持つ方は、まずはその症状の管理から始めることが重要です。

治療法②:紫外線療法

痒疹を改善したいなら紫外線療法が有効です。この治療法では、特定の波長の紫外線を症状のある皮膚に照射し、炎症やかゆみを抑えます。

紫外線療法には、主にUVAとUVBの2種類が使用されます。これらは、皮膚の免疫反応を調整し、細胞の過剰な増殖を防ぐ効果が期待できます。以前よく用いられたPUVA療法では、ソラレンという薬を服用してからUVAを照射する方法が採られていました。しかし、副作用のリスクもあります。

最近では、そのほかの紫外線療法として、より安全性の高いナローバンドUVBやエキシマライトが注目されています。これらの方法は、小児や妊娠中の方にも適応となり、薬物療法の補助としても利用されます。また、症状の改善に伴い、薬の量を減らすことが可能になる場合もあります。

治療法③:冷凍療法

冷凍療法とは、痒みを伴う皮膚の異常なかたまりに対して、液体窒素を用いるものです。液体窒素は非常に低い温度である-196℃に冷却されており、これを皮膚に直接当てることで、皮膚の異常部分を凍らせて壊します。特に硬くて痒みの強いイボのような皮疹に有効です。

治療後、時間が経つにつれて、処置した部分は自然にかさぶたとなり、やがて剥がれ落ちます。これにより、痒みが軽減され、皮膚の状態が改善されることが期待されます。通常、治療は週に1回程度行われます。

また、冷凍療法以外にもビタミンD3軟膏の使用が有効な場合があります。これは塗るだけの簡単な治療法で、痒疹の症状を和らげる助けとなるでしょう。

治療法④:原因疾患の治療

痒疹を引き起こす原因は多岐にわたります。肝臓や腎臓の疾患、血液の問題、さらには糖尿病や肝疾患など、さまざまな健康状態が関連しています。

例えば、肝疾患では、肝臓が正常に機能しないことで毒素や胆汁酸が体内に溜まり、これが痒疹の一因となります。この場合、痒疹そのものを抑える治療のみならず、根本的な原因となる肝疾患の治療も合わせて行うことが重要です。痒疹の対処療法と並行して、原因疾患の治療を進めることで改善を目指します。

痒疹の予防と対策法

予防法①: 日々のスキンケアを見直しましょう

痒みの根本的な原因の一つに、肌の乾燥があります。肌が乾燥すると、痒みや疹が出やすくなります。そのため、毎日のスキンケアで保湿を心がけることが予防策の第一歩になります。

保湿をすることで皮膚を清潔に保つとともに、バリア機能の正常化も期待できます。入浴後の保湿は特に重要で、体を温めることで毛穴が開き、保湿剤の効果を高められるメリットがあります。そのため、肌がまだ湿っている状態で保湿剤をしっかりと塗りましょう。

また、肌に優しい無香料の保湿剤を選ぶことで、肌をいたわりながら痒みを抑えることができるでしょう。

予防法②:環境を整え、刺激を避ける工夫を

痒みの原因となるアレルゲンや刺激物をできるだけ避けましょう。
例えば、使用する洗剤や化粧品は肌に優しいものを選び、衣類や寝具も肌触りの良いシルクやコットンなどの天然素材を選ぶことが大切です。

また、部屋の清掃をこまめに行い、ハウスダストなどのアレルゲンとの接触機会を減らすことで痒みの軽減につながります。生活環境を整えることで、肌への負担を減らし、痒みの発生を予防しましょう。

予防法③:健康的な生活習慣を心がける

健康的な生活習慣は、肌の健康にも直結します。バランスの良い食事、十分な睡眠は自律神経を整え、免疫力を高めます。また、適度な運動はストレス解消ホルモンであるセロトニンと呼ばれる神経伝達物質の分泌を促します。ストレスは痒みを悪化させることがありますので、リラクゼーションや趣味の時間を大切にすることも重要と言えます。

健康的な生活習慣を通じて、肌を内側から健康に保つことが、痒みの予防に繋がります。

痒疹のよくあるご質問

Q痒疹で受診するタイミングと受診先を教えてください。

A
痒疹のある方が受診すべきタイミングは、以下の通りです。

・痒みが長期間続く場合
・痒みが日常生活に支障をきたす場合
・皮膚に異変(発疹、赤み、腫れなど)が見られる場合

痒みが1週間以上持続する場合、その原因は単純な肌の乾燥や一時的な刺激だけではない可能性があります。皮膚に発疹、赤み、腫れ、びらん、水ぶくれなどの異変が見られる、痒みが強くて日常の作業や集中力に影響を及ぼすなら、専門医の診察を受けるべきです。

受診すべき診療科については、皮膚科です。ただし、痒疹の原因が皮膚科疾患以外であるなら、当該科を受診する必要があるでしょう。

Q痒疹の診断をするためにはどのような検査が行われますか?

A
痒疹は皮膚の症状の一つで、以下の検査結果を合わせて総合的に診断されます。

・血液検査
・尿検査
・レントゲン
・CT

これらの検査から得られたデータを元に、痒疹の原因を特定します。ただし、原因が特定できないこともある事を知っておきましょう。特に中高年に多いこの症状は、内臓の疾患や糖尿病など皮膚科疾患とは別に原因疾患が隠れていることが少なくありません。

例えば、ホルモンの問題や肝臓、胆道系の異常、血液疾患、さらには悪性腫瘍の可能性も考えられます。意外かもしれませんが、金属アレルギーが原因で痒疹が発生するケースも。鼻やのど、歯の慢性的な細菌感染症が関係している場合もあり、これらは自覚症状がないため特に注意が必要です。

そのため、原因疾患を特定するために、血液検査以外にも尿検査やレントゲン・CTなど様々な検査が行われる場合もあります。

Q夜間寝ている時に痒みが強くなり、目覚めるのはなぜですか?

A
寝ている時は体に以下の変化が起こるため、痒みを感じやすくなります。

・副交感神経優位
・ストレスや緊張の解放

寝ている間は副交感神経が優位となり、体温が自然と上昇することで血流が増加し、痒みを感じやすくなることがあります。また、日中のストレスや緊張が解放される夜間に、体がリラックスすることで痒みをより感じやすくなることがあります。
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