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湿疹・乾燥肌(皮脂欠乏症)

湿疹・乾燥肌(皮脂欠乏症)とは

皮脂欠乏症とは、皮膚の表面にある皮脂が不足する状態のこと。通常、皮脂は皮膚の保護機能を担っており、水分の蒸発を防ぎ、外部からの刺激や微生物の侵入を阻止する役割を果たしています。したがって、皮脂欠乏症になると皮膚バリア機能の低下や乾燥などの問題を引き起こす可能性があるのです。元からの体質や外的刺激など原因は様々であることから、誰でもなる可能性があります。
例えば、加齢による皮脂腺の機能低下、洗浄剤の過度な使用、乾燥した環境などで発症する可能性が高まります。特に中年以降のシニアに多い病気であり、発症部位は体幹を中心に全身に及びます。また、洗浄剤や化粧品も影響すると考えられており、日頃から使用しているものが皮膚へ過刺激になっている可能性もあるため注意が必要です。

湿疹・乾燥肌(皮脂欠乏症)の原因・メカニズム

原因①:加齢変化

加齢とともに皮膚の保湿能は低下します。皮膚の保湿には皮膚の最外層の表皮にある皮脂膜、天然保湿因子、角質細胞間脂質が関係しています。皮脂膜と呼ばれる目では見えない脂で覆われ、表皮細胞の間に角質細胞間脂質があることで、保湿や外敵(外部からの異物)の通過を防ぐバリア機能を維持しています。皮脂膜、天然保湿因子、角質細胞間脂質が加齢とともに減少し、湿疹・乾燥肌(皮脂欠乏症)の原因になるのです。
また、アトピー性皮膚炎の方のように元から保湿能が弱い人もいるため、これらの条件が重なり皮脂欠乏症になると考えられます。

原因②:外的刺激

外的刺激により湿疹・乾燥肌(皮脂欠乏症)になる場合もあります。
例えば、外的刺激には以下のものが挙げられます。
・紫外線による角質へのダメージ
・タオルなどの摩擦刺激
・過度なスキンケア(洗いすぎ)
・洗浄剤やお湯で皮脂が流される
・エアコンなどで乾燥
外的刺激は症状の悪化を招く要因です。皮脂は皮膚を保護し、水分を蓄え、外部からの刺激や微生物の侵入を防ぐ役割を果たします。しかし、これらの外的刺激により皮膚のバリア機能が低下すると、皮脂欠乏症の症状を悪化させることになります。そうならないためにも外的刺激を最小限に抑えつつ、日常的に十分な皮膚ケアをしておくことが重要です。

原因③:ストレス

通常、肌のターンオーバーは、約6週間サイクルで行われます。
しかし、ストレスが溜まると血管が縮まり肌の温度が低下するため、皮膚のターンオーバーが乱れてセラミドなどの保湿成分の産生が遅れます。また、ストレスホルモンであるコルチゾールが増加すると、これが皮脂腺の活動を抑制します。皮脂が不足することで皮膚のバリア機能が低下し、乾燥やかゆみなどの症状が悪化するでしょう。

原因④:病気や治療の影響

アトピー性皮膚炎・糖尿病・腎臓病などの病気が原因で湿疹・乾燥肌(皮脂欠乏症)が出現・悪化する可能性があります。
例えば、糖尿病なら「高血糖によるい脱水状態」「自律神経の乱れにより汗をかきにくくなる」ことで乾燥肌になりやすいことが挙げられます。加えて、糖尿病の方は皮膚がぜい弱になり、乾燥や皮膚からの感染症など皮脂欠乏症を悪化させる可能性が高まります。
抗がん剤治療などの影響で皮脂欠乏症になることもあります。化学療法や分子標的治療薬、免疫治療薬による副作用として、皮膚の乾燥やひび割れ・かゆみなどの症状が現れるのです。

湿疹・乾燥肌(皮脂欠乏症)の症状

症状①:乾燥や湿疹

皮脂欠乏症により皮膚のバリア機能が低下すると、乾燥や湿疹症状が出現します。具体的には、皮膚の表面は白っぽくカサカサになり、皮膚自体が厚く手触りが悪くなります。
また、乾燥状態が長期間続くと白くなった角質がポロポロと剥がれ落ちて、落屑(らくせつ)が増えたり、皮膚がひび割れたりします。これらの症状は、体幹部を中心に全身に現れる特徴があります。

症状②:かゆみやヒリヒリ感

皮膚が乾燥すると肌のバリア機能が低下します。すると皮下の知覚神経が敏感になり、かゆみやヒリヒリ感などの症状を感じやすくなります。
また、アレルゲンにも敏感になるためアレルギー発症の引き金になったり、掻き傷から細菌が侵入して感染症になったりすることもあるため注意しましょう。

症状③:赤み(紅斑:こうはん)

皮脂欠乏症が悪化すると、皮膚の表面がさざ波状や網目状の細かなシワや、赤み(紅斑:こうはん)が現れます。強いかゆみを伴い掻きむしるなどの掻破行動は刺激となり、炎症を伴う皮脂欠乏性湿疹(皮脂欠乏症の一種)に増強するリスクがあるでしょう。皮脂欠乏性湿疹は空気が乾燥する冬場に悪化しやすい一方で、湿度の高い夏場は症状が比較的落ち着いているのが特徴です。

湿疹・乾燥肌(皮脂欠乏症)の予防法

予防法①:日常生活での刺激を避ける

入浴時に以下の方法を取り入れると過刺激が避けられます。
・低刺激シャンプーや石鹸を使う
・強く洗いすぎない
・タオルやブラシで強く擦らない
強い洗浄力のシャンプーや石鹸は、皮膚へ過刺激になるため避けた方が良いでしょう。弱酸性や無添加などの低刺激シャンプーや石鹸を活用するなどの工夫が必要です。ご自身の皮膚状態に合ったものを検討しましょう。
加えて、必要な皮脂まで流してしまわないためにも、1日に何度も洗わないことも皮脂欠乏症の予防をするポイントです。皮脂が失われると乾燥肌を助長します。タオルやブラシで強く擦ると皮膚表面の傷の原因になるため、泡立てた石鹸で優しく洗い流しましょう。
体を拭く際はゴシゴシ擦るのではなく、押さえ拭きにすると皮膚への刺激を抑えられます。

予防法②:小まめなスキンケアで健康的な皮膚を保つ

皮膚乾燥が悪化すると市販薬では対処できなくなるため、早めの対処が悪化予防のカギになります。
入浴後は全身に保湿剤を塗り、乾燥肌予防します。また、エアコンで部屋の空気が乾燥しているなら、加湿器の活用も検討しましょう。適度な水分摂取をすることも重要です。体に水分が足りてないと、必然的に皮膚も乾燥します。皮膚が潤った状態を維持できることが重要です。
また、乾燥肌は紫外線による皮膚のダメージを助長します。紫外線から皮膚を守るために日焼け止めクリームなどを活用するもおすすめです。

予防法③:摩擦の少ない衣類を積極的に取り入れる

皮膚への持続的な刺激を減らすために、摩擦の少ない繊維の衣類を選びましょう。
木綿やシルク素材は皮膚への摩擦が少なく低刺激であるため、肌着や下着に適しています。これらの素材は通気性があり、肌への摩擦や刺激が少ないでしょう。
一方で避けるべき衣類の素材として、ポリエステル、ナイロンなどの合成繊維が挙げられます。合成繊維は通気性が低く、摩擦や静電気が起きやすいため、敏感な肌には過刺激になりかねません。
また、サイズの選定にも気を配りたいところです。窮屈な服やきつい靴は摩擦が増え、肌に負担をかけます。適切なサイズの衣類を選び、体全体の皮膚に負担をかけないことも皮脂欠乏症予防として重要です。

湿疹・乾燥肌(皮脂欠乏症)に有効な施術・治療方法

治療法①:薬物療法

薬物療法は塗り薬を中心に処方されます。
処方される薬剤の種類は、以下の通りです。
・ステロイド薬
・抗ヒスタミン薬
・ワセリン、親水軟膏
・尿素製剤
・ヘパリン含有類似物質
抗炎症作用や血管収縮作用のあるステロイド薬で、皮膚欠乏症によつ皮膚の炎症を抑えます。副作用に皮膚の色素脱失があるため、ボディーイメージの変化について医師に相談しつつ使用していく必要があります。
また、アレルギーが原因のかゆみついては、抗ヒスタミン薬が処方されます。抗ヒスタミン薬はかゆみを改善する一方で、眠気や口渇感など副作用があるため、人によっては副作用が苦痛に感じるでしょう。
この他に、ワセリン、親水軟膏、尿素製剤、ヘパリン含有類似物質により、保湿を行い、皮膚のバリア機能の維持・向上させる効果が期待できます。

治療法②:食事療法

皮膚欠乏症による乾燥肌対策として、食事療法で改善する方法もあります。
乾燥肌の人に不足しがちな栄養素は、以下の通りです。
・たんぱく質
・亜鉛
・必須脂肪酸
・各種ビタミン
・葉酸
たんぱく質は体(細胞)を作る重要な栄養素です。つまり、皮膚がターンオーバーで新しい皮膚細胞を作る源になるのです。
亜鉛もたんぱく質と同じようにターンオーバーを促し、健康な細胞が増やす役割があります。弾力のある健康的な皮膚を保つ上で重要な栄養素といえます。
必須脂肪酸は皮脂の原料となり、皮膚の保湿能を高めます。各種ビタミンは肌のターンオーバーを促したり、肌や粘膜に潤いを与えたりする役割を担っています、また、ビタミンに加えて葉酸は代謝を促す働きがあり、体の老廃物の排泄を促し、ターンオーバーをしやすい体作りができます。

湿疹・乾燥肌(皮脂欠乏症)のよくあるご質問

Q質問①:皮脂欠乏症は周りの人にうつりますか?

A
いいえ、人にうつすことはありません。皮膚欠乏症とは何らかが原因で皮脂が失われ、角質の水分が減ることです。皮膚が乾燥したり、湿疹を起こしたりする状態なので、ウイルスや細菌が原因の感染症のように周りの人にうつるとは考えにくいでしょう。

Q質問②:皮脂欠乏性湿疹は治る病気ですか?

A
ステロイド外用剤などを用いて適切に治療を進められれば、治る病気です。また、湿疹が治った後も適宜保湿剤を塗りながら乾燥肌を防ぐことで、再発予防ができます。自分のライフスタイルに合わせて上手く付き合っていくことでコントロールできる病気なので、ご安心くさい。

Q質問③:皮脂欠乏性による湿疹を放っておくとどうなりますか?

A
皮脂欠乏性による湿疹を放っておくと、「貨幣状湿疹」や「自家感作性皮膚炎」などの重症湿疹に移行するリスクが高まります。これらの湿疹になる市販薬では完治が難しいため、皮膚科などの専門機関で適切な治療を受ける必要があります。

Q質問④:皮膚欠乏症の可能性がある場合、受診すべき診療科は何科ですか?

A
皮膚欠乏症のような皮膚トラブルは、皮膚科を受診しましょう。乾燥や湿疹の原因が皮脂欠乏症であった場合、スムーズに治療へと移行できます。
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