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水虫(足白癬)

水虫(足白癬)とは

水虫(足白癬)は、皮膚糸状菌と呼ばれる真菌(カビ)によって引き起こされる病気で、主に足の指や爪に発生します。この皮膚糸状菌は、他の菌とは異なり、皮膚の表面の角質(ケラチン)を分解する能力を持っています。代表的な原因菌としては、トリコフィトン・ルブルム*とトリコフィトン・インタージギターレ(メンタグロフィテス)が挙げられます。
足の裏の皮膚で増殖することから、かゆみをはじめとする様々な皮膚トラブルを引き起こす厄介な病気です。この病気は皮膚糸状菌によって引き起こされ、白癬(はくせん)、黄癬(こうせん)、渦状癬の3つに分類されます。ただし、国内では黄癬や渦状癬が確認されていないことから、日本では「皮膚糸状菌」と「白癬」は同義語として扱われることが一般的です。

水虫(足白癬)の3つのタイプ

タイプ①:趾間(しかん)型

趾間(しかん)型水虫は足の指の間で感染拡大をしていくタイプの水虫です。足の指の間で皮膚糸状菌が感染し、その結果、かゆみや発疹、赤みなどの症状が現れ、その後徐々に白くふやけます。ムズがゆさが続き、皮が剥げた後はジクジクするなど、辛い皮膚症状が伴います。他の水虫同様、感染は感染源となる感染者や感染物(例: 共用のシャワー室やプールなど)からの接触が主な感染経路です。

タイプ②:小水疱型

小水疱型水虫は皮膚糸状菌による感染症であり、「水疱性白癬(すいほうせいはくせん)」や「湿疹型白癬(しっしんがたはくせん)」とも呼ばれます。足の裏や縁、土踏まず周辺に小さな水疱が多発するタイプの水虫で、水疱の大きさは通常「約2~3mm程度」ですが、時にそれよりも大きくなることもあります。水疱が破れると、湿潤な表面が露わになり、そこから新たな水疱が形成されることがあります。

タイプ③:角質増殖型

角質増殖型水虫は足底全体、特にかかとの部分を中心に角質が硬く厚くなるタイプの水虫です。
表面にザラつきが出てくると皮が剥けはじめ、時にひび割れたり、患部が乾燥して粉をふいたような白い屑(くず)が見られたりします。水虫の中では珍しいタイプであり、かゆみや赤みなどの自覚症状に乏しいことも特徴です。

水虫(足白癬)の原因・メカニズム

水虫(足白癬)の原因

皮膚糸状菌と呼ばれる真菌(カビ)が足の裏の皮膚に感染することで水虫が発症します。この真菌は人の皮膚に存在するケラチンと呼ばれる角質を栄養源として増殖し、感染を拡大させます。特に温かく湿った環境を好むため、靴下やブーツで蒸れた足、足拭きマット、スリッパなどに生息します。また、共有される足拭きマットやスリッパを介して人から人へ感染が広がります。通常は原因菌が付着しても、適切な清潔状態で洗い流し、しっかりと乾燥させれば感染の心配はありません。しかし、不潔な状態や湿ったままにしておくと感染が広がり、症状が悪化する可能性があるため、注意が必要です。

水虫(足白癬)の症状

部位①:足指の間

足指の間は水虫(足白癬)の症状として最もよく見られ、「湿潤型」と「乾燥型」の2つがあります。湿潤型では、足指の皮膚が湿ってジクジクとした感じがし、特に第四趾間に発症しやすいのが特徴です。足の指の皮膚が湿り、白くふやけている状態が続くと皮が乾燥しむけ、それに伴いかゆみが生じます。

一方で乾燥型では皮が薄くむげて赤くなり、ひどい場合はひび割れや亀裂が生じることがあります。小さな水疱ができたり、皮がむけたりすることもあります。これらの症状が足指の間で見られることが水虫の特徴です。症状の出方には湿潤型と乾燥型の違いがありますが、どちらも早期の対策や治療が重要です。

部位②:足の裏・フチ・指の付け根

指の付け根や足の裏、足の縁などには、小さな水疱(水ぶくれ)ができることがあります。水疱ができ始める時期からかゆみの症状が現れ、次第に赤く腫れ上がります。水疱が潰れると中から滲出液が出てきて、最終的に水疱の皮は乾燥して剥がれ落ちます。
水疱の初期は小さく、無症状であることもよくあります。そのため、発症に気がつかないこともあるかもしれません。しかし、放置しておくと症状が悪化し、増強する可能性があるため注意が必要です。

部位③:踵(かかと)

足の裏全体、特に踵の厚くなった角質で水虫が感染することがあります。感染すると、白い粉を吹いたような外見になり、皮膚はカサカサ・ガサガサとした状態になります。時にひび割れを引き起こすこともあります。最近、踵が乾燥して、靴下がスムーズに履けないなどの症状があれば、水虫の可能性が考えられます。

水虫(足白癬)の予防法

予防法①:足を清潔に保つ

足を清潔な状態に維持することで感染リスクを減らし、足の皮膚状態を健康に保つことが重要です。石鹸や洗浄剤を使用して、足裏や指の間などを丁寧に洗い流し、皮脂や汚れを取り除きましょう。特に指の間は湿気がこもりやすいので、重点的に清潔に保つことがカギになります。洗浄後は十分に乾かすことも大切で、指の間や爪の周りは乾燥しにくいため、タオルでしっかりと拭くか、吹き乾かすことがおすすめです。湿ったままの状態が続くと、水虫の感染や繁殖を助長する可能性があるので、こまめなケアが必要です。

予防法②:感染のきっかけとなりうる物の共有を避ける

水虫は感染力が強く、他人とものを共有することで知らず知らずのうちに感染してしまう可能性があります。例えば、靴や靴下、バスマット、タオルなどは他人と共有することで感染リスクが高まります。また、素足で利用する施設も注意が必要です。個人用品や衛生用具や水虫の好みそうな湿潤環境になりやすい物は共有せず、個人使用にしたり、毎回交換したりするよう心掛けましょう。この他にも、銭湯や温泉、プールなどでは水虫(足白癬)があらゆる物を介して足に付着しやすく、感染拡大しやすいリスクがあります。利用後は足をよく洗い流して、菌が繁殖しやすいようにしっかりと乾燥させることが大切です。これにより、水虫の感染リスクを大幅に減らすことができます。

予防法③:適切な靴と靴下の選択

適切な靴と靴下を選ぶことも水虫(足白癬)を予防するために重要です。例えば、通気性のある素材で作られた靴と靴下を選ぶことが挙げられます。通気性がある素材は足の湿気を逃がし、ムレや湿気を防ぐため、水虫の原因となる湿った環境を避けることができます。特に、合成素材よりも天然素材が通気性に優れているため、できるだけ天然素材を選ぶことが望ましいです。また、靴のサイズが小さすぎると足を圧迫して通気性が悪くなり、結果としてムレやすくなるため、注意が必要です。
次に、靴と靴下の清潔を保つことが重要です。毎日使う靴や靴下はこまめに洗濯し、清潔な状態を維持しましょう。濡れた靴や靴下を長時間履いていると、湿潤環境を好む水虫にとっては格好の繁殖環境になるため、注意が必要です。

水虫(足白癬)に有効な施術・治療方法

治療法①:外用薬

足白癬の場合、基本的には外用薬での治療が主流です。なぜなら、足白癬や体部白癬は皮膚の角層のみの感染だからです。ただし、足白癬でも角層が厚くなる角質増殖型だと外用薬だけでは十分な効果を得られない可能性があるため、次に紹介する内服薬も併用されます。
足白癬は最低4週間、毎日治療を続けないと治りません。足白癬の中には症状に乏しく1週間程度で治ったように見えることがあります。しかし、実際は1週間程度の治療では角質の中に菌が残っているため、途中で治療をやめてしまうと再度増殖して水虫を再発・症状を悪化させる危険性があるでしょう。そのため、必ず医師の処方通りに治療を進めていく必要があります。

治療法②:内服薬

角質増殖型の足白癬(角質が硬く厚くなるタイプ)や爪白癬を合併しているなら、外用薬だけでは菌のいる場所まで薬が届かないため、経口抗真菌薬(原因菌に対する抗生物質)による内服治療も合わせて行われます。
現在日本ではイトラコナゾール、テルビナフィン、ラブコナゾール (ネイリン)が使用されており、3剤とも肝機能へ負担をかける可能性があることから「治療前」と「治療開始後2カ月は月1回」の血液検査を行う必要があります。
また、抗菌薬は自己判断で退薬すると再発や薬剤耐性菌(薬が効かない菌)の原因になるため、医師の処方通りに飲むことが大切です。

治療法③:生活環境の見直し

生活環境を見直すことも治療の一環です。水虫は感染力が強く、生活のあらゆる場所で人へ感染します。水虫が住み着かない環境を整えるためにも、生活環境における以下内容を見直してみましょう。
・床やじゅうたんを小まめに掃除する
・靴や靴下をアルコール除菌する
・長期間履く仕事靴などは通気性の良いものにする
・部屋の換気や除湿で湿気対策をする
・洗濯物は天日干しでしっかりと乾かす
水虫は日常生活のあらゆる場面で感染リスクのある病気です。だからこそ、日頃から自身が感染しない、感染元にならないように心がけなければいけません。

水虫(足白癬)のよくあるご質問

Q質問①:水虫(足白癬)は子どもにうつりますか?

A
はい、子どもにもうつる可能性も十分あります。
ただし、以下の理由から大人に比べて子どもは感染しづらいと考えられます。
・子供は裸足で駆け回り、白癬菌が脱落しやすい
・足の角質の新陳代謝が盛んなため、足白癬の発症率が低い
白癬菌は足に長時間付着しないと感染しません。しかし、社会人になり一日中靴下や靴を履くようになると、足白癬が感染・繁殖しやすい環境が増えるため注意しましょう。

Q質問②:冬になると水虫(足白癬)の症状が落ち着くのはなぜですか?

A
涼しい時期になると白癬菌の増殖力が弱まり、角質の新陳代謝により水虫は体表へ押し出されます。白癬菌は角層の下の方まで増殖するとかゆみや赤み、水脹れなどの症状が出るため、菌の量が減ると一時的に症状が落ち着くのです。
冬場は表面上、症状が落ち着いているように見えるだけで、実は水虫自体は改善していません。冬が終わり、春から夏にかけての高温多湿の季節になると増殖を始め、足白癬の症状が出てきます。

Q質問③:市販の水虫薬でも足白癬は治りますか?

A
市販されている水虫薬は外用薬(塗り薬)であり、足白癬のみであればある程度の効果は期待できます。しかし、医師の診察を元に処方されたものではないため、症状の程度や基礎疾患など個々に合わせて処方された薬ではないことを十分理解した上で使用する必要があります。
また、角質増殖型の足白癬や爪白癬を合併している場合は、外用薬だけでは完治しません。そのため、一度皮膚科を受診して医師の診察を受け、適切な治療薬を処方してもらうことをおすすめします。

Q質問④:治療期間はどれくらいですか?

A
感染部位によって異なりますが、治療継続期間が異なります。例えば、趾間型では「 2カ月以上」、小水疱型では 「3カ月以上」、角化型では「6カ月以上」が目安です。
ここで注意すべきは、表面上治ったように見えても自己判断で治療を中断しないことです。治療効果が出てくると皮膚が綺麗になり、かゆみや赤みなどの症状も落ち着きます。安心して少し気が緩むのも分かりますが、水虫菌を完全に死滅させない限り、容易に再発します。そのため、症状がなくなった後も1ヵ月間は治療を続ける必要があるでしょう。
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