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貧血

貧血の治療について

貧血(鉄欠乏性貧血)とは

貧血は、血液中の赤血球またはヘモグロビンの濃度が低下した状態で、身体全体に十分な酸素が供給されないことにより、さまざまな症状が引き起こされます。鉄欠乏性貧血は、貧血の中でも最も一般的であり、全貧血症例の約70%を占めています。鉄欠乏性貧血は、鉄の摂取不足や消化吸収の障害、出血による鉄の喪失が原因で発生します。

他の貧血のタイプには、悪性貧血(巨赤芽球貧血)、溶血性貧血、再生不良性貧血が含まれます。悪性貧血は、ビタミンB12の吸収不良により赤血球が異常に大きくなる状態です。溶血性貧血は、赤血球が正常より早く破壊されることで生じ、しばしば遺伝的な要因が関与します。再生不良性貧血は、骨髄が赤血球を十分に生成できない状態を指し、しばしば白血球や血小板の生成も低下します。

これらの貧血は、適切な治療が行われない場合、全身の疲労感、集中力の低下、呼吸困難など様々な影響を及ぼすため、症状が現れたら迅速に医療機関を受診することが推奨されます。

貧血

貧血(鉄欠乏性貧血)の原因

鉄の需要が増える(妊娠・妊娠など)

成長期や妊娠は、体内の鉄の需要が著しく増加する時期です。特に妊娠中は、母体の血液量が約1.5倍に増加し、胎児の成長を支えるために必要な鉄が多く消費されます。このため、妊娠中の女性は鉄欠乏性貧血になりやすく、この状態が続くと、赤ちゃんの発育不足や早産のリスクが高まります。また、出産時の出血も母体の鉄不足をさらに深刻化させる可能性があります。

授乳期の女性も同様に、母乳の分泌とともに多くの鉄を必要とします。生後7~8ヶ月頃には体内の貯蔵鉄が減少し始め、9ヶ月頃には鉄欠乏が生じる可能性が高くなります。母乳の主成分は水分であるため、水分不足は母乳の分泌減少を招き、さらに鉄欠乏を助長することもあります。

上記の理由から、妊娠中や授乳中の女性は、鉄分だけでなくビタミンやミネラルを豊富に含むバランスの取れた食事を心がけることが重要です。適切な栄養摂取は、母体だけでなく赤ちゃんの健康にも大きく影響します。

鉄分が不足している(摂取不足)

鉄欠乏性貧血は、体内の鉄分が不足することによって引き起こされます。鉄は赤血球の主要な構成成分であり、酸素の運搬に不可欠です。しかし、鉄分は体に吸収されにくい栄養素であり、特に鉄分が豊富な食品が苦手な人や偏った食生活を送る人では鉄分不足が生じやすいです。

さらに、鉄分の摂取不足は、日々の食事からの摂取量が不足している場合だけでなく、消化管の病気や手術による体内での吸収障害が原因で発生することもあります。具体的には、胃潰瘍、大腸ポリープ、クローン病、セリアック病、吸収不良症候群などが鉄分の吸収を妨げる主な疾患です。また、ヘリコバクターピロリ感染も鉄の吸収を低下させる要因の一つとされています。

鉄を多く喪失している(生理・消化管出血)

鉄欠乏性貧血の主な原因の一つは、体からの鉄分の喪失です。特に、毎月の生理を通じて女性は鉄を失います。生理の出血が多い場合、鉄欠乏性貧血になるリスクが高まります。経血量が多い方は子宮筋腫や子宮内膜症といった婦人科的疾患の可能性も考えられるため、婦人科検診が重要です。

また、消化管出血も鉄の喪失を引き起こす一因です。胃潰瘍や十二指腸潰瘍が原因で慢性的に微量の出血が生じると、赤血球の産生に必要な鉄分が減少し、やがて貧血に至ります。

貧血の症状

症状

鉄欠乏性貧血の症状は多岐にわたり、重篤化すると日常生活に大きな影響を及ぼすことがあります。以下にその主な症状を箇条書きで示します。

・動悸や息切れ:体が酸素運搬能力の低下に対応するため心拍数を増やし、より多くの酸素を供給しようとします。
・疲労感や倦怠感:日常生活に支障をきたすほどの疲労やだるさが常に感じられるようになります。
・顔色の悪化:貧血が進むと肌の色が蒼白になり、健康的な血色を失います。
・匙状爪(スプーンネイル):爪が薄くなり、反り返る形状の変化が見られます。
・味覚障害:味を感じる能力が低下し、食事の楽しみが減少します。
・口腔内の不快感:舌のひりひり感や口内炎が発生し、食事や会話に影響が出ることがあります。
・集中力の低下ややる気の減退:仕事や学習に必要な集中力が維持できず、日常生活の質が低下します。
・舌炎や口角炎:口内の炎症が発生し、痛みや不快感を感じることがあります。
・嚥下障害:飲食物の摂取が困難になり、栄養状態に影響が出ることがあります。
・異食症:非栄養物を食べたくなる衝動に駆られることがあります。

これらの症状は、鉄欠乏状態が深刻になるにつれて顕著になり、心臓に負担をかけることもあるため、早期の対応と適切な治療が重要です。

貧血に有効な施術・治療方法

貧血(鉄欠乏性貧血)の治療法

鉄欠乏性貧血の治療には主に鉄剤の投与が基本です。鉄剤は錠剤、シロップ、カプセルといった形で提供され、通常は日に1〜3回の服用が推奨されます。鉄剤には副作用として吐き気があるため、悪心を避けるために食後に摂取したり、必要に応じて吐き気抑制薬を併用することもあります。鉄剤を服用すると便が黒くなることが一般的ですが、これは正常な反応です。

鉄剤の内服が困難な場合、特に吸収障害がある人や副作用で苦しむ人には、鉄分を点滴で直接血流に補充する方法が選ばれます。この治療法は効率的で副作用が少ないことが多いです。

また、鉄欠乏性貧血が慢性出血など他の医療状態によって引き起こされている場合、その根本原因の治療も同時に行う必要があります。たとえば、消化管出血が原因の場合は内視鏡検査を行い、適切な治療を施します。

さらに、食事療法も重要です。特に鉄分を豊富に含む食品(肉、魚、豆、特定の野菜)を積極的に取り入れることが推奨されます。ヘム鉄は吸収率が高く、非ヘム鉄と比較して体内での利用が容易です。

貧血のよくあるご質問

Q貧血はどのような検査方法がありますか?

A貧血の診断には、主に血液検査が用いられます。この検査では、赤血球の数、ヘモグロビン濃度、ヘマトクリット値(血液中の赤血球の体積比率)を測定します。ヘモグロビン濃度が成人男性で13 g/dL以下、成人女性で12 g/dL以下である場合に貧血と診断されます。これらの値は、血液の酸素運搬能力を示し、これが低下すると貧血の状態とされます。

さらに詳細な診断として、平均赤血球容積(MCV)や平均赤血球ヘモグロビン濃度(MCHC)の測定も行われます。これらは赤血球の大きさやヘモグロビン含有量を示し、鉄欠乏性貧血の場合はMCVが低下し(小球性)、MCHCも低下する(低色素性)ことが多いです。

また、鉄の状態をより詳しく調べるために、血清鉄、総鉄結合能(TIBC)、フェリチンの測定も重要です。鉄欠乏性貧血では、血中の鉄濃度が低下し、フェリチン値も低下します。フェリチンは体内の鉄貯蔵量を示す指標であり、この値が低いと鉄欠乏の状態を反映しています。

Q貧血を放置するとどうなる?

A貧血を放置すると、様々な健康問題が引き起こされるリスクが高まります。特に鉄欠乏症は、体内の鉄分が不足することで酸素運搬能力が低下し、全身の倦怠感、めまい、耳鳴り、動悸、息切れなどの症状が現れます。さらに症状が進行すると、心臓に過度の負担がかかり、心不全を引き起こすこともあります。

また、貧血が悪化すると、さじ状爪(爪が薄く反り返る)、舌炎、口角炎、嚥下障害、異食症(貧血の方であれば氷を食べたくなるなど)といった症状が現れることがあります。これらの症状は、日常生活に大きな影響を及ぼし、生活の質を著しく低下させます。
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