狭心症の治療
狭心症とは
狭心症とは、心臓に酸素を供給する冠動脈が狭くなり、血流が悪化する病気です。これは、動脈硬化による冠動脈の沈殿物の蓄積や血管の痙攣により生じます。心筋が必要とする酸素や栄養分が不足し、胸の痛みなどの症状が現れることがあります。
冠動脈は、大動脈から分岐し、心臓を取り巻くように走る重要な血管です。この動脈が詰まると、心臓は正常に機能できなくなります。特に、冠動脈が3本ある中で1本以上が詰まると、心臓の一部が血液不足に陥り、症状が現れやすくなります。
狭心症とは、心臓に酸素を供給する冠動脈が狭くなり、血流が悪化する病気です。これは、動脈硬化による冠動脈の沈殿物の蓄積や血管の痙攣により生じます。心筋が必要とする酸素や栄養分が不足し、胸の痛みなどの症状が現れることがあります。
冠動脈は、大動脈から分岐し、心臓を取り巻くように走る重要な血管です。この動脈が詰まると、心臓は正常に機能できなくなります。特に、冠動脈が3本ある中で1本以上が詰まると、心臓の一部が血液不足に陥り、症状が現れやすくなります。
薬物療法は大きく分けて、症状を抑える目的と生命予後を改善する目的の二つがあります。そして、治療に用いられる代表的な薬剤は、以下の通りです。
・β遮断薬:安静時の心拍数を抑えて心臓の負担を軽減し、心筋の酸素消費を下げることで、狭心症の発作を予防します。
・カルシウム拮抗薬:血管の狭窄(収縮)や冠動脈のれん縮(痙攣)を防ぐことで、狭心症を予防する効果があります。
・硝酸薬:血管を広げて心臓への血流を増加させ、狭心症の症状を速やかに和らげます。使用後1〜3分で効果が現れ、効果持続時間は30分程度と言われています。
・ACE阻害薬やアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)、アルドステロン拮抗薬:心臓への負担を軽減し、血圧を管理することで狭心症の治療に役立ちます。また、心臓発作や冠動脈疾患による死亡リスクを軽減する効果も期待できます。
・抗血小板薬や抗凝固薬:血管内の血栓形成を防ぎ、狭心症や心筋梗塞のリスクを低減します。
狭心症治療において、心臓カテーテル治療は、血流を再開させ、症状を改善することを目的に行われます。具体的には、カテーテル治療には「バルーン療法」と「ステント療法」があります。
・バルーン療法:細い管(カテーテル)の先端に取り付けられたバルーン(風船)を狭くなった血管の中に挿入し、そのバルーンを膨らませることで血管を内側から押し広げる方法です。
・ステント療法:バルーンの外側に網状の金属チューブ(ステント)を装着しておきます。バルーンを膨らませる際に、このステントも一緒に広がり、血管の内壁に固定されます。これにより、血管が再び狭くなるのを防ぐ効果があります。さらに、薬剤を溶出するタイプのステント(薬剤溶出性ステント)を使用することで、内膜の増殖を抑え、再狭窄のリスクをさらに軽減することができます。
心臓カテーテル治療の再発率(内膜が増殖し再び狭くなる確率)は「10〜30%」ですが、薬剤溶出性ステント治療によって数%まで軽減していると言われています。
冠動脈バイパス治療とは、狭くなった冠動脈の先に新しい血管をつなげることで、心臓の血流を大幅に改善する治療のことです。
具体的には、冠動脈バイパス手術では、胸を開いて詰まった冠動脈の先に迂回路(バイパス)を作ります。この手術は全身麻酔で行われ、体の別の部分から取り出した血管を使って新しい血流の通り道を作成します。使用される血管としては、脚の大伏在静脈、肋骨の内側にある内胸動脈、手首の橈骨動脈、胃の胃大網動脈などがあります。
この手術の大きなメリットは、健康な血管を使ってバイパスを作ることで、心臓の血流が一気に改善される点です。一方で、胸部を切り開くため、体への負担がカテーテル治療に比べて大きくなることもあります。