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不整脈

不整脈の治療について

不整脈とは

不整脈とは、心臓のリズムが通常より速くなったり遅くなったり、あるいは不規則になったりする状態を指します。成人の安静時の心拍数は1分間に60〜100回です。しかし、不整脈ではこのリズムが乱れ、心臓の収縮や拡張が正常と異なるパターンで起こります。

不整脈は心臓の電気刺激の流れや伝達に異常が生じることによって引き起こされます。電気刺激は心臓内で起こり、心室と心房の収縮や拡張を正確に制御します。しかし、病気や加齢、ストレスなどの要因で電気刺激の流れが乱れるのです。徐脈(心拍数が1分間に50回未満)、頻脈(心拍数が1分間に100回以上)、そして期外収縮(単発の異常な心拍)の3つの主なタイプに分類され、生理的な不整脈と病気による不整脈があります。生理的な不整脈は、運動やストレスなどの一時的な要因によって引き起こされますが、一般的には健康な人にも見られます。一方、病気による不整脈は、心臓病やその他の健康問題によって引き起こされます。不整脈の症状には、動悸、息切れ、胸痛、めまい、失神などがあります。これらの症状は、不整脈が進行するにつれて悪化します。

不整脈

不整脈の原因

不整脈の原因はさまざまですが、主な要因は以下の通りです。

・遺伝や体質:家族内で不整脈や心電図の異常が見られる場合や、加齢に伴い徐脈や心房細動などの不整脈が起こりやすい
・生活習慣や環境要因:睡眠不足、過度の飲酒、喫煙、カフェインの過剰摂取、ストレスやネガティブな感情などは不整脈の発症率を高める。例えば、BMIが高い人やタバコを吸う人、アルコールの消費量が多い人は心房細動を発症しやすいとされている
・心臓や体内の問題:心臓の病気(心筋梗塞、心筋症、心臓弁膜症など)や、高血圧、甲状腺異常、肺疾患などは不整脈と関連性が強い
・薬の副作用:不整脈が副作用の薬も存在する
・原因不明:生まれつきの刺激伝導系の異常や加齢による機能低下、生活習慣病やストレスなどの要因が複合的に影響している可能性がある

これらの要因が組み合わさることで、不整脈が発症します。

不整脈の3つの種類と症状

徐脈性不整脈(脈が遅くなる)

徐脈性不整脈は心拍数が毎分50回以下になる脈の状態で、電気刺激の発生や伝達が不十分になることで生じます。代表的な徐脈性不整脈は、「洞不全症候群」「房室ブロック」「徐脈性心房細動」の3つです。
症状としては、息切れやだるさ、足のむくみ、めまい・失神などが挙げられます。命に関わることはまれですが、脳への血流が不足することでめまいや失神などが起こる可能性があります。また、心不全を引き起こす場合もあり、強い息切れを自覚するでしょう。
これらの状況では、ペースメーカーの装着が必要になることもあります。徐脈性不整脈は、一般の方でも運動時などに心拍数が50回/分になることがありますが、病的な徐脈とは異なります。病的な徐脈は、運動時などに脈が速くならず、不快な症状が現れます。

頻脈性不整脈(脈が速くなる)

頻脈性不整脈は、心拍数が毎分100回以上になる不整脈の一種です。心臓の電気刺激が異常に速いために起こります。代表的な頻脈性不整脈としては、「心房頻拍」や「心房細動(粗動)」、「発作性上室性頻拍」、「心室頻拍」、「心室細動」、「WPW症候群」が挙げられます。

頻脈性不整脈は、「頻拍」と「細動」の2種類です。頻拍は心拍数が1分間に100回以上になる不整脈で、動悸や胸の痛み、不快感、失神などの症状が現れます。一方、細動は電気信号が1分間に250回以上送られますが、信号が速すぎて心臓が追いつかず、不規則で弱い拍動が起こります。

頻脈性不整脈の中でも、心室細動や心室頻拍は極めて危険なタイプです。心房細動は脳梗塞のリスクを高め、心室細動は突然死につながる危険性があります。

期外収縮不整脈(脈が飛ぶ)

期外収縮不整脈は、心臓の電気刺激が通常の場所以外から出ることで生じる不整脈です。この不整脈では、正常な心拍の間に突然不規則な拍動が発生します。一般的には胸がドキドキする感覚や一瞬の胸のつまずき、胸のつまり感などを自覚するでしょう。

代表的な期外収縮不整脈としては、「心房性期外収縮」「心室性期外収縮」があります。不規則な拍動が頻繁に起こる場合や自覚症状が強い場合は、医師の診察が必要です。心臓の持病がない方でも、アルコールの多飲や喫煙、過労などの生活習慣によって期外収縮不整脈が生じることがあります。

この不整脈が心臓病を抱える方に現れる場合、心室が痙攣する心室細動の前兆となることもあります。

不整脈の検査と診断について

不整脈の代表的な検査

不整脈の診断には、いくつかの検査があり、代表的な不整脈の検査として以下が挙げられます。

・心電図検査(安静時12誘導心電図検査):心臓の電気活動を観察
・ホルター心電図検査:者が日常生活を送りながら心電図を記録し、活動中や休息中の心拍の変化を調べる

・運動負荷検査:運動時の心臓の反応を評価

・心臓超音波検査:心臓の形態や機能を調べる

・胸部X線検査や胸部CT検査:心臓や肺の状態を観察

・心臓カテーテル検査:心臓内部の電気活動を観察し、不整脈の原因や重症度を評価

不整脈の治療の流れ

不整脈の診は、以下の3つのステップで行われます。

・問診
・検査
・診断

まずは問診にて自覚症状の有無や不整脈の原因となる生活習慣などの確認が行われます。「どのような症状に悩まされているか」「いつから症状を感じるか」などを詳しく調べて、不整脈による日常生活への支障の程度を把握します。

次に、先ほどの章で解説した不整脈の検査を行われます。検査データと実際の症状とを照らし合わせながら、重症度を考慮して最終的に治療方針が立てられます。

不整脈に有効な施術・治療方法

薬物治療

頻脈性不整脈に対しては、抗不整脈薬が主に用いられます。心拍数を整える作用があり、異常な電気信号を抑制します。また、血栓予防のために抗凝固薬が用いられます。特に高血圧や糖尿病を併発している患者さんには、血栓を予防するために抗凝固薬が重要です。治療法は患者の状態や症状に応じて選択されるため、医師と十分相談した上で治療を始めましょう。

カテーテルアブレーション治療

カテーテルアブレーション治療は、不整脈を治療する方法の一つです。不整脈の原因となる異常な電気回路や興奮を発生させている部位を、カテーテルと呼ばれる細い管を使って焼灼(しょうしゃく)または冷凍凝固して消滅させる治療法です。

この治療法の利点は、大きな手術のような開胸手術と異なり、傷口が小さいため身体への負担が少ないことです。また、不整脈の原因部位を同定して消滅させるため、成功すれば根本的な治療になります。
さらに、定期的な薬の服用や頻回の外来通院が必要なくなる利点もあります。不整脈治療の選択肢として、カテーテルアブレーションは有効な方法の一つです。

外科的手術

不整脈の外科的手術で治療は胸を開いて心臓に外科的処置を行い、異常な電気信号の通り道を断ち切ります。この治療法は患者への負担が大きいため、他の心臓手術と同時に実施する場合、他の治療法が効果的でない場合に行われます。

心房細動手術は、全身麻酔下で開胸し、心臓の内外壁に伝導ブロックを作ることでリズムを元に戻す治療法です。

デバイス治療(ペースメーカー)

ペースメーカーは心臓のリズムを補助する装置で、心臓の筋肉に電気信号を送ります。主に脈が遅くなる徐脈性不整脈の治療に使用されます。ペースメーカーは胸部または腹部に埋め込まれ、心臓に電気信号を伝えるためのリード(導線)が留置されます。

洞性不全症候群や房室ブロックなどの不整脈により心臓の速度が低下し、めまいや意識消失などの症状がある場合にもペースメーカーが使用されます。ペースメーカーは、小さな皮膚切開を加えて皮膚の下に植込まれ、心房リードと心室リードを肩の血管から心臓に挿入します。

リードを通じて心臓の電気信号を監視し、必要に応じてペースメーカーの電気刺激が心臓に送られます。ペースメーカーはリチウム電池で動作し、約8〜10年ごとに交換する必要があります。

デバイス治療(ICD:植込み型除細動器)

植込み型除細動器(ICD)は、心室頻拍や心室細動などの致死性心室性不整脈が発生した際に、高頻度の電気刺激や電気ショックで頻脈を停止させる装置のことです。専用の心室リードには、電気ショックを通電するためのコイル電極が取り付けられています。

ICDは体内に植込まれ、心臓の電気的活動を常に監視し、命を危険にさらす心室頻拍や心室細動を感知するとすぐに電気ショックによる治療を行い、突然死を予防します。また、抗不整脈薬による薬物療法と併用されることもあります。

ICD本体はペースメーカーよりも大きく、重量もありますが、電池寿命は6〜7年とやや短めです。ICDが必要な患者は、心室頻拍や心室細動の経験がある場合だけでなく、心筋梗塞や拡張型心筋症などの心疾患により心機能低下や心不全症状がある患者も、突然死を予防する目的でICDの植込みが行われます。

また、特発性心室細動やQT延長症候群などの患者でも、心室細動の発作の可能性が高い場合にはICDが植え込まれます。

不整脈のよくあるご質問

Q不整脈と診断されたら運動はしない方が良いでしょうか?

A
運動は推奨しますが、実際の運動量や内容については担当医と相談してから始めましょう。
不整脈の種類や状態によっては、過度な運動で動悸や息切れ、胸の圧迫感などの症状が現れることがあります。その結果、運動を控え、安静に過ごそうとする人もいますが、かえって逆効果になる場合も。なぜなら、不整脈の人の中には、安静よりも運動をした方が再発率が低く、寿命が長い場合があるからです。そこで、不整脈と診断された場合は、「どれくらい運動を行なって良いか」を担当医に相談しましょう。

例えば、ウォーキングなどの有酸素運動や心肺機能の維持・向上を目指すために軽い筋トレをすることもあります。

Q不整脈発作を一時的に改善する方法はありますか?

A
不整脈発作になった際は、以下の方法で不整脈が停まることがあるため、試してみましょう。

・息を止める(呼吸を止めた状態で、胸やお腹に力を入れる)
・冷たい水を飲んで、気持ちを落ち着かせる

ただし、これらの方法は一時的な応急処置に過ぎないため、症状が落ち着いたタイミングで病院を受診しておいた方が安心です。
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