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肝疾患(胆道系疾患及び胆汁うっ滞を伴う)

肝疾患(胆道系疾患及び胆汁うっ滞を伴う)の治療について

肝疾患(胆道系疾患及び胆汁うっ滞を伴う)とは

肝疾患の中でも、胆道系疾患および胆汁うっ滞を伴う疾患は特に注意が必要です。胆汁うっ滞とは、肝細胞で作られた胆汁の分泌が障害され、肝内に胆汁が滞留し、体内に胆汁成分が蓄積する状態を指します。胆汁は肝臓で生成され、胆道系を通って十二指腸に排泄されますが、この経路のいずれかで流れが阻害されると胆汁うっ滞が生じます。

胆汁の流れが減少または停止すると、皮膚や白目が黄色くなる黄疸、皮膚のかゆみ、濃い色の尿、薄い色で悪臭のある便などの症状が現れます。胆汁うっ滞の原因としては、肝臓、胆管、膵臓の病気が考えられます。ビリルビンという色素が血流に入り、体内に貯留することで、これらの症状が引き起こされます。

原因を特定するためには、臨床検査や画像検査が必要です。治療法は原因に応じて異なりますが、かゆみを軽減する薬剤が有効な場合があります。胆汁うっ滞を引き起こす主な疾患には、原発性胆汁性胆管炎(PBC)や原発性硬化性胆管炎(PSC)があります。これらは肝内および肝外の胆管に影響を及ぼし、胆汁の流れを阻害することで肝機能不全や肝硬変に進行することがあります。

胆道系疾患および胆汁うっ滞は、肝臓の健康を維持するために早期発見と適切な治療が重要です。定期的な健康診断や肝機能検査を行うことで、早期に異常を発見し、適切な対策を講じることが求められます。

肝疾患(胆道系疾患及び胆汁うっ滞を伴う)

肝疾患(胆道系疾患及び胆汁うっ滞を伴う)の原因

原因①:急性肝炎

急性肝炎は主に肝炎ウイルスの感染が原因で発生し、肝機能の急性障害を引き起こします。自然経過で解消されることが多いですが、その間に胆汁うっ滞や黄疸が現れることがあります。

原因②:アルコール性肝疾患

アルコール性肝疾患は、長期間にわたる過剰な飲酒により肝臓が損傷を受ける病気です。肝細胞の壊死や炎症に伴い、胆汁の流れが妨げられ、胆汁うっ滞が発生することがあります。

原因③:原発性胆汁性胆管炎(PBC)

原発性胆汁性胆管炎(PBC)は自己免疫疾患で、肝内の小さな胆管が破壊され、胆汁の流れが停滞することで生じます。進行するとビリルビンが血管内に逆流し、全身の組織に沈着して黄疸を引き起こします。

原因④:妊娠肝内胆汁うっ滞(ICP)

妊娠肝内胆汁うっ滞(ICP)は妊娠中にホルモンバランスの変化により胆汁の流れが妨げられる状態です。血液中に胆汁酸が蓄積し、強いかゆみや黄疸を引き起こすことがあります。通常、妊娠後期に発生します。

原因⑤:薬物性肝障害

特定の薬剤が肝細胞に影響を与え、胆汁の分泌が妨げられることで胆汁うっ滞が生じます。アモキシシリン/クラブラン酸や経口避妊薬などが原因となることが多く、胆汁うっ滞が疑われる際には使用中止が必要です。

肝疾患(胆道系疾患及び胆汁うっ滞を伴う)の症状

胆汁うっ滞を伴う肝疾患は、主に、以下の症状を引き起こします。

・黄疸:黄疸は、過剰なビリルビンが皮膚や眼に沈着することで生じ、皮膚や眼が黄色くなります。これは、肝臓や胆管の異常によりビリルビンの排泄が障害されるためです。
・尿:胆汁うっ滞があると、ビリルビンが腎臓を通じて尿に排泄され、尿の色が濃くなります。これは、体内のビリルビン濃度が高いためです。
・便:胆汁の流れが阻害されると、便の色が薄くなります。脂肪の消化吸収が妨げられるため、脂肪が多く含まれた悪臭のある便(脂肪便)が出ることがあります。
・かゆみ:胆汁の成分が皮膚に蓄積することで全身にかゆみが生じます。このかゆみは強く、皮膚を引っかくことで傷ができることもあります。
・消化不良:胆汁が腸内に流れないと、脂肪の消化吸収が不十分になります。これにより、栄養素の吸収不良が起こり、カルシウムやビタミンDの欠乏が進行することがあります。

胆汁うっ滞が続くと、皮膚が土色になり、黄色い脂肪が沈着することがあります。また、腹痛、食欲不振、嘔吐、発熱などの症状が現れることもありますが、これらは胆汁うっ滞の原因によって異なります。

肝疾患(胆道系疾患及び胆汁うっ滞を伴う)の検査方法

肝疾患、特に胆道系疾患および胆汁うっ滞を伴う疾患の診断には、さまざまな検査方法が使用されます。以下に、代表的な検査方法を紹介します。

・血液検査:血液検査では、ビリルビン、アルカリホスファターゼ(ALP)、およびガンマ-グルタミルトランスペプチダーゼ(γ-GT)などの値を測定します。これらの値が高い場合、胆汁うっ滞や肝機能障害の可能性が考えられますが、血液検査だけでは原因を特定することはできません。
・画像検査:血液検査の結果に異常が見られた場合、画像検査が行われます。超音波検査が一般的であり、肝臓や胆管の異常を確認します。必要に応じて、CT検査やMRI検査が追加され、より詳細な画像を提供します。
・超音波検査:超音波検査は、肝臓や胆管の構造を非侵襲的に評価するために使用されます。リアルタイムで内臓の状態を確認できるため、胆汁うっ滞の診断に有効です。特に、胆管の拡張や結石の有無を詳細に調べることができます。
・肝生検:肝生検は、肝臓の組織を採取して顕微鏡で観察する検査です。画像検査で異常が確認された場合や、肝臓内の問題が疑われる場合に行われます。これにより、炎症や線維化の程度を直接確認し、診断を確定します。

これらの検査方法を組み合わせることで、肝疾患の正確な診断が可能となり、適切な治療方針を立てることができます。

肝疾患(胆道系疾患及び胆汁うっ滞を伴う)に有効な施術・治療方法

肝疾患や胆汁うっ滞の治療法は、その原因に応じて異なります。以下にいくつかの代表的な治療法を紹介します。

・アルコール性肝疾患と薬物性肝障害:共通して原因となる物質の摂取を避けることが基本となります。アルコール性肝疾患の場合、アルコール摂取を完全に中止することが肝機能の回復を促進します。薬物性肝障害の場合、医師の指示に従って原因となる薬の使用を中止すると、肝機能が改善され、胆汁うっ滞の症状も軽減されることが期待されます。これに加えて、栄養療法やビタミン補給も行われることがあります。
・妊娠胆汁性うっ滞(ICP):ICPの治療には、ウルソデオキシコール酸(UDCA)という薬が使用されます。UDCAは肝機能を改善し、血中の胆汁酸濃度を低下させる効果があります。さらに、分娩のタイミングを適切に管理することも重要です。ICPの管理において、胆汁酸濃度に基づいて適切な時期に分娩を行うことが推奨されます。
・胆汁うっ滞によるかゆみ:主にコレスチラミンという薬が用いられます。コレスチラミンは腸内で胆汁成分と結合し、その成分の再吸収を防ぐことで皮膚への刺激を軽減します。この治療により、患者のかゆみが和らぎ、生活の質が向上します。

このように、肝疾患や胆汁うっ滞の治療は原因に応じて多岐にわたります。

肝疾患(胆道系疾患及び胆汁うっ滞を伴う)のよくあるご質問

Q子供が胆汁性うっ滞を発症することはありますか?

A
子供も胆汁性うっ滞を発症することがあります。特に新生児や乳児においては、遺伝子異常が原因で胆汁うっ滞が生じることがよくあります。代表的な疾患として、「アラジール症候群」と「嚢胞性線維症」が挙げられます。

「アラジール症候群」は、小葉間胆管減少症による慢性胆汁うっ滞に特徴的な肝外症状を伴う遺伝性の肝内胆汁うっ滞症です。従来の臨床症状による診断では、肝臓、顔貌、心血管、眼球、椎体に異常が見られる場合を完全型(古典的)アラジール症候群とし、肝臓を含めて3つ以上の症状が見られる場合を不完全型アラジール症候群と分類します。この疾患は、遺伝子変異により正常な胆汁の生産と排出が妨げられることで発症します。

「嚢胞性線維症」も遺伝子変異が原因で発症し、粘り気の強い分泌物が肺やその他の臓器の働きを妨げます。この疾患では、腹部膨満や軟便、体重増加不良、せきや喘鳴(ぜんめい)などの症状が見られ、生涯にわたって気道感染症が頻繁に発生します。診断は汗検査や遺伝子検査によって行われます。嚢胞性線維症も胆汁うっ滞を引き起こすことがあります。

新生児の胆汁うっ滞は、これらの遺伝子異常やその他の遺伝子変異が原因で発生します。

Q胆汁うっ滞は胎児にどのような影響がありますか?

A
妊娠中に母体が胆汁うっ滞を発症すると、胎児にさまざまな影響が及ぶことがあります。まず、胆汁うっ滞は早産のリスクを高めます。研究によると、積極的な管理が行われた場合は早産の確率は30%から40%に達することが示されています。

さらに、胆汁うっ滞は死産のリスクも増加させます。胆汁うっ滞により子宮内胎児死亡のリスクが高まり、これが妊娠中の重大な懸念事項となります。また、胆汁うっ滞が原因で胎児が胎内で呼吸困難を起こす可能性もあります。出生後に呼吸窮迫症候群(RDS)を発症するリスクも増大します。

出生前の胎便の排泄も胆汁うっ滞の影響の一つです。胆汁うっ滞がある妊娠では、胎児が胎内で胎便を排出することがよくあり、これが出生時に合併症を引き起こす可能性があります。胎便が羊水に混ざることで、新生児の呼吸困難や感染症のリスクが高まることがあります。
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