水痘(水ぼうそう)の治療について
水痘(水ぼうそう)の治療についてとは
水痘(みずぼうそう)とは、水痘帯状疱疹ウイルス(varicella zoster virus, VZV)によって引き起こされる急性の発疹性疾患であり、特に子どもに多く見られる伝染性の高い病気です。水痘帯状疱疹ウイルスは飛沫感染や接触感染、さらには空気感染によっても広がり、感染力が強いウィルスとして知られています。潜伏期間は通常2週間程で、感染後は熱を伴う水ぶくれ型の発疹が全身に現れます。これらの発疹は初め赤い斑点として現れ、次に水疱、そして膿疱を経て痂皮(かさぶた)化し、自然治癒します。
水痘は日本では年間約100万人が発症し、その中で約4000人が入院、20人程度が死亡すると推定されています。特に小児では重症化しやすく、熱性痙攣や肺炎などの合併症を引き起こすことがありますが、成人においても水痘が発症すると重症化するリスクが高くなります。加えて、過去に感染した人でもウイルスは体内に潜伏し続け、免疫力が低下した際に帯状疱疹として再発する可能性があります。
日本では2014年から水痘ワクチンが定期接種化され、特に5歳未満の感染率が顕著に減少しています。このワクチン接種により、重症化や死亡のリスクを減少させることが可能であり、集団免疫の形成にも寄与しています。