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コロナ感染症

コロナ感染症の治療について

コロナ感染症とは

コロナ感染症は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)によって引き起こされます。このウイルスは、2019年に中国の武漢で初めて確認され、世界中に広がりました。感染のメカニズムは、主に感染者の咳や会話から生じる飛沫を通じて、またはウイルスに汚染されたものに触れた手で目や口、鼻を触ることによって起こります。

感染から発症までの期間は1〜14日で、感染力は発症前後に最も高くなります。重要なことは、無症状の人でも他人にウイルスを広げる可能性があるという点です。これは、鼻咽頭に症状がある人と無症状の人とでウイルス量に大きな差がないためです。

コロナ感染症

コロナ感染症の原因

原因①:コロナ感染症が発生した原因

コロナ感染症は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)が原因です。このウイルスは野生動物から人へ感染が広がったとされています。理由として、コウモリが自然宿主であると考えられ、人とコウモリの間に中間宿主が存在した可能性があります。具体的には、過去にジャコウネコやラクダが中間宿主として疑われたことがあります。このように、人獣共通感染により、ウイルスが人に飛び火したと考えられています。

感染初期において、どの動物が最初の感染源であったかは完全には特定されていませんが、野生コウモリが重要な役割を果たしていることは明らかです。

原因②:コロナウイルスに感染する原因(感染経路)

コロナウイルスの感染経路は、以下の3つです。

・エアゾル感染:空気中に漂う微細な粒子を通じて起こる感染経路のこと。人の口や鼻から発せられる唾液や鼻水が、会話や咳によって空気中に放出されることで形成されます。感染者が発したエアロゾルは、約5mもの距離から活性の新型コロナウイルスが検出され、密閉された空間や換気の悪い場所では感染が拡大しやすいでしょう。
・飛沫感染:咳やくしゃみから放出される飛沫を介してウイルスが広がる感染経路のこと。口や鼻、目といった露出した粘膜に直接付着することで、人から人へと感染が拡がります。
・接触感染:ウイルスが付着した手で目、口、鼻などの粘膜を触ることで感染する感染経路のこと。感染者の咳やくしゃみによって発生した飛沫が物の表面に付着し、その表面を触った人が手を介して自身の粘膜を触ることで、ウイルスが体内に侵入し感染が広がります。

コロナ感染症の症状と後遺症

症状

新型コロナウイルス感染症の症状には、発熱や乾性咳嗽、頭痛、筋肉痛、悪心などが挙げられます。これらは比較的多くの人に見られる症状ですが、感染者全員が同じ症状を示すわけではありません。また、味覚や嗅覚の異常、倦怠感、下痢などを伴うこともあります。重症化すると、肺炎を発症し、息苦しさを感じることがありますが、これは発症から約8日後に多く見られます。

オミクロン株の場合、のどの痛み、咳、鼻水などの症状が多く、潜伏期間は約3〜7日です。なお、20〜40%の感染者は無症状であり、特に高齢者や持病を持つ人は重症化しやすいとされています。

後遺症(罹患後症状)

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の後遺症は、「長引くコロナ」「ロングCOVID」とも呼ばれ、感染後数週間から数ヶ月にわたって様々な症状が持続する場合があります。これらの症状は、軽度から重度まで幅広く、感染の重症度とは必ずしも関連していません。つまり、軽症であっても後遺症に苦しむことがあります。

主な後遺症には以下のようなものがあります。

・疲労感:最も一般的な症状の一つで、持続的な疲れや活動後の回復が遅い。
・呼吸困難:深く息を吸うことの困難、運動時の息切れ。
・集中力の低下や記憶障害:「ブレインフォグ」とも表現され、思考がぼんやりする、集中が続かない、物忘れが多くなるなど。
・味覚や嗅覚の変化または喪失:完全には回復しない場合もある。
・睡眠障害:入眠困難、睡眠の質の低下。
・心臓関連の問題:動悸、胸痛など。
・筋肉痛や関節痛:特に運動後に症状が悪化することがある。
・気分の変化:うつ症状、不安、イライラなど。

後遺症の治療には症状に応じた支援が必要であり、身体的な症状だけでなく、心理的なサポートも重要です。

コロナ感染症に有効な施術・治療方法

治療①:軽症の場合

コロナ感染症における軽症とは、以下の状態を示します。

・SPO2(酸素飽和度)≧ 96%
・呼吸器症状がないか、もしくはあったとしても肺炎初見がない

これら軽症の場合は、主に自宅での療養が推奨されます。これは、咳のみの軽い症状で、呼吸器に関する重篤な問題や肺炎が確認されない場合が多いためです。治療にあたっては、安静にすることと水分補給を心がけることが大切です。また、症状に応じて解熱鎮痛剤や咳止め薬などの対症療法が有効です。

しかし、重症化のリスクが高い人、例えば慢性腎臓病や肥満を抱えている人は、軽症であっても入院治療が必要になることがあります。このような場合、中和抗体薬や抗ウイルス薬による薬物治療が検討されることもあります。

治療②:中等症の場合

コロナ感染症における中等症とは、以下の状態を示します。

・「93% < SpO2(酸素飽和度) < 96%」または「SpO2 ≦ 93%」
・呼吸困難,肺炎所見があり、慎重に観察していく必要がある状態
・酸素投与が必要な状態

これら中等症の場合は、肺炎が見られますが、呼吸不全には至っていないなら抗ウイルス薬による治療が考えられます。自宅療養の可能性もありますが、医師が状況を総合的に判断し、必要に応じて入院することもあります。

一方、肺炎により自力での呼吸が難しくなり、酸素投与や抗ウイルス薬、抗炎症薬による治療が基本となります。また、入院して酸素療法や薬物治療を受ける必要があります。

治療③:重症の場合

コロナ感染症における重症とは、以下の状態を示します。

・自力で呼吸ができない
・人工呼吸器による強制換気が必要な状態

コロナ感染が重症化すると、自力での呼吸が難しくなり、重症患者には人工呼吸器の使用や、さらに状態が悪化した場合にはECMO(体外式膜型人工肺)を用いることがあります。特に、オミクロン株の流行以降、肺だけでなく他の臓器に障害が出ることもあり、治療には集中治療室での処置が必要になることも少なくありません。

コロナ感染症治療のポイント

ポイント①:早期発見・早期治療

コロナ感染症を早期に発見して適切な治療を受けることは、症状の悪化を防ぎ、回復へと導くために非常に重要です。発熱や咳、味覚・嗅覚の異常など、軽微な症状が見られた場合でも、早めに医療機関に相談しましょう。

自宅療養が適切と判断された場合は、指示に従って安静にすることが求められます。また、体調の変化には常に注意を払い、異変を感じたら直ちに医療機関に連絡することが大切です。中等症〜重症だった場合は治療介入が早ければ早いほど治療期間を短縮できます。

また、コロナ感染症による後遺症も早期治療を行えば、軽症で済む可能性が高いことが分かっています。

ポイント②:自己管理

自宅療養中は十分な休息を取ること、水分をこまめに摂ることが重要です。特に発熱や咳が続くと脱水症状や咳により夜間まとまった睡眠時間が確保できない可能性があります。体力を消耗すると免疫力が低下し、コロナウイルスと闘えず重症化するリスクは高まるでしょう。

また、健康状態の記録をつけることで、体調の変化を正確に伝えられるようにしましょう。発熱がある場合は、解熱剤の使用や冷えピタなどで快適な体温を保つことも効果的です。周囲の人とは距離を保ち、十分な換気(窓を5〜10cm開けて換気)を心がけることで感染拡大のリスクを下げることができます。

ポイント③:適切な薬剤の使用

医師から処方された薬は、指示された通りに正確に使用しましょう。特に症状が落ち着いてきたからといって自己判断で薬を増減したり、中断したりするのは危険です。なぜなら、これらの行動はかえって症状の悪化や回復期間を遅らせることになるからです。

処方された薬を服用する際の注意点は以下にまとめました。

・用法用量を守る
・処方通りに内服して最後まで飲み切る
・飲み合わせに注意する
・副作用が現れたら、すぐ医師に相談する

また、市販の風邪薬やサプリメントを使用する際にも、医師や薬剤師に相談することが重要です。不要な副作用や飲み合わせが悪かったり、治療の妨げになったりするリスクがあります。

コロナ感染症のよくあるご質問

Qコロナ感染症における濃厚接触者とは、どのような人のことを示しますか?

A
濃厚接触者とは、感染者と特定の条件下で接触した人のことを指します。濃厚接触者の具体的な定義については、国立感染症研究所のものが参考になります。

・患者(確定例)と同居あるいは⻑時間の接触(⾞内、航空機内等)があった者
・適切な感染防護無しに患者(確定例)を診察、看護もしくは介護していた者
・患者(確定例)の気道分泌物もしくは体液等の汚染物質に直接触れた可能性が⾼い者
・その他:⼿で触れることのできる距離(⽬安として1メートル)で、必要な感染予防策無しで、患者(確定例)と15分以上の接触があった者(周辺の環境や接触の状況等個々の状況周辺の環境や接触の状況等個々の状況から患者の感染性を総合的に判断する)。
(引用:日本医師会)

Qコロナ感染症の検査にはどのようなものがありますか?

A
コロナ感染症の検査は3種類あります。

・核酸検出検査(PCR法):現在感染しているかを確認する検査です。測定対象はコロナウイルスのRNAであり、唾液や鼻やのどの粘液を採取します。検査結果が出るまでに「1〜4時間」ほどかかりますが、精度の高い検査として知られており、確定診断などに用いられます。
・抗原検査:現在感染しているかを確認する検査です。測定対象はコロナウイルスのタンパク質であり、核酸検出検査と同様に、唾液や鼻やのどの粘液を採取します。検査結果まで「15〜30分」ほどかかります。
・抗体検査:過去に感染したかを確認する検査です。測定対象は人のタンパク質(ウイルスに対する抗体)であり、血液検査にて行われます。

Qコロナ感染症の予防法はありますか?

A
コロナウイルスを人から貰わない、人に移さないためにも、手洗いやうがい、アルコール消毒などの感染予防行動をとるとともに、マスクを着用してソーシャルディスタンスを維持しましょう。

また、万が一感染した場合でも、重症化の予防や感染の拡大の観点からワクチン接種が有効です。予防法を通じて自分自身だけでなく、周りの人々を守れるようにしましょう。
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