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脱水症

脱水症の治療

脱水症とは

脱水症は、体内の水分と電解質が不足することです。人間の体の水分率は、子どもが「70〜80%」、大人で「60%」、お年寄りで「50%」と言われており、年齢によって多少の差はあるものの大部分が構成されています。そのため、水分のバランスを保つことが非常に重要です。

体液は血液や唾液など、日常生活で必要不可欠な機能を果たしていますが、これが不足すると体の様々な機能に障害が出ます。例えば、栄養素の運搬が滞ったり、体温の調節が上手くいかなくなったりするのです。

具体的には、わずか1〜2%の水分量の減少でも、下痢や嘔吐、微熱といった脱水症状が現れることがあります。このように、日常生活でのちょっとした変化が脱水症を引き起こすこともあるため、水分補給の重要性を認識し、適切な対策を取ることが大切です。

脱水症

脱水症の4つの原因

原因①:体内の水分量の減少

脱水症は、体内の水分量が不足することで起こります。

発汗:暑い夏場や運動後など大量に汗をかくと、水分量が減少しやすくなる
加齢:年齢を重ねることで筋肉量が減り、水分の保持能力が低下する。また、嚥下障害や食事量の減少も、水分摂取が困難になるケースもある
発熱:風邪などで発熱をすると発汗が進む一方で、嘔吐や咳などにより水分摂取が不十分になり、脱水症になることもある

これらが原因で体内の水分量のバランスが崩れると脱水症を発症します。

原因②:腎臓の機能が弱っている

腎臓の機能が低下することが挙げられます。腎臓は、私たちの体内で水分量を調整し、水分や電解質のバランスを保つ重要な役割を果たしています。具体的には、余分な水分や老廃物を尿として排出することで、体内の水分量を適切に保っています。

しかし、腎機能が低下すると、このバランス調整能力が衰え、体内の水分や電解質が適切に管理されなくなります。

例えば、乳児は腎臓の機能が未熟である一方、加齢によって腎臓の機能が低下します。体内に必要な水分や電解質を保持する力が弱まり、体液のバランスが崩れ、脱水症を引き起こしやすくなるのです。さらに、水分の調節がうまくいかないために、水分が不足しがちになるという点も、脱水症の原因の一つとして考えられています。

原因③:喉が乾いたことに気づきにくい

年をとると体の水分バランスを調節する機能が低下するためです。

具体的には、加齢に伴い、体内の水分量を感知するセンサーの感度が低下します。これは、脳の一部である視床下部にある水分バランスを調節するセンターの機能が衰えるためと考えられています。この結果、体内の水分が不足しても、喉の渇きというサインを感じることが難しくなります。

また、加齢とともに水分・食事摂取量が減ることや、認知機能の低下から水分摂取をしたかを忘れたまま長時間過ごしていることも考えられます。

原因④:薬の影響

血圧を下げる降圧薬や利尿薬で脱水症になることがあります。なぜならこれらの薬は、体内の余分な塩分や水分を尿として排出させる作用があるからです。

具体的な薬とその影響については、以下の通りです。

・利尿薬・降圧薬:これらを服用することで尿の量が増え、体内の必要な水分や塩分が不足する
・糖尿病治療薬:代表的な薬にSGLT2阻害薬がある。尿による余分な糖分の排出を促すことで、血糖値を下げる効果がある。同時に大量の水分も体外に排出されるため、脱水症に陥りやすい
・便秘薬:大腸で吸収される水分量を抑えて便を軟らかくする緩下剤や、腸の蠕動運動を促す刺激性下剤で排便過多になると、体内水分量が減って脱水症になる

これらの薬を服用している場合、脱水症に注意が必要です。

脱水症の代表的な4つの症状

症状①:口腔・喉・皮膚が渇く

脱水症が起きると、体は水分を節約しようとします。その結果、唾液の生産が減少し、口の中や唇が乾燥するのです。通常、唾液は口の中を湿らせる役割があり、消化の手助けもします。

しかし、脱水状態では水分を他の重要な器官へ優先的に送るため、唾液腺からの分泌が減少、皮膚への水分供給が削減され、その結果、口が渇いたり、皮膚が乾燥したりします。

症状②:尿量の減少と尿の色が濃くなる

脱水症によって尿の量は減り、尿が濃くなります。これは体が水分を保持しようとするためです。腎臓は水分を血液から再吸収し、水分の喪失を抑える役割を担います。特に、抗利尿ホルモンの分泌が活発になり、これが腎臓の水の再吸収を促すのです。

尿の色も脱水症のチェックに役立ちます。通常、尿は薄い黄色ですが、水分不足により濃い黄色から茶褐色へ変わります。ただし、朝の尿が濃いのは自然なことです。その一方で、日中も尿色が濃い場合は注意が必要でしょう。

症状③:頭痛

脱水症で頭痛になる原因は、以下の通りです。

・血液循環の悪化:私たちの体は、内部の水分を「細胞内液」と「細胞外液」の2種類に分類されます。そして「細胞外液」は主に血液であり、約90%が水分です。水分が足りなくなると、血液は濃くドロドロになり、頭部の血流が滞ります。その結果、血管が広がった後に脳の神経に圧力がかかり、頭痛が引き起こされます。
・脳への酸素供給が不十分:血液循環の悪化して脳血流量が低下すると酸素不足となり、脳内の血管が拡張します。その影響で血管周囲の神経が刺激されて炎症を起こし、頭痛になります。
・ミネラルバランスの崩れの崩れ:体液を調整するナトリウムやマグネシウムなどのミネラルのバランスが崩れると、血液中の酸素濃度が下がったり、血管が収縮したりして頭痛を引き起こすことがあります。

症状④:めまい、ふらつき

立ち上がる際に脳への血流が一時的に減少し、めまいやふらつきが生じることがあります。特に、立ち仕事をしている人や高齢者は、急な立ち上がりや長時間の立ち仕事をする際に注意が必要です。

また、血流や血圧の低下は、顔から血色が失われ、立ちくらみや一時的な失神を引き起こすことがあります。これらは熱失神の症状として知られています。さらに、呼吸が速くなり、脈が速く弱くなるほか、唇のしびれなどもあります。

脱水症に有効な施術・治療方法

治療法①:経口補水

脱水症の治療には、経口補水が一般的な方法として挙げられます。軽度の場合、水分を多く摂取することで対応可能ですが、中程度から重度の脱水症には電解質の補給が必要になります。

経口補水液は水分と電解質のバランスを考慮して作られており、ドラッグストアで容易に手に入ります。特に、ナトリウムやカリウムなどの電解質を含んだ製品は、体液のバランスを整えるのに役立ち、脱水症状に効果的であるだけでなく、水分吸収を促進して体内の潤いを取り戻す効果も期待できます。

また、下痢が原因であっても水分の吸収を助け、迅速に体内に水分を補給することが可能です。

治療法②:輸液療法

経口摂取が難しい重症脱水症には、輸液療法が行われます。脱水の種類による輸液療法の違いについては以下の通りです。

・高張性脱水(水分欠乏型脱水)は、細胞内の水分が減少してしまう症状であり、適切な治療が求められます。このタイプの脱水症には、5%ブドウ糖溶液を用いた点滴治療が有効です。これは、血管内だけでなく、間質や細胞内にも水分を補充するためです。一方で、血糖値が上昇しやすく、浸透圧利尿によるさらなる脱水のリスクがあるため注意が必要です。
・低張性脱水(Na欠乏型脱水)は、体外に比べて細胞内のナトリウム濃度が高くなることで、細胞外液が減少する症状です。この状態は、発汗や嘔吐、下痢などで体液を失った後、水分だけを補給した場合によく見られます。そのため、治療には細胞外液を増やす輸液療法が必要とされます。一方、ナトリウムが足りなくなることで、頭痛やめまい、立ちくらみなどの症状が現れることもあるため注意が必要です。

脱水症のよくあるご質問

Q脱水症になりやすい人はいますか?

A
脱水症になりやすい人は高齢者や乳幼児、激しい運動をするアスリート、慢性疾患を持つ人です。これらの人々は体の水分バランスを保つ機能が低下しているため、少しの水分不足でも脱水症状を引き起こしやすくなります。

例えば、高齢者は感覚が鈍く水分不足を感じにくく口渇感に気づかず過ごしていたり、乳児などの小児は腎臓機能が未熟であるため体内の水分調整が上手くできなかったりします。

また、激しい運動によりいつもよりも多く発汗した後や熱中症など他の症状と合併して発症するケースもあるので注意しましょう。

Q脱水症で病院に行くべきタイミングはいつですか?

A
脱水症で病院に行くべきタイミングは、激しい嘔吐や下痢が続き、自宅での水分補給が追いつかない場合や、意識がもうろうとする、極度の疲労感がある場合です。これらの症状は脱水症が進行しているサインであり、速やかな医療介入が必要となります。

受診する診療科は内科です。状況によっては点滴治療やその他薬剤を使用することもあるため、ご家族に送迎をお願いするか、タクシーなどを利用して受診する方が良いでしょう。

Q脱水症から回復するのにどれくらいの時間がかかりますか?

A
軽度から中等度の脱水は1日以内に回復する可能性があります。この回復期間は、脱水の原因が解消され、必要な水分を補給できるかに依存します。例えば、暑い日に外で過ごした後や、スポーツをした後に水分をしっかり取ることが、脱水症の予防につながります。

一方で、重度の脱水症の場合や、長時間水分を取らなかった場合は、病院での治療が必要になり、回復には通常2〜3日かかることもあります。脱水症の治癒期間は、その原因や症状の重さ、個人の健康状態によって異なりますが、早期に適切な対応をすることで、回復を早めることが可能です。
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