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糖尿病

糖尿病の治療

糖尿病とは

糖尿病は、インスリンというホルモンが十分に働かないために、血液中のブドウ糖(血糖)が増えてしまう病気です。これは、血糖値が高い状態が続くことによって引き起こされます。

インスリンは膵臓から分泌され、血糖値を一定の範囲に保つ役割を担っています。ご飯やパン、果物などの炭水化物を食べると、それらは消化・吸収されてブドウ糖となり、血液中に入ります。通常、血糖値が高くなるとインスリンが分泌され、血糖をエネルギーに変換し、血糖値を正常範囲(約70〜120mg/dl)にコントロールします。

しかし、肥満や食べすぎ、運動不足などが原因でインスリンの分泌や働きが不十分になると、糖尿病が発症します。

糖尿病

糖尿病の原因

1型糖尿病は、膵臓の細胞からのインスリン分泌が弱くなることで発症します。一方の2型糖尿病は、インスリン分泌が弱くなったり、インスリンが効きにくくなったりすることが原因と考えられています。特に2型糖尿病は遺伝的要素に加え、生活習慣が大きく影響しています。

例えば、運動不足や過食、特に高脂肪食の摂取が多いと、体内でのインスリンの効き目が悪くなります。この状態を放置すると、血糖値が高くなり糖尿病を引き起こす可能性があります。また、内臓脂肪の増加も糖尿病のリスクを高めるため、体形に関わらず注意が必要です。

糖尿病の症状

糖尿病の症状には以下のようなものがあります。

・頻繁に尿意を感じる
・普段よりも多くの水分を摂取するようになる(多飲)
・体重が理由なく減少する
・常に疲れやすい
・視力がぼやける
・傷が治りにくい
・手足にしびれや痛みを感じる(神経障害の兆候)
・皮膚感染症や尿路感染症が頻発する

これらの症状は、糖尿病の代表的な症状であり、血糖コントロールができていないことで生じます。

糖尿病の2つの種類

種類①:1型糖尿病

1型糖尿病は、自己免疫反応によって膵臓のインスリンを作るβ細胞が破壊されることで起こります。このため、インスリンの分泌が極端に少なくなり、外部からのインスリン補給が必要になります。1型糖尿病は、特に若年層に多いとされていますが、実際にはあらゆる年齢で発症する可能性があります。

世界的に見ても、糖尿病患者の約5%がこの1型糖尿病に該当し、日本国内でも約10万人がこの状態にあります。1型糖尿病の治療には、食事療法や運動療法だけでは不十分で、生涯にわたってインスリン治療を続ける必要があります。これは、体内でインスリンがほぼ作られないため、血糖をコントロールするために外部からインスリンを補給しなければならないからです。

種類②:2型糖尿病

2型糖尿病は、過食や運動不足などの生活習慣や肥満が原因でインスリンの効きが悪くなることが主な原因です。また、遺伝的にインスリン分泌が低下しやすい体質を持つ人も多くいます。これらの要因が組み合わさることで、インスリンが不足し血糖値が上がります。

日本では多くの人がこの病気にかかっており、平成9年度の調査では、糖尿病が強く疑われる人が690万人、診断されていない人も含めると1000万人以上いると推定されています。初期には症状が出にくいため、健康診断で初めて指摘されることが多いです。

糖尿病を放置すると、網膜症や腎症、神経障害などの合併症を引き起こし、失明や透析治療が必要になることもあります。また、脳や心臓の病気のリスクも高まります。早期発見と適切な治療が重要です。

糖尿病の合併症

合併症①:糖尿病性網膜症

糖尿病網膜症は、糖尿病が長期間にわたって引き起こす眼の合併症です。この病気が目の網膜にダメージを与え、視力低下を招くことがあります。網膜は、見たものを脳に伝えるために不可欠な部分で、ここに障害が出ると視界がぼやけたり、最悪の場合、失明に至ることもあります。

糖尿病は、血糖値の制御がうまくいかず、高血糖が続く状態を指します。高血糖が持続することで、網膜の細かい血管がダメージを受け、その結果、視力に影響を及ぼします。初期には自覚症状がないことが多く、症状が進行して初めて気付くケースも少なくありません。

合併症②:糖尿病性神経障害

糖尿病性神経障害は、高血糖状態が長期間続くことで末梢神経が障害を受けるために発生します。具体的には、手足のしびれや痛み、異常な冷感などが初期症状として現れます。

糖尿病性神経障害の主な原因は、高血糖による神経細胞の変化や血流不足です。これにより、感覚神経、自律神経、運動神経が次々に影響を受けます。感覚神経の障害では、痛みや触覚が鈍くなり、ピリピリとした異常な感覚が生じます。自律神経の障害では、立ちくらみや胃の不調、発汗障害などが見られます。運動神経の障害では、筋肉の萎縮や力の低下が生じます。

また、症状が進行すると、傷や火傷に気付かずに放置してしまい、感染が広がりやすくなります。重篤な場合には壊疽(えそ)に至り、足の切断が必要になることもあります。

合併症③:糖尿病性腎症

糖尿病性腎症とは、糖尿病による高血糖が長期間続くことで、腎臓の細小血管が傷つき、その機能が低下する病気です。この状態が進行すると、腎不全に至り、血液透析が必要になる場合があります。

糖尿病が原因で起こる細小血管症により、腎臓のフィルター役割を果たす糸球体がダメージを受けます。初期段階では自覚症状がないため、気づかないうちに病気が進行してしまうことがあります。症状が出始めると、むくみや貧血、高血圧などの問題が現れます。

日本では、新規透析患者の約43.5%が糖尿病性腎症が原因であり、その数は増加傾向にあります。これは、糖尿病の患者数の増加に伴うもので、毎年1万人以上の患者が透析治療を開始しています。

糖尿病に有効な施術・治療方法

治療法①:食事療法

食事療法は血糖値を安定させ、健康を維持するために欠かせません。この治療法では、適切なカロリー摂取と栄養バランスを心がけることが重要です。このアプローチにより、血糖値の急な変動を防ぎ、合併症のリスクを減らすことができます。

例えば、バランスの取れた食事には、全粒穀物や野菜、果物、そして低脂肪のタンパク質が含まれます。また、食物繊維は血糖値の上昇を緩やかにし、糖質の適切な管理は急激な血糖値の上昇を防ぐために役立ちます。定期的な食事も血糖値の安定に寄与します。

糖尿病患者にとって、食事療法は単にカロリー制限ではなく、必要な栄養素を適切に摂取することが目的です。健康的な食習慣を身につけることで、過食や偏食を避け、適切な食事量を心がけることが大切です。これは特別な食事をすることではなく、日常生活における正しい食習慣の実践です。

治療法②:運動療法

運動療法は、血糖値を下げ、体重を減らす効果があります。その理由は、運動によって血液中のブドウ糖が筋肉に取り込まれやすくなり、インスリンの働きが高まるためです。これにより、エネルギーの摂取と消費のバランスが改善され、減量効果が期待できます。

具体的には、有酸素運動を行うことが推奨されています。例えば、ウォーキング、自転車、水泳などが効果的です。これらの運動は、1回に20〜40分行い、週3回実施するのが良いとされています。特にウォーキングは、場所時間を選ばず続けやすいでしょう。1日1万歩を目安にすると、160〜240kcalの消費が期待できます。

運動療法を続けることで、インスリンが効きやすい体になるだけでなく、血液の循環が良くなり、高血圧や脂質異常症の改善にも役立ちます。

治療法③:薬剤療法(内服薬)

糖尿病治療には、様々な経口薬が用いられ、以下の3つに分類されます。

・インスリンの分泌を増やす薬:スルホニル尿素剤や速効型インスリン分泌促進剤があります。これらは膵臓に作用し、インスリンの分泌を促進することで血糖値を下げます。特に、インスリンをある程度出す力が残っている人に効果的です。

・インスリンの作用を改善する薬:ビグアナイド剤やチアゾリジン剤が含まれます。これらは肝臓での糖新生を抑制したり、筋肉でのインスリン感受性を高めたりすることで、血糖値を下げる効果があります。

・糖の吸収と排泄を調整する薬:αグルコシダーゼ阻害剤があります。この薬は小腸での糖の吸収を遅らせることで、食後の血糖値の急激な上昇を防ぎます。

糖尿病の薬剤治療は、食事や運動療法と併用しながら、医師の指示に従って正確に服用することが重要です。

治療法④:薬剤療法(注射薬)

インスリン注射は血糖値を下げるホルモン剤であり、特に1型糖尿病の方にとっては欠かせない治療法です。

インスリン注射は、膵臓からのインスリン分泌が不足している場合や、インスリンの効果が弱い場合に使用されます。これにより、血糖値の管理が可能になります。インスリン製剤には、食前に使用する超速効型や速効型、1日中の血糖値を管理するための中間型や持効型など、さまざまな種類があります。これらは、糖尿病の状態や生活スタイルに応じて使い分けられます。

具体的には、超速効型インスリンは食事直前に注射し、10〜20分で効果が現れ、3〜5時間持続します。中間型インスリンは朝食前に注射し、30分〜3時間で効果が現れ、18〜24時間持続します。持効型インスリンは1日中の血糖値を管理するため、1〜2時間で効果が現れ、ほぼ1日持続します。

インスリン以外にも注射の治療薬があります。

・マンジャロ:血糖値を下げる効果がある
・オゼンピック:食事の後の血糖値をコントロールし、食欲を抑える効果が期待できる
・サクセンダ:血糖値の管理に加えて、体重減少をサポートする

これらの薬は、インスリンと同様に、糖尿病の状態や患者の生活スタイルに応じて適切に選択されます。

糖尿病のよくあるご質問

Q外食が多いため、何か工夫できることはありますか?

A
外食が悪いというよりは、食事のバランスが崩れることが糖尿病の悪化につながります。そのため、一品料理ではなく定食などバランスの取れたメニューを選ぶようにしましょう。

その際は、いつもよりも野菜を多めにすることや油料理を減らすなど心がけることも工夫できるポイントになります。

Q糖尿病の人が仕事で気をつけることを教えてください。

A
糖尿病の方が仕事をする上で気をつけることは、以下の3点です。

・職場への情報共有:同僚や上司に糖尿病であることを伝え、病気に対する理解を得ておく。万が一低血糖や高血糖の症状が出たときに助けを求めやすくなります。
・職場の環境調整:座りがちな仕事の場合、定期的に立ち上がって軽い運動をすることが推奨されます。また、職場に冷蔵庫がある場合は、インスリンや食事を保管できるようにしておくと便利です。
・定期受診への理解:糖尿病は定期的に受診し、 経過観察が必要な病気です。 悪化や合併症予防のためにも必要な受診ができるように職場に相談しておきましょう。

Q糖尿病は完治しますか?

A
糖尿病は現時点で完全に治すことは難しい病気です。しかし、1型糖尿病であれば適切な治療を継続することで血糖コントロールをしつつ、健康的な生活を送ることができます。2型糖尿病についても早期治療介入と原因となる生活習慣の改善(食事療法、運動、体重管理)により、寛解(症状が治まった状態)を維持して、糖尿病ではない方と同じレベルでの生活を送ることが可能です。
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