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オムツかぶれ

オムツかぶれの治療について

オムツかぶれとは

オムツかぶれ、医学用語では「おむつ皮膚炎」とも呼ばれ、おむつが触れる部分に発生する接触性皮膚炎です。主に尿や便による刺激、おむつの摩擦や蒸れによって引き起こされます。赤ちゃんの皮膚は非常にデリケートで外部の刺激に弱く、7~8割程度の赤ちゃんはオムツかぶれを経験すると言われています。症状としては、赤みやひりひり感、ポツポツとした湿疹やただれがおむつに接触している部分に現れることが特徴です。症状が悪化すると、強いかゆみや痛みを伴い、場合によっては血がにじむこともあります。予防としては、おむつの交換をこまめに行い、皮膚を清潔に保つことが重要です。また、皮膚をこすらずに優しく扱うことも、刺激を抑えるために効果的です。赤ちゃんの皮膚健康を守るためには、日常のケアが非常に大切となります。

オムツかぶれ

オムツかぶれの原因

オムツかぶれの原因①:ムレ

オムツ内はおしっこやうんちにより湿度が高くなり、これが皮膚のふやけや刺激につながります。特に最近の紙おむつは吸水力が高いため、表面は乾燥して感じられますが、内部は水分を大量に保持しているため、ムレやすい状態が生じます。これにより、赤ちゃんのデリケートな肌はさらに傷つきやすくなり、微細な傷から細菌やカビが侵入しやすくなり、かぶれのリスクを高めます。

さらに、活発に動くことで赤ちゃんは汗をかきますが、この汗もムレを促進し、おむつかぶれを引き起こしやすくします。季節に関わらず、夏は高温多湿、冬は室内の暖房による過保湿など、年間を通してムレによる皮膚トラブルに注意が必要です。

オムツかぶれを防ぐためには、こまめなおむつ替えと適切な室温調整、赤ちゃんの皮膚に優しいおむつの選択が重要です。

オムツかぶれの原因②:おしっこ・うんち

おしっこやうんちにはアンモニアや酵素など、皮膚に刺激を与える成分が含まれています。

これらの刺激物が肌に触れることで肌のpHバランスが崩れ、皮膚がアルカリ性に傾きます。この状態は微生物の増殖を促し、うんちの酵素が活性化することでさらに肌へのダメージを増大させます。また、おむつ内部の湿度が高まると、赤ちゃんの皮膚がふやけてさらに敏感になり、これらの刺激を受けやすくなります。

特に新生児や離乳食前の赤ちゃんは、水分を多く含んだゆるいうんちをしやすく、その状態が蒸れにつながり、おむつかぶれを引き起こすリスクを高めます。

下痢の場合はうんちの刺激がさらに強くなり、おむつかぶれが生じやすくなるため、おむつの交換を頻繁に行い、常に清潔で乾燥した状態を保つことが重要です。

オムツかぶれの原因③:摩擦

おむつのギャザーや縁が赤ちゃんのデリケートな皮膚に密着し、動きによって摩擦が生じることがオムツかぶれの一因となります。また、おむつ替え時におしりを拭く際の強い力も肌への刺激となり、かぶれのリスクを高めます。

赤ちゃんの肌は非常に薄く敏感であるため、おむつの摩擦やおしり拭きの使用方法には注意が必要です。お腹や足の周りのおむつのギャザー部分も特に注意が必要で、摩擦による刺激がかぶれを引き起こしやすい箇所です。

おむつかぶれを防ぐためには、おむつやおしり拭きを使用する際には力を入れすぎず、優しく拭くことが大切です。また、サイズが合わないおむつの使用を避け、適切なサイズのおむつを選ぶことも重要です。

オムツかぶれの症状

オムツかぶれは、おむつが直接触れる部位での皮膚炎症を特徴とします。特に肛門周辺、外陰部、下腹部、および太ももの付け根など、おむつカバーの縁が接触する部分で赤みが生じることが多いです。おむつがあたる部位全体が赤くなることもあり、小さな発疹(丘疹)、皮膚の乾燥やカサつきも見られます。症状が進行すると、皮膚の表面が剥けてただれたり、かゆみや痛みを伴うことがあります。

初期の段階では、赤ちゃんがおしりに手を持って行ったり、おしり拭きで拭く際に痛がったりするなど、かゆみやヒリヒリ感を感じている兆候が見られます。これらの兆候はオムツかぶれの初期症状のサインとして認識するようにしましょう。症状が進むと、炎症が悪化し、ただれた皮膚に水ぶくれや膿が見られ、さらに悪化すると出血を伴うこともあります。入浴や排尿がしみるため、赤ちゃんは入浴時や排尿時に痛みで泣くことが多くなります。

このような症状に気付いたら、すぐに対処を行うことが大切です。正しいおむつの使い方、頻繁なおむつ替え、おしり拭きの優しい使用が予防と早期治療につながります。症状の改善が見られない場合は、皮膚科の専門医に相談し、適切な治療を受けることが勧められます。

オムツかぶれに有効な施術・治療方法

オムツかぶれの治療法

オムツかぶれの治療は症状の重さに応じて異なります。軽症の場合は、保湿剤や亜鉛華軟膏(あえんかなんこう)を使用することが一般的です。これらの薬剤は患部を保護し、刺激物質が直接皮膚に触れるのを防ぎます。かぶれた部分は清潔に保ち、おむつ替え後や入浴後には軟膏を塗り直すことが有効です。

症状が強い場合や改善が見られない場合は、医師の指導のもとでステロイド外用剤を使用することがあります。ただし、赤ちゃんの皮膚は非常に敏感であるため、自己判断でのステロイド使用は避け、必ず専門医の診断を受けることが重要です。特に炎症がひどく、ただれや水ぶくれが見られる場合は速やかに医療機関を受診してください。

また、カンジダというカビが原因である「カンジダ症」がおむつかぶれに似た症状を引き起こすことがあります。この場合は、カンジダに効果的な抗真菌薬が必要です。カンジダ症は赤い斑点や皮膚のめくれが特徴的で、通常のおむつかぶれの薬では改善が見られない場合が多いです。いずれの治療も、患部の状態を定期的に観察し、必要に応じて治療方法を調整することが大切です。

オムツかぶれのよくあるご質問

Qカンジダとオムツかぶれを見分ける方法

A
オムツかぶれとカンジダ皮膚炎は似ているようでいて、実際は異なる特徴を持っています。オムツかぶれは主におむつが直接接触する皮膚の部分に炎症が見られ、赤みやただれが発生します。これに対し、カンジダ皮膚炎はオムツが直接触れていない部分、例えば股のヒダやおむつの外側のシワの間にも炎症が広がることが一般的です。

カンジダ皮膚炎は、赤ちゃんの身体の折り畳み部分や皮膚が常に密接する部位に特有の赤みやヌルヌルとした発疹が見られることが特徴です。さらに、この状態は湿った環境や体温の高さからカンジダ菌が繁殖しやすくなります。カンジダ皮膚炎では、わきの下や背中のような汗をかきやすい部分にも症状が見られることがあり、口の中に白いコケのようなものが見られる場合もあります。

このように、カンジダ皮膚炎はおむつかぶれと異なり、より広範囲にわたる炎症や特定の症状を伴う病気といえます。

Qオムツかぶれになっても入浴することはできますか?

A
オムツかぶれがある場合でも、入浴は可能ですが、症状を悪化させないための工夫が必要です。おむつかぶれのある部分は炎症を起こしており、敏感になっています。入浴時には、ぬるめのお湯を使用し、低刺激性の石鹸を泡立てて、患部をやさしく洗うことが重要です。石鹸が患部にしみることがあるため、刺激の少ないものを選び、泡で優しく洗い流すようにしましょう。

入浴後は、お肌が非常にデリケートな状態になっているため、保湿剤を使用して十分に保護することが勧められます。ワセリンなどの皮膚保護作用のある保湿剤を患部に塗ることで、皮膚を落ち着かせ、保護する効果が期待できます。

Q高齢者にもオムツかぶれが見られることはありますか?

A
高齢者の場合もオムツかぶれを発症することは十分に考えられます。長時間のオムツ着用は、高温多湿な状態を作り出し、これが陰部の雑菌の繁殖を促進します。高齢者の肌は新陳代謝が低下しており、汗や皮脂の分泌が少なくなる一方で、排泄物による汚れは容易に蓄積されます。このように不衛生な状態が続くと、皮膚炎症を引き起こす原因となります。

また、高齢者の肌はバリア機能が低下しており、体内の水分が蒸発しやすくなっています。この状態で尿や便に長時間さらされると、その成分が肌の隙間に浸透しやすくなります。特に、おむつ内の環境は蒸れやすく、皮膚のふやけやすさに加えて、尿や便の過度の水分が細胞を膨潤させ、細胞同士の結びつきを弱めることがあります。これらの生理的変化により、高齢者は特にオムツかぶれを起こしやすい状況にあるといえます。

このように高齢者におけるオムツかぶれは、一般的な肌の老化現象とオムツの長時間の使用といった要因が組み合わさることで発生しやすくなります。
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