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手足口病

手足口病の治療について

手足口病とは

手足口病は、手のひら、足の裏、口の中に小さな水ぶくれが出現するウイルス性の感染症です。この病気は、特に夏に多くの子どもたちに影響を与える疾患であり、主にエンテロウイルスやコクサッキーウイルスによって引き起こされます。感染者の大部分は5歳未満の小児で、特に2歳以下の幼児に多く見られますが、学童期(6〜12歳)の子どもや大人にも稀に感染することがあります。

手足口病

手足口病の原因

手足口病の原因

手足口病は、主にコクサッキーA群ウイルス(Coxsackievirus Group A)とエンテロウイルス71型(Enterovirus71)の感染によって引き起こされるウイルス性の感染症です。これらのウイルスは腸管で増殖し、多くの異なる型が存在するため、一つのシーズンに何度も感染することがあります。コクサッキーA群は1〜22、24型があり、B群は1〜6型に分類され、潜伏期は通常2〜10日です。エンテロウイルスは67種類に及び、年ごとに流行するウイルス型が異なるため、感染のリスクも変動します。

感染経路は多岐にわたり、飛沫感染や接触感染が主です。具体的には、感染者の咳やくしゃみから飛び散る飛沫を吸い込むこと、水疱や便に含まれるウイルスに触れた手で口や目の粘膜を触ることで感染が広がります。また、便中に排泄されたウイルスが原因で、オムツ交換時やドアノブ、レバーなど日常的に触れる物にウイルスが付着などによる感染も見られます。

このため、手足口病の予防としては、手洗いの徹底や咳エチケットの実施が非常に重要です。特に幼稚園や保育園など小児が集まる場所では、感染予防をしっかりと行うことが求められます。

手足口病の症状

手足口病は、潜伏期間を経た後に主に口の中の粘膜や手のひら、足の裏に2〜3mmの水疱性の発疹が現れる症状が特徴です。これらの発疹は通常、1週間程度で自然に治癒し、かさぶたを残すことはありません。症状には発熱も伴い、多くの場合は38℃を超える高熱にはならないものの、発熱期間は1〜3日間続くことがあります。

水疱が破れると、痛みを伴う口内炎が発生し、食事や飲水が困難になることがあります。これにより脱水症状を引き起こすリスクが高まります。また、手足の水疱が破れた際には皮膚がただれることがあり、1〜2ヶ月後には手足の爪がはがれることがありますが、すぐに新しい爪が再生します。

合併症としては、無菌性髄膜炎や急性脳炎が報告されています。無菌性髄膜炎は、発熱、頭痛、嘔吐などの典型的な症状と髄膜刺激徴候を伴い、髄液検査で特定される症候群です。急性脳炎は、脳の炎症を引き起こし、重篤な症状を伴うことがあります。これらの重症化した状態では、高熱が続いたり、頭痛や吐き気が激しくなるため、早急な医療介入が必要となります。

手足口病の予防法

手足口病に対する特定のワクチンや予防薬は存在しませんが、日常の衛生管理を徹底することが感染予防には効果的です。特に重要なのは、手洗いの習慣をしっかりと身につけることです。流水と石けんを使用して、手をこまめに洗うことが推奨されます。また、咳エチケットを守り、感染者の咳やくしゃみのしぶきが他の人に直接触れないように注意することも重要です。

保育園や幼稚園などの集団生活施設では、タオルの共用を避けるとともに、おむつ交換時の手洗いや排泄物の適切な処理が特に重要となります。手足口病は治癒しても、便中にウイルスが排泄され続けることがあり、その期間は3~4週間に及ぶことがあります。このため、発症した後も長期にわたって感染拡大のリスクを抑えるための対策が必要です。

感染しても発病しないことがあります。発病しない場合でもウイルスを排泄し続けることがあるため、常日頃からの手洗いと環境衛生の徹底が感染防止の鍵となります。

手足口病に有効な施術・治療方法

手足口病には特効薬が存在しないため、治療は主に症状の緩和を目的とした対処療法が中心となります。感染した子どもは熱が下がるまで学校や保育園を休むことが推奨され、家庭での安静が基本的な治療方法です。症状が軽度である場合は、1週間程度で自然に改善することが多いですが、便中にウイルスが残るため、感染拡大を防ぐために手洗いなどの衛生管理が重要です。

水疱ができると口の中が痛くなり、水分摂取が困難になることがあるため、脱水症状には特に注意が必要です。水分は少量ずつ定期的に摂取させ、痛みがひどい場合は鎮痛薬や粘膜保護剤の軟膏が処方されることがあります。食事は、刺激の少ないやわらかい食べ物や冷たい飲み物を選び、のどの痛みを和らげるように対策しましょう。

手足口病のよくあるご質問

Q手足口病が悪化したらどうなる?

A
手足口病は通常、軽症で自然に治癒する感染症ですが、特にエンテロウィルス71型の感染では重症化するリスクがあります。この型は、無菌性髄膜炎や一過性のポリオ様麻痺、そして予後が非常に悪い急速進行性の脳炎を引き起こすことがあり、特に注意が必要です。重症化すると、中枢神経系に合併症を引き起こす可能性があり、髄膜炎、小脳失調症、脳炎といった症状が現れることがあります。

大人の場合、手足口病は子どもよりも重症化しやすく、発疹の痛みが非常に強く出ることが特徴です。痛みがひどいと歩行困難になることもあり、全身の倦怠感、悪寒、関節痛、筋肉痛などのインフルエンザ様の全身症状が伴うこともあります。これらの症状が現れた際には、手足口病と診断される前に病院を受診することが多いです。

Q家庭内での感染を防ぐのに有効な方法は

A
手足口病は主に飛沫感染や接触感染によって広がるため、家庭内での感染予防策が重要です。家庭内に感染者がいる場合、タオルや食器などの個人用品の共有を避け、それぞれが専用のアイテムを使用することが基本です。これにより、感染者の咳やくしゃみ、触れた物を通じて他の家族にウイルスが伝播するのを防ぎます。

さらに、効果的な手洗いと手指消毒を日常的に行うことが非常に効果的です。特に食事前、トイレ後、おむつ交換後の手洗いは徹底してください。回復後も、便中にウイルスが存在する可能性があるため、トイレ後の手洗いと消毒は引き続き必要です。

家庭内の清潔を保つためには、定期的な家庭内の消毒もおすすめします。特に多く触れる場所や物(ドアノブ、リモコン、スイッチなど)の清掃と消毒を行うことで、ウイルスの拡散を抑えることができます。子供が触れた鼻水や唾液がついた場所も忘れずに清掃し、常に清潔な環境を保つよう努めましょう。これらの対策を行うことで、手足口病の家庭内での感染拡大を防ぐことが可能です。
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