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頭痛・偏頭痛

頭痛・偏頭痛の治療について

頭痛・偏頭痛とは

偏頭痛(医学用語では「片頭痛」と正式に表記)は、血管の拡張によって引き起こされるズキズキとした拍動性の痛みが特徴です。

この痛みは主にこめかみから目の周辺に発生し、発作は4時間から数日間続くことがあります。偏頭痛は片側の頭に現れることが多いですが、両側が痛むこともあります。光や音、においに敏感になることもこの頭痛の一般的な特徴です。特に20~40代の女性に多く見られ、女性ホルモンとの関連が指摘されています。

偏頭痛は、いわゆる一次性頭痛に分類され、頭痛そのものが病気であると考えられています。これに対し、二次性頭痛は他の病態が原因で頭痛が生じるものです。日本では約1,000万人が偏頭痛に悩まされており、全国調査によると15歳以上の有病率は8.4%に上ります。

女性に特に多く、男性の約3.6倍となっており、10代から増え始め、50代以降に減少します。この病気は「働き盛り」の年齢層に多く、患者自身の日常生活や仕事に大きな影響を及ぼし、社会的な経済的損失も懸念されています。

頭痛を訴えている様子

頭痛・偏頭痛の原因・メカニズム

脳血管の拡張

偏頭痛の原因の一つとして、脳血管の拡張が挙げられます。この血管の拡張は、過度なストレスからの解放、湿度や温度の変化、アルコール摂取、内服薬の影響など様々な要因によって引き起こされます。特に、心身のストレスから解放された際に血管の拡張が起こりやすいとされています。

特に、ストレスが解消されるタイミングで偏頭痛が発生しやすいです。この過程での重要な役割を果たすのがセロトニンという神経伝達物質です。

ストレスが原因でセロトニンが過剰に分泌され、これが血小板から放出されることで脳の血管が一度収縮します。その後、時間が経過するにつれて血管が拡張し、この拡張が頭痛を引き起こすメカニズムとされています。

三叉神経への刺激

偏頭痛の重要な発症メカニズムの一つに、三叉神経の刺激が関与しています。三叉神経は、顔面の感覚を脳に伝える主要な神経であり、顔の血管周囲に位置します。

この神経が何らかの刺激により活性化されると、痛みを引き起こす炎症物質が分泌され、脳内の三叉神経核へと伝わります。洗顔や歯磨きのように顔を冷やす行為も、この三叉神経を刺激し得ます。

叉神経核が過敏な状態になると、伝わってきた痛みの信号が強まり、痛みが治まらない場合は、この過敏状態を緩和するために抗てんかん薬、抗うつ薬、β遮断薬などの予防薬が用いられることがあります。

現在のところ、偏頭痛が発生する詳細なメカニズムは完全には解明されていませんが、三叉神経血管説が有力であり、脳の血管が拡張し、その拍動に伴って三叉神経が刺激されることで頭がズキンズキンと痛むことが知られています。また、三叉神経から放出されるCGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)が関係していることも分かってきています。

頭痛・偏頭痛の原因

遺伝的要因

偏頭痛には遺伝的要因が大きく関与していることが、多くの研究により明らかにされています。

家族内で偏頭痛の発症例が多い場合、その子孫も偏頭痛を発症するリスクが高まります。双子研究や連鎖解析を通じて、偏頭痛の発症に複数の遺伝子が関与していることが確認されています。

偏頭痛患者の約75%には遺伝性が認められ、特に母親が偏頭痛患者である場合、その娘に偏頭痛が発生する確率は70%、息子では約30%にものぼります。父親が偏頭痛患者である場合の遺伝比率は、母親の場合の約半分とされます。

ただし、偏頭痛を引き起こす具体的な遺伝子については、現在も研究が続けられており、確実なことはまだ十分に解明されていません。

生活環境の刺激

偏頭痛の発生には、生活環境における様々な刺激が深く関わっています。特に光、音、におい、気圧の変化は、偏頭痛を引き起こしたり悪化させたりする主要な要因です。

光:スマートフォンなどのディスプレイから発せられる強い光、特にブルーライトは、頭痛の誘発や悪化につながります。

におい:においに敏感な人は香水、洗剤、柔軟剤、たばこ、自動車内のにおいなどによって頭痛が引き起こされることがあります。におい、特に香水が偏頭痛患者の28.8~70.0%で頭痛の誘因になると報告されています。

気圧の変化:気圧が変化すると、脳の血管が拡張し、三叉神経が興奮して痛み物質が放出されます。これにより血管の拡張が進み、脈打つような強い痛みが生じるとされています。

性別

偏頭痛の発症にはホルモンバランスが大きく関わっており、特に女性における月経周期と深い関係があります。

エストロゲンという女性ホルモンの分泌量が月経周期に伴い変動し、特に排卵日や月経前に急激に低下することで偏頭痛が引き起こされると考えられています。このエストロゲンの急激な減少は、セロトニンやカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)などの神経伝達物質のバランスを崩し、神経の炎症や頭の血管の拡張を引き起こすことで頭痛を誘発します。

女性は男性よりも3〜4倍高いとされています。妊娠中はエストロゲンのレベルが上昇し、偏頭痛が起きにくくなりますが、出産後にはエストロゲンが低下し、偏頭痛が再発することが一般的です。

このように、女性ホルモンと偏頭痛は密接に関連しており、月経時偏頭痛は女性特有の症状として認識されています。

ストレス

ストレスは、頭痛と偏頭痛の主要な誘因の一つとされています。

ストレスがかかると、体は筋肉の過度な緊張や脳内の痛み調整機能の不調といった反応を示すことがあり、これが緊張型頭痛(簡単な説明)の発生につながります。さらに、偏頭痛においては、ストレスが引き起こす脳内セロトニンの一時的な増加によって血管が収縮し、その後の正常化過程で血管が拡張することが偏頭痛を誘発する可能性があるという説があります。

ストレスに関連する他の精神的要因としては、過労、睡眠不足、または過度の睡眠が挙げられます。実際に、ストレスからの一時的な解放、例えば週末や休暇の初日に頭痛が起こる「週末頭痛」は、この現象の一例です。

ストレス管理は頭痛や偏頭痛の予防および管理において非常に重要な役割を果たします。適切な休息、ストレス解消、定期的な運動は、ストレスに起因する頭痛のリスクを軽減するのに役立つでしょう。

頭痛・偏頭痛の症状

頭痛・偏頭痛の症状

偏頭痛の一般的な症状には、頭の片側、または場合によっては両側がドクドクと拍動するように痛むことがあります。患者の約40%が両側性の頭痛を経験しています。また、発作的にひどい頭痛が現れ、数時間から2~3日にわたって持続することもあります。

典型的な偏頭痛では、発症前に目のチカチカやギザギザした光が見えることがある「閃輝暗点(せんきあんてん)」などの視覚的前兆が伴うことがあります。その後、片側あるいは両側がズキンズキンと激しく痛む症状が現れます。頭を動かすことで痛みが悪化するのも偏頭痛の典型的な特徴です。なお、前ぶれがなく頭全体が痛む普通型偏頭痛も存在します。

このように、偏頭痛の症状は個人差が大きく、痛みの程度や症状の種類は様々ですが、これらの症状に心当たりがある場合は偏頭痛の可能性が高いと考えられます。

頭痛・偏頭痛に有効な施術・治療方法

薬物療法

偏頭痛の薬物治療には、「急性期治療」と「予防治療」の2つのアプローチがあります。急性期治療の目的は、発生した頭痛を速やかに鎮めることです。

軽度から中等度の偏頭痛に対しては、アセトアミノフェンやアスピリンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が推奨されます。一方、中等度から重度の偏頭痛にはトリプタン系薬剤が使用され、これらは血管収縮を促して偏頭痛を和らげる効果があります。また、頭痛に伴う吐き気や気分不良に対しては制吐薬が処方されることがあります。

予防治療の目的は、頭痛発作の発生を減らし、発作が起きてもその重症度を軽減させることにあります。予防薬としては、塩酸ロメリジンやバルプロ酸などが用いられます。これらの薬剤は、神経細胞の興奮を抑制したり、脳内の神経伝達物質のバランスを調整して、頭痛の発生を抑える効果があります。

頭痛・偏頭痛のよくあるご質問

Q偏頭痛が悪化したらどうなりますか?

A偏頭痛を放置した場合、様々な長期的な影響が生じる可能性があります。具体的には、偏頭痛が慢性化するリスクが高まります。慢性偏頭痛は、月に15日以上頭痛が発生し、それが3ヶ月以上続く状態を指します。さらに、偏頭痛を適切に治療しないで放置すると、難治性の浮動性めまい、頭痛、頭重感、耳鳴りなどの症状が発症することが報告されています。

更に深刻なケースとして、偏頭痛は脳梗塞やアルツハイマー病などの認知症のリスクとなる可能性があるというデータも出ています。

Q頭痛の予防策はありますか?

A普段の生活で実践できる偏頭痛の予防策は以下の通りです。

・就寝2時間前にはスマートフォンやコンピュータの使用を控える
・日中には適度な運動やストレッチをして体を軽く疲れさせる
・毎日決まった時刻にベッドに入る
・強い日差しの中ではサングラスを使用する
・人混みや騒がしい環境は極力避ける
・強い香りや刺激のある食べ物を控える

偏頭痛の原因は解明されていませんが、自分が偏頭痛を引き起こしやすいシチュエーション(光、におい、音、睡眠不足など)がわかれば、その状況を避けるようにした方がいいでしょう。
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