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肥満症

肥満症の治療

肥満症とは

肥満症とは、体内の脂肪が過剰に蓄積し、体重が増加する状態を指します。これは、エネルギーの摂取量が消費量を上回る場合に発生しやすいです。具体的には、食事から取り入れるカロリーが多く、運動不足で消費されるエネルギーが少ない場合に、体重が増加し肥満症に至ることがあります。

肥満症の診断基準としては、BMI(体格指数)が25以上であり、肥満が原因となる健康障害(心臓病や糖尿病など)が1つ以上存在する場合や、内臓脂肪が蓄積している場合があります。BMIが35以上になると高度肥満症と診断されます。

肥満症は、単なる体重増加ではなく、心臓病や糖尿病などの健康問題を引き起こすリスクが高まるため、医学的な治療が必要です。減量によってこれらの健康障害の改善や進展を抑えることができます。国民あたりの肥満率は、男性が約3割、女性が約2割です。最も肥満率の高い年齢層は、男性が40歳代(39.7%)、女性が60歳代(28.1%)であり、国民全体の肥満率は年々高くなっています。

肥満症

肥満症の原因・メカニズム

肥満症の原因

肥満症の主な理由は、生活習慣の乱れです。 多くの場合、摂取エネルギーが消費エネルギーを上回ることで脂肪が蓄積し、体重が増加します。食べ過ぎや運動不足が一般的な原因とされていますが、それだけではなく食べ方にも問題があります。

例えば、食事の回数が少ないと太りやすく、特に朝食を抜くと夜に過剰に食べがちになります。さらに、早食いは満腹感を感じにくくし、食べ過ぎる一因になります。

遺伝的要因も無視できません。肥満の家族が多い場合、遺伝的に肥満になりやすい体質を持っている可能性がありますが、遺伝だけでなく生活習慣が大きく影響することを忘れてはなりません。バランスの取れた食事と適度な運動により、肥満を予防することは可能です。

肥満の種類

種類①:皮下脂肪型肥満(洋ナシ型肥満)

皮下脂肪型肥満は下半身に脂肪が集まる特徴があり、女性に多く見られます。このタイプは「洋ナシ型肥満」とも呼ばれ、お尻や太ももなどの下半身に脂肪が蓄積します。

理由として、皮下脂肪型の肥満は、脂肪が皮下組織、つまり皮膚のすぐ下にたまることによります。この脂肪は燃焼しにくく、減らすのが難しいとされています。女性や子どもに特につきやすい傾向があり、腰回りや下腹部、おしりなどに脂肪が蓄積することで全体的に影響を及ぼすことがあります。

具体例を挙げると、日常生活での運動不足や、バランスの取れない食生活が原因で、皮下脂肪型肥満になることがあります。この肥満タイプは、内臓脂肪が少ないため見た目には健康的に見えることもありますが、体内での脂肪の分布によっては健康上のリスクも存在します。

種類②:内臓脂肪型肥満(リンゴ型肥満)

内臓脂肪型肥満とは、腹腔内、特に腸の周りに脂肪が過剰に蓄積される状態です。この脂肪は比較的男性に多く、女性では閉経後に増える傾向があります。

内臓脂肪が蓄積すると、糖尿病や高血圧、脂質代謝異常などの生活習慣病のリスクが高まります。これは、内臓脂肪が中性脂肪を過剰に蓄積し、脂肪細胞から分泌されるサイトカインのバランスが乱れるためです。このバランスの乱れが血糖値や血圧、血液中の脂質に悪影響を与えるのです。

例えば、内臓脂肪型肥満の人は、お腹がぽっこりと出てリンゴ型の体型になることが多いです。このリンゴ型肥満は、見た目だけでなく健康に大きな影響を与えるため、注意が必要です。

肥満症の症状

肥満症の代表的な症状は、膝痛や腰痛、息切れ、いびき、睡眠時の無呼吸などです。これらの症状は、肥満が原因で引き起こされる生活習慣病と密接に関連しています。

例えば、糖尿病や高血圧、脂質異常症などが挙げられます。さらに、心臓病や脳血管疾患、関節症など重大な健康障害へとつながる恐れも指摘されています。これらの症状や健康障害は、肥満の改善によって改善する可能性があります。

肥満症に有効な施術・治療方法

治療法①:食事療法

食事療法は、摂取エネルギーを消費エネルギー以下に抑えることが基本となります。適切なエネルギー摂取を目指し、栄養バランスの整った食事を通じて体重を減らすことが目標です。しかし、過度な食事制限は健康を損ねる可能性があるため、注意が必要です。

食事療法においては、1日3回の規則正しい食事が推奨されています。特に、早食いを避け、野菜を先に食べることで血糖値の急上昇を抑えることができます。また、間食の頻度を控えることも重要です。

また、肥満症の食事療法はたんぱく質を多めにし、脂質を少なめにすることが原則です。ビタミンやミネラルの摂取も重要で、不足すると全身の倦怠感や疲労が増すため、注意が必要です。

治療法②:運動療法

運動療法は体重を減らすだけでなく、減らした体重を維持するのにも役立ちます。運動療法の中でも、有酸素運動と筋肉トレーニングが特に効果的です。有酸素運動によって、糖質や脂肪の消費が促され、持久力が向上し、インスリンの効き目も良くなります。一方で、筋肉トレーニングにより筋肉量が増え、基礎代謝が維持されます。こうした運動は週に3回以上実施することが望ましいとされています。

1週間に0.5kg前後が健康的に痩せていく目安と言われており、1日あたり約300kcalを消費することから始めると良いでしょう。

例えば、ウォーキングは特別な準備が不要で、誰でも簡単に始められます。運動前後の水分補給や効果的な歩き方も、より良い結果を得るために重要です。忙しい方でも、通勤時に一駅分歩く、オフィス内を積極的に動くなど小さな工夫をすることで、運動療法を取り入れることが可能です。

治療法③:薬物療法

薬物療法は、食事療法や運動療法だけでは改善が難しい時に有効な治療法です。例えば、以下の薬剤が使用されます。

・マジンドール:食欲を抑制して体重減少を促します。しかし、依存性が高い薬であるため、BMI35以上の高度肥満症の方のみと対象者は限定されます。そのため、服薬期間も最大で3か月までとされています。
・SGLT2阻害薬:尿中に糖を排出して血糖値を抑えることで体重減少をもたらします。
・GLP-1受容体作動薬:胃の働きを抑えて、食欲を減退させる効果があります。

重要な点は、これらの治療法はすべて医師の指導のもとで行われる必要があります。肥満症の治療は個々の状態に合わせて適切な方法を選ぶことが、改善への近道と言えるでしょう。

治療法④:行動療法

行動療法は食事や運動の習慣を見直し、日常生活に変化をもたらすことが必要になります。理由としては、体重管理に苦戦している人の多くが、食行動に問題を抱えているからです。具体的には、体重日記をつけることや、食事の際の咀嚼回数を増やすことなどが挙げられます。これらの方法は、自身の行動パターンを把握し、改善する手助けとなります。

たとえば、1日に何回か体重を計測し、そのデータをグラフに記録する方法があります。特に、起床直後の体重を重視することで、日々の変化を把握しやすくなります。このような習慣は、日常生活と体重の関連を明らかにし、食行動の修正に役立ちます。

肥満症のよくあるご質問

Q肥満症の治療は保険適用ですか?

A
マジンドール(サノレックス)という食欲を抑えて体重を減らす薬に限り、高度肥満(BMI 35以上)の方のみ保険適用となります。

Q肥満症と肥満・メタボリックシンドロームの違いを知りたいです。

A
肥満と肥満症の違いは、以下の通りです。

・肥満:体格指数(BMI)が25以上の状態を指す
・肥満症:BMIが25以上でありながら、糖尿病や高血圧などの肥満関連の健康障害を持つ場合や内臓脂肪の蓄積が見られる

肥満症の場合は、肥満によって引き起こされる様々な健康問題に直面していることを意味します。

例えば、糖尿病や高血圧は生活習慣病の代表的なものであり、これらは肥満症の人に多く見られる合併症です。さらに、内臓脂肪型肥満は、見た目では判断しにくいものの、心臓病や糖尿病のリスクを高めることが知られています。

肥満症とメタボリックシンドローム(メタボ)は異なる状態です。肥満症は過剰な脂肪が体内に蓄積した状態で、体重や体脂肪率で判断されます。それに対し、メタボは内臓脂肪の蓄積と、高血圧や高血糖などのリスク要因が複数ある状態を指します。この違いは、肥満症が脂肪の蓄積に焦点を当てるのに対し、メタボはさらに複数の健康リスクを含むため重要です。

具体的には、メタボは内臓脂肪が原因で高血圧、脂質異常、高血糖などの症状が現れ、これらは動脈硬化を進行させる可能性があります。これにより、メタボは肥満症よりも心血管疾患や糖尿病などのリスクが高まる状態を示すことになります。

Q肥満症の合併症を教えてください。

A
肥満症は、さまざまな健康問題を引き起こす可能性があります。以下は肥満が原因で起こりうる合併症の一部です。

・心血管疾患:高血圧、冠動脈疾患、心筋梗塞など、心臓に関連する疾患のリスクが高まります。
・糖尿病:体内でのインスリンの分泌不良や抵抗性が高まり、血糖コントロールができなくなる状態です。
・脂質異常症:血中のコレステロールやトリグリセライドの値が異常に高くなります。
・脳卒中:脳への血流が阻害され、脳細胞が損傷を受ける状態です。
・睡眠時無呼吸症候群:睡眠中に呼吸が一時的に停止することが繰り返される症状で、日中の眠気や集中力低下を引き起こします。首回りに脂肪が蓄積して、気道が狭くなることが原因です。
・関節症:体重の過剰な負担により、特に膝や腰の関節に痛みや機能障害が生じることがあります。
・胆石症:肥満は胆石のリスクを高めます。胆石は胆のうに形成される固形物で、痛みや消化不良を引き起こすことがあります。
・不妊症:女性では排卵障害の原因となり得ます。男性では精子の質に影響を及ぼす可能性があります。
・脂肪肝:肝臓が脂肪を分解しきれないと体内に脂肪が蓄積します。肥満症の方の約20%が脂肪肝を併発しています。

これらの合併症は、肥満が進行するにつれてリスクが高まるため、早期の対策と適切な治療が重要です。
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