内科・皮膚科・美容皮膚科なら青山Fusionクリニック|かぜ・皮膚炎・アレルギー・各種ワクチンのご相談から、たるみ・しわ等美容のお悩みまで|東京 青山・外苑前

予約・メール
電話予約
友だち追加
インスタ
アクセス

粉瘤

粉瘤の治療について

粉瘤とは何か

粉瘤(アテローム)とは皮膚下に老廃物が溜まり、袋状の構造を形成することで発生する良性腫瘍です。この袋は、本来ならば皮膚から剥がれ落ちるはずの角質や皮脂を内部に蓄積し、時間と共にゆっくりと大きくなります。身体のどこにでも現れる可能性がありますが、顔や首、背中、耳の後ろなど特定の部位に出来やすい傾向にあります。

初期段階では、皮膚の表面に小さなしこりとして現れることが多く、ニキビと間違えられることもありますが、これらは自然には治癒しないため注意が必要です。加えて、袋が破れて細菌感染を引き起こすと、痛みや赤みが生じることがあります。

粉瘤は自然に消えることは少なく、見た目の問題や感染のリスクを避けるためにも、形成外科での切除が一般的な治療法となります。皮膚の下にできたコロコロとしたしこりが長期間消えない場合は、粉瘤の可能性があります。

粉瘤

粉瘤が発生する原因

原因については明確には解明されていませんが、毛穴の詰まりや外傷、さらにはヒトパピローマウイルスの感染が関与するとされています。清潔に心がけていても発生することがあり、これは体質による影響が大きいためです。

放置すると腫瘍は次第に大きくなり、炎症を起こしたり、特有の臭いを放つようになることもあるため、早期の受診が推奨されています。小さな傷やウイルス感染をきっかけにして粉瘤が形成されることもあるため、皮膚に異常を感じた際は、専門医の診察をオススメします。

粉瘤は誰にでも発生する可能性があり、一度できると自然に消えることは少ないです。体質的にできやすい人もいるため、遺伝的な要素も無視できません。

粉瘤の好発部位とできやすい人の特徴

粉瘤の好発部位

粉瘤の約60%が首・背中・顔面に出現します。好発部位になる理由は、皮脂の分泌が多い部位であり、粉瘤にとって好ましい環境を提供していると考えられます。

粉瘤ができやすい人の特徴

ホルモンバランスの乱れや、汗をかきやすい方は特に注意が必要です。また、ニキビを潰したり、皮脂の詰まりを無理に取り除こうとする行為も、粉瘤の原因になり得ます。そのため、スキンケアをしっかり行い、皮膚を清潔に保つことが大切です。

さらに、不衛生とは直接関係なく、清潔にしていても粉瘤は発生します。一度できてしまった粉瘤は、内容物を取り除くことで一時的に小さくなることがありますが、袋状の構造物が残っていると、再び同じ問題が発生する恐れがあります。

粉瘤の3つ症状

症状①:粉瘤の初期症状

粉瘤の表面は周囲の皮膚と変わらないか、やや白っぽく見えることがあります。特に、その中心には時に黒い点のような穴が見えることがあり、これが粉瘤の一つの特徴となります。

痛みやかゆみを伴わないため、症状に気づかないことも珍しくありません。ただし、しこりの内部が細菌に感染した場合、赤みを帯び腫れ上がり、触ると痛みを感じるようになります。粉瘤自体は多くの人にとっては無害かつ気にならないものかもしれませんが、感染が起こると一変して不快な症状を引き起こす場合があります。

症状②:粉瘤が破裂したときの症状

粉瘤が圧迫・摩擦によって破裂すると、内容物が皮膚内に広がり炎症を引き起こします。

炎症性粉瘤は、腫れが何倍にも増し、触れただけで痛みを感じることがあります。炎症を放置すると、袋状の組織はもろくなりやすく、破裂して膿が出る可能性が高まります。このとき、痛みだけでなく、強い匂いを伴うこともあるため、早めの対処が必要です。

また、炎症が起こると、粉瘤の周囲の皮膚組織が壊死し、あざのように目立つこともあります。痛み止めを服用しても、根本的な解決にはならず、専門医の診察を受けることが大切です。

症状③:粉瘤が悪化した時の症状

粉瘤が細菌に感染すると、痛みや赤みを伴う炎症性粉瘤へと進行することがあります。感染が進むと、患部は赤く腫れ上がり、触ると痛みを感じるようになるでしょう。痛みの度合いは人によって異なりますが、化膿してしまうと非常に強い痛みが生じる場合があります。

放置すると、症状はさらに悪化し、腫れや痛みの増大、発熱を引き起こすことがあります。また、炎症が進むと膿が発生し、強い悪臭がすることもあります。日常生活に支障をきたすことも少なくありません。さらに、患部が破裂すると傷跡が残りやすくなり、治療が難しくなる可能性があります。

粉瘤の予防法

予防法①:肌を清潔に保つ

粉瘤ができないようにするためには、お肌を清潔に保つことが非常に重要です。粉瘤ができた場所を適切に洗顔し、保湿クリームを塗ることで、皮膚を清潔に保ち、細菌の繁殖を抑えることができます。

しかし、洗顔を何度も繰り返したり、粉瘤を気にして触る行為は、皮膚を刺激し、かえって状態を悪化させる可能性があります。洗顔を過剰に行うと、皮膚の自然な保護層を剥がしてしまい、乾燥や刺激により皮膚がダメージを受けやすくなるため注意しましょう。

予防法②:粉瘤を刺激しないための工夫

日常生活で粉瘤を刺激しないことも予防として有効です。例えば、爪の長さを短く保ち、粉瘤を掻いたり擦ったりすることがないようにしましょう。これは粉瘤を傷つけることを防ぎ、炎症や感染のリスクを減らします。

また、粉瘤のある部分は直接的な圧力や摩擦を避けることが大切です。きつい衣服やアクセサリーの使用を控えることが推奨されます。衛生面では、粉瘤の周囲を清潔に保つことが重要ですが、過度の洗浄や刺激的な化粧品の使用は避け、肌に優しいソープや水で優しく洗うことを心がけましょう。

予防法③:規則正しい生活を送る

粉瘤の予防や悪化を防ぐためには、規則正しい生活を送ることが非常に重要です。規則正しい生活は、自律神経のバランスを整え、ホルモンバランスの安定にも寄与します。自律神経が整うと、ストレスによる影響を受けにくくなり、肌の健康状態も良好に保たれます。

また、十分な睡眠を取ることで、肌のターンオーバーが促されます。ターンオーバーが正常に行われることで、古い角質や皮脂がたまりにくくなり、毛穴の詰まりを防ぐことができます。毛穴の詰まりは粉瘤の形成に直結するため、この点は特に重要です。

適度な運動を取り入れることで、血行が良くなり、肌への栄養供給も改善されます。これにより、肌の健康状態が保たれ、粉瘤の形成を抑制することが可能になります。

さらに、バランスの取れた食事は、肌に必要な栄養素を供給し、肌の機能を正常に保つのに役立ちます。特に、ビタミンやミネラルは肌の新陳代謝をサポートし、健康な肌を維持するのに不可欠です。

これらの点からも、規則正しい生活がいかに粉瘤の予防や悪化を防ぐ上で大切であるかが理解できます。日々の生活習慣を見直し、健康的な肌を保つ努力をしましょう。

粉瘤の3つの治療法

治療法①:くり抜き法(ほぞ抜き法)

粉瘤の治療法にはいくつかの方法がありますが、近年人気を集めているのが「くり抜き法」です。この手法では、粉瘤の中心部に小さな穴を開け、専用の器具を用いて粉瘤の内容物と袋を摘出します。傷口が小さいため縫合の必要がなく、自然治癒を待つだけで済むことがメリットです。また、炎症がある状態でも対応できます。

くり抜き法のメリットは、その手術跡が目立ちにくいこと、炎症があっても手術が可能であること、そして多くの場合、一度の手術で完了することです。しかしながら、5cmを超える大きな腫瘍や、何度も炎症を繰り返して硬くなった粉瘤には適していません。

手術後は約1週間で傷口のチェックを行い、通常1〜2週間で傷が塞がります。この治療法は、従来の切開法に比べて傷跡が小さく済み、炎症がある状態でも対応可能であるため、多くの患者さんに選ばれています。

治療法②:切開法

くり抜き法が主流になる以前は、切開法が一般的でした。この手法は、粉瘤を完全に取り除こうとするもので、局所麻酔を施した後、粉瘤の袋を丁寧に切除し摘出することが特徴です。治療の流れとしては、まず粉瘤の診断を受け、適切な切開位置を決定。その後、麻酔をかけて粉瘤の袋を取り除き、止血と縫合を行います。

切開法には、粉瘤が大きくなった場合や炎症を起こしている状態でも確実に取り除けるメリットがあります。ただし、粉瘤の大きさによっては、傷跡が残る点には注意が必要です。一方で、炎症性粉瘤に対して行われる場合、膿や皮脂を排出後、再手術が前提になることが多く、その間、痛みや炎症が続くこともあります。

また、切開法を適応するかは、粉瘤の状態や位置、サイズによって異なります。特に顔など目立つ部分にできた粉瘤の場合、傷跡が気になる方もいらっしゃるでしょう。治療法については、医師とよく相談し、ご自身に合ったな方法を選ぶことが大切です。

治療法③:保存療法(抗生物質・痛み止め)

保存療法として知られる抗生物質や痛み止めの処方は、炎症が軽度の時には一定の効果を示します。しかし、この方法は根本的な解決には至らず、特に炎症が中等度以上の場合、痛みや腫れが続くことがあります。

その理由は、粉瘤内に血管が通っていないからです。血管がないことで抗生物質の有効成分が届きにくく、有効成分が十分効果を発揮できません。症状が悪化し、粉瘤が自壊するまで待つのは、患者の苦痛が長引かせることになります。そのため、多くの病院やクリニックは保存療法ではなく日帰り手術を推奨しています。手術により粉瘤を直接取り除くことで、患者の苦痛を短期間で解消し、再発のリスクを減らすことができます。

粉瘤のよくあるご質問

Q質問①:粉瘤の治療にかかる時間はどのくらいですか?

A
粉瘤の治療時間は、粉瘤の大きさや位置、治療法によって異なりますが、一般的には局所麻酔を使用した手術であれば、30分から1時間程度で終了することが多いです。手術後はすぐに日常生活に戻ることができるケースがほとんどですが、手術部位や個人の回復状況によっては、数日間の休息が必要な場合もあります。

Q質問②:粉瘤の手術は痛いですか?また、手術後のケアについて教えてください。

A
手術は局所麻酔を使用しますので、手術中の痛みはほとんどありません。麻酔が切れた後には、若干の痛みや不快感があるかもしれませんが、通常は処方される痛み止めでコントロールできます。

粉瘤の手術後は、手術部位を清潔に保つことが重要です。医師の指示に従って、適切な方法で傷口を清潔に保ち、消毒してください。また、手術部位にはしばらくの間、圧迫を避け、激しい運動や汗をかく活動は控えるようにしましょう。

手術後には、数日間は腫れや痛みを感じることがありますが、これは正常な反応です。しかし、痛みが強い場合や、赤み、腫れ、発熱などの症状が見られる場合は、感染の可能性もあるため、迅速に医師の診察を受けることが大切です。

Q質問③:粉瘤と間違えやすい皮膚疾患はありますか?

A
粉瘤と間違えやすい代表的な皮膚疾患は、以下の3つです。

・脂肪腫
・ニキビ
・化膿性汗腺炎

脂肪腫とは、粉瘤と比べて軟らかく移動性があり、皮膚と一緒に動くのが特徴です。また、痛みを伴わず、皮膚と同じ色です。

ニキビは皮脂の過剰分泌や毛穴の詰まりが主な原因であり、粉瘤は皮脂腺の異常から生じる袋状の構造が特徴です。粉瘤が全身にできるのに対して、顔や背中に発生しやすい特徴があります。

化膿性汗腺炎は特定の汗腺に汗線に細菌が繁殖して膿が溜まり、慢性的な疾患かつ反復して発症します。陰部、脇、乳房の下などアポクリン腺の多い場所に限定されることが多く、広範囲にできる粉瘤とは見分けやすいことが特徴です。
PAGE TOP