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風疹

風疹の治療について

風疹とは

風疹は、発熱、発疹、リンパ節腫脹を特徴とするウイルス性の感染症です。特に大人の感染が多く、2019年に風疹と診断された患者の94%が成人で、その中でも男性が女性の約4倍にのぼります。これは、30〜40代の男性にワクチン接種の機会が少なく、風疹の抗体が不十分なためです。

風疹の症状は、不顕性感染から重篤な合併症に至るまで幅広いですが、一般的には高熱や長期にわたる発疹、関節痛が見られます。妊娠中の女性が感染すると、赤ちゃんが先天性風疹症候群を発症するリスクが高まります。このため、風疹の流行を抑制するためにもワクチン接種が重要です。

風疹

風疹の原因

風疹は、風疹ウイルス(rubella virus)によって引き起こされる感染症です。このウイルスは、感染者の咳やくしゃみに含まれる飛沫を他人が吸い込むことで広がる飛沫感染が主な感染経路です。また、ウイルスが付着した手から口や鼻を触ることによる接触感染の可能性もあります。感染力は強く、1人の感染者から免疫がない5~7人にウイルスが伝播するとされています。

風疹ウイルスは発疹が出現する約1週間前から感染力を持ち始め、発病後も約5日間は他人に感染を広げる可能性があります。このため、ウイルスの拡散を防ぐためには、定期的な予防接種が非常に重要であり、男女問わず2回の接種が推奨されています。現在、国内外での流行は小規模ながらも断続的に発生しており、海外旅行から帰国後に発症するケースも報告されています。

風疹の症状

風疹の潜伏期は2〜3週間で、発病後は軽い発熱とともに全身に淡い発疹が現れ、頚部を中心にリンパ節が腫れることが典型的な症状です。発疹は通常3〜5日で消失し、「三日はしか」とも呼ばれます。風疹の感染者の中には症状がほとんど出ない不顕性感染が約15〜30%存在し、そのため診断が難しいケースも多いです。大人においては、症状が長引くことがあり、関節痛を伴うこともあります。

また、重症化すると血小板減少性紫斑病や脳炎を合併するリスクもあります。特に注意が必要なのは妊娠中の女性で、感染すると先天性風疹症候群のリスクが高まり、聴覚障害や心臓病、白内障などの重篤な健康問題を持つ子どもが生まれる可能性があります。妊娠初期の感染率は特に高く、妊娠4-6週で100%、7-12週で80%、13-16週で45-50%、17-20週で6%、20週以降で0%になります。

不顕性感染がある場合、妊婦に明確な症状が出ないうちに胎児が先天性風しん症候群を発症している可能性があります。これを防ぐためにも、妊娠を計画している女性は妊娠前の風疹ワクチン接種が強く推奨されています。

風疹の予防法

風疹の予防にはワクチン接種が最も効果的です。2006年度から、日本では予防接種の環境が大きく変わりました。それ以前は一部の対象者に限られていたワクチン接種が、1歳児と小学校入学前の幼児に対して公費で実施されるようになりました。これにより、第1期(1歳時)と第2期(小学校入学前)の2回の接種が広く行われるようになりました。

また、1962年4月2日から1979年4月1日生まれの男性では、女性のみが風疹の定期接種対象者となっていたため、この年齢層の男性の風疹抗体保有割合が低い傾向があります。そのため、感染歴や予防接種歴が不明な成人も接種を検討することが推奨されています。

接種を2回完了することで、風疹ウイルスに対する十分な免疫が得られるため、特に妊娠を計画している女性は、感染によるリスクを避けるためにも、妊娠前の接種が強く勧められます。

風疹の検査方法

風疹の診断にはいくつかの検査方法がありますが、以下の3つが主に用いられています。

赤血球凝集抑制反応(HI法):
HI法は、特定のウイルスが赤血球を凝集させる性質を利用した検査です。血清を一定の倍数で希釈し、どの倍数まで赤血球凝集が抑制されるかを測定し、抗体量を判定します。急性期と回復期のペア血清で抗体価が4倍以上上昇することで風疹を診断します。

酵素抗体法(ELISA法):
ELISA法は、抗原抗体反応を利用して目的の成分を検出する方法です。この技術は、酵素を結合した抗体または抗原を用いて、抗原または抗体の濃度を定量的に測定します。ELISA法による検査は、その感受性と特異性から、広く医療現場で利用されています。

RT-PCR法:
RT-PCR法は、リアルタイムでPCRの増幅をモニターする技術です。この方法では、特にウイルスの遺伝子材料を高感度に検出し、急性期の咽頭ぬぐい液、血液、尿から風疹ウイルスのRNAを検出します。この検査は非常に早期に診断を可能にするため、重要な手段とされていますが、実施できるのは一部の研究所や大学に限られています。

風疹に有効な施術・治療方法

風疹の治療法

風疹に特異的な治療法は存在しませんが、症状を和らげるための対症療法が一般的に行われます。具体的な治療法は以下の通りです:

解熱鎮痛剤の使用:
発熱や関節痛などの痛みを緩和するために、アセトアミノフェンやイブプロフェンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が用いられます。これらの薬は、患者の快適性を高めるために重要です。

支持療法:
風疹による合併症が現れた場合、特に脳炎などの重篤な状態では、症状の管理として支持療法が必要になります。これには、適切な栄養の提供や、必要に応じて医療施設での監視が含まれます。

治療中は患者の快適性を保ち、他人への感染拡散を防ぐために、適切な休息とともに十分な水分補給を心がけることが推奨されます。また、風疹の症状が他の疾患と似ている場合があるため、診断を受けることが重要です。風疹は通常自然回復するため、患者は自宅での安静を保ちながら回復を待つことが一般的です。

風疹のよくあるご質問

Q風疹は再発することはありますか?

A
風疹は、一度かかると多くの場合、生涯にわたって再発することはほとんどありません。これは、風疹ウイルスに一度感染すると、ウイルスに対する免疫が体内に形成されるためです。そのため、再感染するリスクは非常に低いと考えられています。また、風疹に一度感染しても発病しない場合もあり、これは不顕性感染と呼ばれ、全体の20%以上にのぼるとされています。

しかし、注意が必要なのは、子どもの頃に風疹にかかったと記憶していても、実際には他の感染症(例えば「はしか」や「リンゴ病」)を風疹と勘違いしていた場合です。このため、実際には風疹に対する免疫を持っていない可能性があります。

Q風疹が重症化するとどのような症状が見られますか?

A
風疹は一般的に軽度の症状で済むことが多いですが、特に成人が感染すると重症化するケースがあります。成人では、高熱や発疹が長期間続き、関節痛を伴うことが多く、小児よりも重い症状を呈します。また、風疹が悪化すると、いくつかの深刻な合併症が発生する可能性があります。

一つは、血小板減少性紫斑病です。これは、出血が起こりやすくなる病気で、高熱が続き、皮膚に紫色の斑点が現れることがあります。血小板が減少するため、軽い外傷でも容易に出血しやすくなります。

もう一つは、急性脳炎です。この合併症は、頭痛や意識障害、けいれんなどの症状を引き起こし、非常に重篤な状態に陥ることがあります。急性脳炎は入院治療が必要となり、適切な医療を受けないと生命に関わる危険性があります。

さらに、風疹が悪化すると、関節痛が強くなることがあります。特に成人では、関節の腫れや痛みが長引くことが多く、日常生活に支障をきたすことがあります。

風疹の合併症は、2000人から5000人に1人の割合で発生するとされており、決して軽視できない疾患です。

Q風疹のワクチン接種によってどのような副反応が起こり得ますか?

A
風疹ワクチン接種後にはいくつかの副反応が報告されています。最も一般的に見られる副反応は発熱で、接種後1週間前後に発生頻度が最も高く、接種してから2週間以内に約13%の人に見られます。その他の副反応としては、接種後1週間前後に数%程度の発疹が発生することがあります。また、アレルギー反応としてじんま疹が約3%の割合で見られ、発熱に伴うけいれんが約0.3%の頻度で報告されています。

全身症状としては、接種5〜14日後に1〜3日間のだるさ、不機嫌、発熱、発疹が見られることがあります。局所症状としては、接種部位に発赤、腫れ、硬結が見られることがあります。これらの症状は一過性であり、通常は数日以内に治まります。

2回目の接種においては、局所反応が見られる場合がありますが、発熱や発疹の頻度は極めて低いです。非常に稀な副反応として、脳炎・脳症が100万〜150万人に1人以下の頻度で報告されていますが、ワクチンとの因果関係が明確ではない場合も含まれています。
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