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イボ(尋常性疣贅)

イボ(尋常性疣贅)の原因の治療について

イボ(尋常性疣贅)の原因とは

イボ(尋常性疣贅)は、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によって生じる、皮膚の小さなできものです。これは誰にでも起こり得る状態で、特に膝や顔、指、肘などの傷つきやすい部位に現れやすいです。

イボの表面はざらざらしており、大きさは大体1センチメートル未満で、色は灰色や黄色、褐色、灰黒色とさまざまです。形状は円形または不規則な形をしています。尋常性疣贅は、感染した皮膚の角化細胞が速く分裂し、皮膚が肥厚することで形成されますが、自覚症状はほとんどありません。

うおのめやタコのような小さなできものとして現れることがありますが、自分で削ったり切ったりしないでください。無理に自己処理をして、傷ができたり刺激になったりすると化膿や出血の原因になります。そのため、適切な治療は医療機関でのみ行われます。HPVは微小なキズから体内に侵入するため、日常的に手洗いをするなどの予防策も大切です。

イボ(尋常性疣贅)

イボ(尋常性疣贅)の原因

皮膚に現れる小さな突起、「イボ」は、ヒトパピローマウイルス(HPV)による感染が原因です。HPVには多くの種類がありますが、イボを引き起こす主なものはHPV2型です。このウイルスは、皮膚の細かな傷を通じて体内に入り、感染した部分の細胞を異常に増やします。

感染してから3〜6ヶ月の潜伏期間を経た後、イボとして知られる特徴的な形状が皮膚に現れます。感染は、直接的な肌の接触や、共用されたタオルや衣類、公共の場所での接触を通じて広がることがあります。イボは子どもや免疫力が低い人に特に多く見られます。

イボの一般的な治療法は、みずいぼとは異なります。イボが発生しやすいのは、手や足の皮膚ですが、アトピー性皮膚炎を持つ人や、皮膚の摩擦が多い箇所、たとえばひじやひざの周りでもよく見られます。

尋常性疣贅(イボ)の5つの症状

症状①:典型例

尋常性疣贅は、皮膚表面に現れる小さな円形の突起が特徴の一つです。これらは手や足の指、ひじ、ひざなどに見られ、大きさは小豆から一円玉程度まで様々です。特に、これらのイボには魚の目とは異なり、芯が存在しないことが一般的です。

イボは単独で現れることもあれば、数個が集まってできることもあります。主な症状は、皮膚表面にできる類円形の小さな突起です。尋常性疣贅は比較的よく見られる皮膚の状態であり、早期に発見して適切に対処することが大切です。

症状②:指状疣贅・糸底疣贅

手のひらに発生する尋常性疣贅に、指状疣贅(しじょうゆうぜい:粒状に伸びる小突起のできもの)や糸底疣贅(いとそくゆうぜい:糸状に細長く伸びる小突起状のできもの)があります。これらは、主にHPV(ヒトパピローマウイルス)の1型、2型、4型によって引き起こされるものです。

特徴としては、圧力を受けることで疣贅が扁平になり、角化上皮に囲まれることが挙げられます。歩行や立ち上がる動作時に圧痛を感じ、不快感を引き起こすことがあります。

また、これらの疣贅の表面を薄く切り取ると、点状に出血する傾向があり、この特徴によって鶏眼(うおのめ)や胼胝(べんち)と区別することができます。

形状は、細長くすぼめた指のように見えることがあります。さらに、顔や首周り、腋下などにできる柔らかいタイプの疣贅もあり、直径2〜3mm程度の小さな突起が多数現れます。これらは中年以降によく見られ、特に首周りに多く発生します。

症状③:足状疣贅・モザイク疣贅

足の裏にできる特殊ないぼ、それが足底疣贅です。このいぼは、一般的ないぼとは異なり、皮膚の内側に成長するため、初期段階では皮膚が凹んで見えることがあります。時間が経つにつれて、周囲の皮膚が硬くなり盛り上がり、足底疣贅が集まって、まるで異なる色のタイルを敷き詰めたような外見になります。これを「モザイク疣贅」とも呼びます。

モザイク疣贅の特徴は、無数の小さな足底疣贅が密接に結合し、舗石のような形状を形成することです。この状態では、しばしば圧迫感や痛みを伴います。また、表面は粗く角化した状態になります。

症状④:爪囲疣贅・爪甲下疣贅

爪周りや爪の下にできるイボには、いくつかの種類があります。その中でも一般的なのが、爪囲疣贅と爪甲下疣贅です。これらの疣贅は、特に爪を噛むクセがある人や、手をよく濡らす仕事をしている人に見られることがあります。

爪囲疣贅は、爪の周囲にできるイボで、カリフラワーのような見た目となります。このイボは皮膚が厚くなり、亀裂が入ることもあります。大きくなると痛みを感じることがあります。また、この状態は爪周りの炎症を引き起こしやすくなります。

一方、爪甲下疣贅は、爪の下にできるイボで、塊状に隆起する特徴があります。これらのイボは、状況によっては稀に癌化することもあるため、見つけ次第、適切な治療を受けることが重要です。

症状⑤:ドーナツ疣贅(リング疣贅)

尋常性疣贅のドーナツ状疣贅(リング疣贅)は、環状を呈する疣贅のことです。ドーナツの輪のような形状をしたもので、再発した際などによく見られます。特に液体窒素治療が不十分だった場合にリング状のイボが再発することが多いです。

尋常性疣贅(イボ)と間違えやすい3つの疾患

疾患①:水いぼ(伝染性軟属腫)

水いぼ(伝染性軟属腫)は、主に1歳から6歳の子供たちに多く見られる皮膚のウイルス感染症です。子供のうち約5%から10%がこの感染症にかかると言われています。水いぼは皮膚に柔らかく丸い形のブツブツとして現れ、時間が経つにつれて徐々に数が増えていきます。これらのブツブツは痛みを伴わず、周囲の皮膚と同じかやや白っぽい色をしています。

特に、手のひらや足の裏、指にはできることがありません。感染は小さな傷や毛穴を通じてウイルスが皮膚内に侵入し、細胞に感染することで起こります。水いぼは体幹や四肢に主に生じ、特に2歳から12歳の子供やアトピー性皮膚炎を持つ人に発症しやすいとされています。成人で発症することは少ないですが、場合によってはHIV感染の兆候である可能性もあります。

水いぼは一般的には自然に消えていくものの、放置すると数や範囲が広がり、他の人への感染のリスクも高まります。そのため、治療を受けることが推奨されています。

疾患②:魚の目

魚の目は、足の裏や指の皮膚が物理的な圧迫や刺激によって硬く厚くなり、直径5〜7mmほどの角質の塊が形成される症状です。この塊には白くて硬い芯ができ、皮膚にめり込んでいるため、歩行や圧迫時に痛みを感じることがあります。また、医学的には「鶏眼」と呼ばれ、大人の足の裏などに見られます。
魚の目の主な原因は、靴のサイズや形状と合わない靴を長時間履いたり、足の一部に負担がかかる歩行にあります。

疾患③:タコ

タコ(皮膚科疾患)とは、皮膚への機械的な刺激によって角質が厚く硬くなったものです。芯はなく、全体的にやや黄色味を帯びています。通常痛みやかゆみはなく、人から人への感染の心配もありません。

魚の目と同様、原因となる刺激を取り除けば、徐々に目立たなくなります。また、タコは皮膚の同じ箇所が長期にわたって刺激を受け続けると皮膚の角質が厚く硬くなってできる症状です。みを感じにくく、赤みやかゆみを伴うことも少ないのが特徴です。

通常、足の裏や指、くるぶしにできますが、個人の癖や生活習慣、仕事内容によってできる部位や形状は異なります。タコは角質肥厚以外は無症状ですが、もし痛みなどがある場合は、別の症状を引き起こしている可能性があるため、早めに皮膚科を受診することが重要です。

尋常性疣贅(イボ)の6つの治療法

治療法①:液体窒素療法

イボ(尋常性疣贅)の治療方法の一つに、液体窒素療法があります。これは液体窒素(-196℃)を綿球に含ませ、病変部に接触させて凍らせることで、ウイルスに感染した細胞を破壊する治療です。

凍結後は、炎症や色素沈着が残ったり、イボは血管の塊でできているため赤い水ぶくれ(水疱、血豆)になったりする場合があります。血豆が大きくなった場合は、再診が必要です。

治療は1回ではなく、2週ごとに繰り返す必要があります。また、凍結後のかさぶたができて削れるまで、2週間程度かかります。

治療法②:モノクロール酢酸

イボ(尋常性疣贅)の治療には、モノクロール酢酸が用いられます。モノクロール酢酸は強力な酸であり、イボ組織を腐食させることで壊死させる働きがあります。その後、イボは2〜3日で白く変色し、脱落します。

処置は2〜3週間に1回行われ、治療期間は液体窒素よりも短い印象ですが、部位によっては4〜6ヶ月ほどかかることもあります。疼痛が少ないため、子供や皮膚の厚い部位のイボ治療に適していると言えます。ただし、顔面や腕の内側など皮膚が薄い場所では実施できません。

治療法③:グルタルアルデヒド

イボ(尋常性疣贅)の治療において、グルタルアルデヒドは殺菌消毒薬を使用した治療法です。グルタルアルデヒドには蛋白凝固作用があり、塗布することでウイルスに侵された皮膚の細胞を壊死とウイルスの除去効果が期待できます。この方法は単独では効果が弱い一方で、副作用が強いため他の治療法(モザイク疣贅の凍結療法など)と併用治療に用いることが多いです。

液体の薬を1日1回綿棒でイボに塗り、ドライヤーの冷風で乾させます。薬を塗った部分が茶色く染色され、表面が乾燥してヒビ割れを生じやすいという欠点があります。また、この治療法は保険が適用されない点には注意が必要です。

治療法④:ヨクイニン内服

イボ(尋常性疣贅)の治療には、ヨクイニン内服が用いられます。ヨクイニンはハトムギから抽出した漢方薬で、イボの免疫を高めることで治療します。単独での治療効果は弱いですが、副作用も少ないため他の治療法(例えば、液体窒素療法)と組み合わせて使用されます。これにより、イボの治療効果が向上し、患者の不快感を軽減することが期待されます。

治療法⑤:スピール膏(サリチル酸絆創膏)

イボ(尋常性疣贅)の治療には、スピール膏(サリチル酸絆創膏)が使われます。この薬は角質を溶かす効果があり、イボの表面を溶かして小さくすることができます。他の治療法(例えば、液体窒素療法)と併用されることが一般的です。

特に足の裏のイボには、液体窒素だけでは治療が難しいこともあります。その際には、スピール膏を使って角質を柔らかくして剥がすテープを毎日使うことで効果的です。この処置を継続することで、徐々にイボが小さくなります。

スピール膏は保険で処方することができますが、貼り方にはコツがあります。また、自己判断で使用する際には副作用(発疹、発赤、かゆみなどの過敏症)に注意が必要です。

治療法⑥:炭酸ガスレーザー

イボ(尋常性疣贅)の治療には、炭酸ガスレーザーが用いられます。レーザーを使ってイボ組織を蒸発させて除去するため出血がなく、傷跡が早く目立ちにくいメリットがあります。

一方で局所麻酔後、炭酸ガスレーザーでイボを削りますが、切開除去をする手術療法よりも再発のリスクが高まります。炭酸ガスレーザーで治療をした場合、皮膚の深い部分に肉眼では確認できないイボの細胞が残りやすいためです。また、治療後はガーゼを当てる必要があり、複数箇所を同時に治療することは適しません。

イボ(尋常性疣贅)のよくあるご質問

Q質問①:イボ(尋常性疣贅)は人から移りますか?

A
イボ(尋常性疣贅)は人から人へ移ります。なぜなら、HPVというヒト疣贅ウイルスに感染することで発症する感染症だからです。

イボを触るなどの接触感染にて感染拡大していき、接触後2〜6ヶ月後に発症するため、どこで感染したか目星がつきにくい難点があります。特に怪我をしたり、お風呂上がりでふやけて柔らかくなったりした皮膚は感染しやすいため、注意しましょう。

Q質問②:イボ(尋常性疣贅)の治療は保険適用ですか?

A
イボ(尋常性疣贅)に関する治療法は多様ですが、保険が適用されるケースは限られています。例えば、放置すると健康に悪影響を及ぼす可能性がある場合、保険を利用して液体窒素治療や外科手術を受けることができることもあります。

詳しくは診察して、イボの状態から診断してもらわないとわからないため、一度皮膚科に相談してみましょう。
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