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ウィルス性紅斑

ウイルス性紅斑の治療について

ウイルス性紅斑とは

ウィルス性紅斑(伝染性紅斑)とは、ヒトパルボウイルスB19によって引き起こされる感染症の一つです。この病気は主に子供に見られ、特に5歳から15歳の間に多く発症します。ウィルス性紅斑は、特徴的な「リンゴ病」とも呼ばれる頬の赤みを伴う発疹が出現することで知られています。発疹は通常、頬から始まり、次に腕や足、体の他の部分に広がります。

ウィルス性紅斑は通常、軽度の病気であり、特別な治療を必要としないことがほとんどです。しかし、妊婦や免疫系に問題がある方は、より深刻な問題(胎児への悪影響や貧血のリスクなど)を引き起こす可能性があるため、早めの診断が必要です。

またウィルス性紅斑は、人から人へと主に飛沫感染によって広がります。ウィルス性紅斑に対する特別な予防策は存在しませんが、手洗いやマスクの着用などの基本的な衛生習慣は感染を防ぐのに役立ちます。

ウィルス性紅斑

ウィルス性紅斑の原因

ウイルス性紅斑の原因はヒトパルボウイルスB19というウイルスです。

このウイルスは、感染者の咳やくしゃみなどの飛沫に含まれ、それを吸い込むことで感染が広がります。また、ウイルスが付着した手で口や鼻に触れることによる接触感染も一般的です。

季節性ははっきりと認められていないものの、5〜9歳の小児の間での発生が最も多く見られます。ヒトパルボウイルスB19は非常に感染力が強く、家庭内や学校などでの接触により簡単に広がります。通常、パルボウイルスB19に一度感染すると終生免疫が形成され、再感染は稀です。日本人の約50%が過去に感染し、抗体を持っています。

ウィルス性紅斑の症状

ウイルス性紅斑の症状は、感染後約4~20日後に現れ始めます。多くの場合、感染しても無症状や軽傷で済んでしまいます。典型的な症状の感染者は軽い微熱、頭痛、鼻水などの風邪のような状態が数日間続くことがあります。

その後、頬が赤くなり、まるでたたいた後のように見える特徴的な発疹が現れます。この発疹は特に腕、脚、体幹に現れますが、通常は手のひらや足の裏には出ません。

発疹はかゆみを伴うことがあり、レース模様のように分布することが多いです。日光に当たることで発疹が悪化し、衣服で覆われていない部分に特に見られます。通常、発疹は約1週間で消えますが、数週間にわたり、日光、運動、暑さ、発熱、精神的ストレスなどに反応して一時的に再発することがあります。

大人の場合、関節の軽い痛みや腫れが数週間から数カ月にわたり残ることがあります。

ウィルス性紅斑の治療法

ウイルス性紅斑の治療法には特定の抗ウイルス薬は存在しません。そのため、主に対症療法が行われます。

発熱や関節痛を和らげるために解熱鎮痛薬が使用されることがあります。例えば、ロキソプロフェンナトリウム(商品名:ロキソニン®)などの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が処方されることがあります。

かゆみが強い場合には、かゆみ止めの薬が使用されることもあります。重症の患者に対しては、ウイルス血症の抑制と赤血球産生の増強を目的とした免疫グロブリン製剤の静脈内投与が行われることがあります。

また、赤い皮疹が出ている期間に熱い風呂に入ったり、激しい運動をしたりすると症状が悪化するため、これらを避けることが推奨されます。通常、ウイルス性紅斑は自然に回復する病気であり、発疹も1週間ほどで消えることが多いです。

しかし、症状が長引く場合や異常が見られる場合は、医療機関を受診することが重要です。

ウィルス性紅斑の予防法

ウイルス性紅斑の予防法には、手洗い、うがい、マスクの着用といった対策があります。

手洗い:手洗いは、手に付着したウイルスを洗い流し、体内への侵入を防ぐための基本的な対策です。外出後、食事前、トイレの後などには、手洗いを徹底しましょう。特に手のひら、手の甲、指の間、指先、爪の間を念入りに洗うことが重要です。これにより、手に付着したウイルスを効果的に除去することができます。

うがい:うがいは口や喉に付着したウイルスを除去する効果があります。特に外出から帰った時や人混みから出た後にうがいを行うと効果的です。うがいをすることで、口腔内や咽喉部に付着したウイルスを洗い流し、感染のリスクを減少させます。

マスクの着用:マスクの着用もウイルスの飛沫感染を防ぐために重要です。公共の場所や混雑した場所では、マスクを着用することで、自分だけでなく他人への感染を防ぐ効果があります。マスクは鼻と口を完全に覆うように正しく着用し、使用後はすぐに捨て、手を洗うことが推奨されます。正しい方法でマスクを使用することで、飛沫感染を効果的に防ぐことができます。

特に妊婦や感染リスクの高い人々は、これらの予防策を徹底することが重要です。日常生活でこれらの衛生習慣を実践することで、ウイルス性紅斑の感染を効果的に防ぐことができます。

ウィルス性紅斑の検査方法

ウイルス性紅斑の診断では、特徴的な症状と発疹のパターンを調べることが主に行われます。

小児の場合、症状のみで診断されることが多いですが、成人や特定のリスクがある患者(例:妊婦や血液疾患の患者)には血液検査が行われることがあります。血液検査ではヒトパルボウイルスB19に対する抗体を調べ、特にIgM抗体とIgG抗体を確認します。IgM抗体は感染後7~10日で上昇し、2~6か月間陽性が続きます。一方、IgG抗体は感染から2週間後に上昇し、生涯陽性が続きます。

ウイルス性紅斑の診断は、IgM抗体が陽性の場合、またはIgG抗体が4倍以上増加している場合に確定されます。特に成人の場合、IgM抗体を調べて診断を下すことが一般的です。

ウィルス性紅斑のよくあるご質問

Q妊婦がウイルス性紅斑を発症するとどのようなリスクがありますか?

A
妊娠中の女性がパルボウイルスB19に感染すると、ウイルスが血流に乗って胎盤を通過し、胎児に影響を及ぼすリスクがあります。

特に妊娠28週未満の早期に感染すると、胎児に深刻な症状を引き起こすことがあります。妊婦が感染した場合、約20%が胎盤を経由して胎児に感染し、そのうちの約20%が胎児水腫や貧血を引き起こし、流産や死産の原因となることがあります。

一方、妊娠28週以降の後期に感染した場合、胎児への影響は少ないとされています。残念ながら、パルボウイルスB19に対するワクチンはなく、胎児への感染を防ぐ方法も確立されていません。したがって、妊娠中の女性はウイルスに感染しないよう、手洗いやマスクの着用など基本的な感染対策を徹底することが重要です。

また、地域でウイルス性紅斑の流行が見られた場合は、外出を控えるなどの対策を講じることが推奨されます。妊娠中に感染の疑いがある場合は、早期に医療機関を受診し、適切な対応を受けることが大切です。

Qウイルス性紅斑にはどのような合併症がありますか?

A
ウイルス性紅斑は通常、合併症を引き起こしませんが、特定の場合にはいくつかの合併症が発生することがあります。

また、異常ヘモグロビン症(例えば、鎌状赤血球症)やその他の赤血球疾患(例えば、遺伝性球状赤血球症)を有する患者では、一過性の無形成発作が見られることがあります。さらに、発疹以外にも発熱、関節痛、咽頭痛、鼻症状、胃腸症状、粘膜疹、リンパ節の腫脹、関節炎などの症状が現れることがあります。

稀に、インフルエンザのような高熱、急性脳症、急性片麻痺、紫斑病、重症貧血、心筋炎などの重篤な合併症が発生することもあります。

これらの合併症は通常、発疹が現れる前に発生することが多いですが、遅れて現れることもあります。治療後は通常良好ですが、溶血性貧血の患者では汎血球減少を起こすことがあり、注意が必要です。

Qウイルス性紅斑の感染経路は何ですか?

A
ウイルス性紅斑の主な感染経路は「飛沫感染」です。感染者の咳やくしゃみから放出される細かい飛沫を吸い込むことで感染します。また、感染者が触れた物や、直接手指を経由してウイルスが鼻や口に入ることで感染する「接触感染」もあります。

家庭内では50%、学校で同じクラスにいた場合は10~60%の子供が感染者との接触や飛沫によって感染すると言われています。潜伏期間は10~21日で、成人では半数以上が不顕性感染といって、感染に気づかないことが多いです。
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